三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

国宝松本城

2006年05月19日 06時30分42秒 | Weblog

松本にせっかく来ているんだから、と訪れたのが松本城。
平野の真ん中に立っている「平城」なんですが
堀がたっぷり巡らされていて、外観的には堀越しの水城風のものがポピュラー。
石垣という名前の基礎のうえに櫓造りの本体が乗っかっています。
全体で6層で、高さが大変強調されていますね。

でも、こういう城郭建築では
権力の誇示や、戦争の機能面がメインテーマなので
あんまり「個人の生活」というにおい立つ部分って
感じることは少ないものです。
まぁ、こんなもんだろう、と
城郭本体から出口に至る寸前に、「月見台」といわれる
本体建物に突き出すように建てられた建物に出ました。
城郭は、基本的に戦争、それも防御を中心に考えるものですから
現代生活のような「開放感」重視、というのはありえないのですが
このコーナーは、そういうイメージではなく
まさに「自然をめで、楽しむ装置」でしたね。
建具を取り払ってしまうと、3方向がすべて開放されます。
それこそ、月の美しい夜に酒を酌み交わすような
そういう一期一会を楽しむ空間だと思います。
思わず、床面に座り込んで周囲の風景を眺めわたしました。

まぁ、きっと鼻持ちならない権力者の贅沢三昧ではあったのでしょうが
そういう個人的な、というか情緒的な「文化」はこういう部分で
こんにちまで繋がってきているのですから、
そのものとして受け止めるべきでしょう。
2階建てほどの高見から、四季折々の自然が満喫できただろうと思います。

でも、冬は寒かったでしょ、お城のお侍さん。
現代では、きわめて一般的な庶民が
ちょっと考えて建物を作れば、あなたたちが絶対体験できなかった
「あたたかい冬」が過ごせるのですね。
ということで、住宅性能を科学する新住協の総会、全国から200人ほどの参加で大盛況です。
この様子は、あすから若干触れたいと思います。
コメント
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