「ドッペルゲンガー」という言葉をお聞きになった事がありますか?
ドッペルゲンガーとは、二重、分身という意味で、自分の姿を第三者が違うところで見る、または自分で違う自分を見る現象のことです。
自ら自分の「ドッペルゲンガー」現象を体験した場合には、「その者の寿命が尽きる寸前の証」という民間伝承もあり、未確認ながらそのような例が数例あったということで、過去には恐れられていた現象です。
この世には自分に似た人が3人いると言われています。
文学の世界では、似た人に出会う事もあるでしょうが、現実に出会ったら怖いですね。
数奇な出会いだけはご免こうむりたいものですが、この数奇な体験をした男性を英国放送協会(BBC)が紹介していたと、某新聞に載っていました。
その記事とは、昨秋、イギリスの写真家、ニール・ダグラスさんはロンドン郊外の空港で機に乗り込みました。
と、その時、席の男性が見上げた顔に目を見張ったそうです。
なんと、「自分がそこにいるではないか。」「目鼻も、口も、笑い顔はおろか、髭や髪形まで同じ・・・。」
でも、二人は他人と言い、機内で写した写真がBBC日本版サイトに掲載された、というものです。
ドッペルゲンガーを見てしまった人の末路は悲惨で、たいていは死を迎えるのだそうです。
これに対処できる有効な手段は、残念ながらなく、ある場合は自分自身を見てしまったショックで、心臓麻痺を起こして即死し、またある場合は、数日から1年以内に徐々に体調をくずし、或いは精神に支障をきたして死を迎えるそうです。
自分の精神が蝕まれていくことに耐えられず、自殺する人もいるということです。
ドッペルゲンガーに出会った有名人もいるそうです。
「モーパッサン(フランス)の事例」フランスの文豪モーパッサンは、1889年のある夜、部屋の中に入ってきたもう一人の自分に出会いました。
彼は、当時書いていた『われらが心』の文章の続きをぺらぺらとしゃべり始め、モーパッサンはそれを書き留めていったと言います。
「ゲーテの事例」
『ファウスト』で有名なゲーテは、公園の小道で馬に乗っていると、向こうから馬に乗ってやってくる彼自身を見ました。
その男はすぐに消えてしまいましたが、8年後、同じ小道を馬で出かけた時に、ゲーテはその時の服装が、8年前に出会った自分と、まったく同じ服装だったことに気づき驚きました。
「芥川龍之介の事例」
芥川は、ドッペルゲンガー(もう1人の自分)を見ていたらしく、雑誌の対談などでも、それについての話を何度もしていたそうです。
その事例は、芥川は、未発表で未完の小説 『人を殺したかしら』 を書いていた時、青年が人を殺す夢を見ます。
だが、その事件は翌朝になると実際に起こっていました。
しかも夢で殺した被害者と、実際の殺人事件の被害者はとても良く似ており、事件は、全て自分の近辺で起こっているのだそうです。
青年は「もしかしたら、本当に自分が殺しているのかも」と、悩み苦しむようになり、 そして、それは「もう1人の自分がいるのかも・・」という悩みへ変わっていくのだそうです。
自分に似た人が3人いると言われているこの世ですが、怖いドッペルゲンガー現象には出会いたくないですね。