さて今回の新住協総会の取材シリーズです。
ちょうどこの総会のまとめ的な記事をリプランでも掲載しますので
その下書きとしても書き進めたいと思います。
写真は総会を前にして前日集合組による住宅視察先1件目。
松本の伝統を感じさせてくれるような
みごとな素材の質感に満ちた伝統的スタイルの民家です。
この家は約20年ほど経過した店舗併用住宅の建て替えだそうです。
って、え~20年でもう建て替えるの?
と思ってしまいましたが、なかなかモダンな鉄骨造の洋風の建物だったそう。
でも、雨漏りが激しくて、ほとほと困っていたのだとか。
そして、今回の建て替えで、デザインとしては
一変して、伝統的なスタイルのものに変わったのです。
なんでも合理的で進歩的な「欧米信仰」への反省という
日本人の最近の意識の変化もそこに表現されているかのようですね。
外観もみごとな伝統様式ですが、
内部に入って再びびっくり。
野太い大黒柱が重量感一杯。それと床板には
厚みが45mmもあるという檜の無垢板が敷き込まれています。
暖房は局所的に居間などに電気式の床暖房が敷かれているので
それら居室ではこういう無垢板は使えませんが、
たぶん訪問客はびっくりする、
写真右のような、見事な素材の質感が玄関を入ってすぐに広がります。
こういう格調のある民家的たたずまいですが、
断熱は軸間断熱で32kgGWを75mm充填。気密は合板気密。
真壁構造での高断熱仕様です。
基礎断熱ですが、夏場には開放できる断熱材付きの換気孔を使用。
屋根は垂木の間に32kg75mm相当の断熱材を使用しています。
屋根・壁とも断熱材の内側には防湿シートを張り
外部には防風シートを張っています。
こういう伝統的なスタイルの建物で、しかも
高気密高断熱なすまいが実現しているわけです。
地域ごとに、こういう技術を蓄積した工務店が存在することが
日本各地の暮らしの伝統スタイルを守っていくことにも直結する。
そんな思いを抱かせてくれる家でした。