三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

新住協総会3_松本市内にて

2006年05月22日 07時02分18秒 | Weblog

建物の見学が一段落して総会の会場ホテルに向かう間、
少し時間があったので、散歩してみました。
写真は松本市内の昔の町並みが保存された地区で
発見した建物の内部にあった「土壁」の展示模型。
北海道から行くと、こういうのがすごいなぁと感じます。
ちなみに、説明文を記載してみると

「内壁が出来上がるまでの工程」
1 木舞(こまい)掻き  柱の真に通る貫に木舞を掻き下地を作る。
2 荒打ち  よくねった泥の固まりを木舞の組目にたたきつける。
3 むら直し  荒打ちした壁の表面の凹凸を調整する。
4 中塗り  むら直しの上に内厚をつけ、一様に均す。
5 上塗り(漆喰)  壁土表面を硬化させるため漆喰を塗る。

ということだそうです。
まぁ、何となく理解できるかなぁ、と。
木舞(こまい)掻き、という工程がよくわからないけれど、
写真で見れば要するに下地の竹などによる壁の芯材の構成のこと。
ここでは竹が使われていますが、たぶんいろいろな植物で代用されたようです。
こういう土壁で囲まれた空間って、
壁に映り込む太陽光の微妙な陰影感、
湿度を吸ったり、吐き出したりしている湿度調整の感じなど
床面の土のそれとも呼応して
独特の癒しをひとに、五感に感じさせてくれますね。
こういう壁を現代の住宅に活かしていくというのは
たいへん面倒で難しいことだとは思いますが、
しかし願わくば、こういう素材に包まれた空間で
しかも暖かい家、というのがいちばんうれしいと思います。
外側から断熱気密すれば、まぁ使えないわけではないと思うけれど、
この壁は外部に対しても温湿度の吸放出をすると思うので
それを自然的に維持するのがむずかしいかなぁ、と。
現代住宅の最先端技術集団といえる新住協の総会を前に
ちょっと脇道散歩で、
そんな思いを抱いた次第です。
コメント
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