食べ物であふれるこの日本で、栄養失調(低栄養)の人が増えているそうです。
先日、某テレビで、最近、65歳以上の高齢者の5人に1人が低栄養傾向にあると報道していました。
低栄養とは、たんぱく質やエネルギー不足のことで、体重が減少していき、放置すれば、筋力や免疫力が低下したり、血管も衰えて脳卒中などにつながる恐れがあるのだそうです。
自治体によっては低栄養を早期に改善しようと取り組んでいるところもあるとのことで、神奈川県大和市を紹介していました。
同市が訪問栄養相談を始めたきっかけは2011年に行った市在住の高齢者へのアンケートだそうです。
その調査で、体型の指標となる「BMIが18.5以下で、しかも半年で体重が2~3キロ減少した低栄養の中でも危険なレベルの人が約400人もいた事から、その方たちの栄養改善を目的に始まったそうです。
(参考)
計算式 BMI= 体重kg ÷ (身長m)2
適正体重= (身長m)2 ×22
「低栄養対策」
低栄養にならないためには『タンパク質』をしっかり摂る事が大切で、タンパク質は免疫グロブリンと呼ばれる免疫物質を作る元にもなり、抵抗力をつける上でも重要なのだそうです。
高齢者はインフルエンザやノロウイルスなどの感染症に注意が必要と言われますが、その背景にはタンパク質不足による免疫グロブリン量の低下があります。
また筋肉にもタンパク質は多く含まれており、タンパク質不足になると筋肉の中のタンパク質が消費されていき、どんどん筋肉が痩せていきます。
筋肉の衰えは運動機能の衰えに直結し、足腰が立たなくなる可能性があり、また、口や喉の筋力の衰えは、食べること、話すことが上手く出来ないようにもなっていくそうです。
「たんぱく質不足」
たんぱく質が不足すると、どうなるのでしょうか?
・赤血球の材料が少ない→「貧血」
・血管を作る材料が少ない→「脳出血」
・免疫細胞を作る材料が少ない→「肺炎」「結核」
・筋肉を作る材料が少ない→「転倒」→「骨折」
等のリスクが高まります。
「たんぱく質不足の原因」
何故たんぱく質が不足してしまうのでしょうか
・低栄養になった人の食事には偏りがあること。
・夫や妻を亡くしたなどの生活の変化によるストレスで食べられない人。
・痩せている方が健康にいいといった誤った健康認識で食べない人。
などがあるようです。
以前は、家族のために栄養を考えて、肉や卵などを使って料理をしていたのが、一人暮らしになってから、自分が好きなものだけを食べるようになり、肉や卵を使った料理を食べなくなってたんぱく質が不足してしまうなど、高齢者の孤食が「低栄養」になるリスクを高めてしまうということです。
高齢者のみなさん、栄養不足にならないようにバランスのよい食事を摂り、健康を保って老後の人生を楽しみましょう。