田舎の80歳になる義兄が心臓手術で2ヶ月に及ぶ入院生活の後、先日退院しました。
元々、左足が悪く、数十年の間ビッコを引きながら日常生活を送っていた義兄の足は、2ヶ月に及ぶ病院のベッド生活で益々歩行困難となり、リハビリを繰り返して漸く退院時に杖をついて少しずつ歩けるようになってきたものです。
このような状態でありながら、退院後、義兄は自動車の運転を再開しようとしています。
ところが彼の子供たちを始め家族は猛反対で、この際、免許証の自主返納を勧めていますが、車がないと何処にも行けない義兄はその不便さから納得しません。
家族はタクシーの利用を勧めますが、毎日タクシーを呼ぶ訳にもいかず、しまいには親子喧嘩をする始末です。
家族は、「自分だけの事故なら自業自得で構わないが、他人様を事故巻き込んだらどうするのか」と説得していますが、本人は運転に自信があるのか、家族の忠告を全く受け入れようとせず、困っています。
「運転免許証の自主返納」
ところで、新聞報道などを見ると、最近、高齢運転者が関与する交通事故が増加しており、交通事故全体の2割を占めているのだそうです。
交通違反をした高齢運転者は、安全不確認違反が3割にものぼり、また脇見や考え事をしていて発見が遅れたため起きた事故は7割を占めています。
判断力や注意力の低下は加齢に伴う自然な現象であり、回避するのは難しいようですが、こうした背景から最近耳にするようになったのが「運転免許自主返納」です。
これは、有効期限内に運転免許を返納すること。
返納すれば運転免許がなくなり、自動車の運転はできなくなりますが、返納した日から5年以内に申請をすれば、過去の運転経歴を証明する「運転経歴証明書」の交付を受けられ、運転免許証と同様に身分証明書として用いることができるものです。
その手続きは、各運転免許試験場や免許更新センター、警察署で申請でき、交付を受けられます。
自主返納には暮らし上でのメリットもあります。
例えばタクシーやバスなどの交通機関の乗車料金の割引、信用金庫などでの金利優遇、美術館のチケット割引など市区町村により異なりますが、特典があります。
義兄の住所地では自主返納メリットがあるのかどうかは分かりませんが、義兄の年齢、身体的な瑕疵(足が不自由)を考えれば家族が言うように運転免許証の自主返納をしてくれたらと思っているところです。