今日様
1月も松の内が過ぎると正月気分も一掃され、通常の経済活動が戻ってきました。
街行く人や近所での挨拶も「明けましておめでとうございます」から日常の「こんにちは」に戻りました。
今日は、日本人の日常生活に欠かせない、この挨拶の言葉の意味を調べました。
「今日様(こんにちさま)」と言う言葉がありますが、お聞きになったことがありますか?
今日様とは、太陽のこと。お天道様のことを言い、広辞苑では、(その日を守る神の意)太陽のこと。天道さま。日輪さま。と説明しています。
辞書が示すように、昔は太陽のことを「今日様」とよんでいました。
「こんにちは」と言う挨拶は、「やあ、太陽さん」という呼びかけだったそうです。
また、「元気ですか?」とは、元の気という意味で太陽のエネルギーを指し、「こんにちは、元気ですか?」とは、今日も太陽さんと一緒に明るく元気に生きていますか?
と言う確認の挨拶なのだそうです。
そして、これを受けて、「はい、元気です」と応答するのは、「はい、太陽さんと一緒に元気に生きていますよ」ということを言っており、更に、その返事として、「さようならば、ごきげんよう」と言うのは、つまり、「そうですか、太陽さんと一緒に生活しているならばご気分がよろしいでしょう」と言うことなのだそうです。
従って、私たち日本人が日常交わしている挨拶の基本は次のようになります。
「こんにちは、お元気ですか?」
「はい、おかげさまで元気です」
「さようなら、ごきげんよう」
これが挨拶の基本なのだそうです。
江戸時代までは、きっちりと「さらば、ごきげんよろしゅう」とか「さようなら、ごきげんよう」と言っていましたが、明治時代になると男性は「さようなら」となり、女性は「ごきげんよう」と掛け合うようになりました。
そして、昭和になると、女性もほとんど「ごきげんよう」を言わず「さようなら」だけを言うようになりました。
「ごきげんよう」を言わなくなった現在の人たちは、「さようなら」の本来の意味が分からなくなってしまったのだそうです。
「こんにちは」、「さようなら」の意味、日本人なら覚えておきたいですね。