間接照明って、そのセンスが家の雰囲気や住人の人となりまで
あらわしているように感じられることがありますね。
写真は、札幌市内のある建築家自宅でのもの。
コンクリートの1階部分で、車庫などにも使われている階なので、
広めの玄関と、設計アトリエのみの間取り。
コンクリート打ち放しの空間なので、
すこしざらついた質感が印象的です。
こうした空間の場合、直接照明を使うと、のっぺりとした雰囲気になってしまいます。
素材の質感を重視していくと間接照明を採用したいもの。
というところまでは、まぁ、誰でも考えるところですが、
その間接照明の場所が思いもしなかった場所でした。
って、写真ですから、見たまんまのわかりやすさなんです。
蛍光管照明ですから、設置場所が難しい。
壁や天井に付けていけば、どうしても面が強調された
陰影感のない灯りになってしまいやすい。
そこで、コンクリート空間にぽっかりと浮かんだような
木製腰掛けを簀の子状に造作して
その隙間から照明を入れて、木質感を浮かび上がらせるようにしています。
コンクリートの質感と、木質の質感がうまく調和して
なかなか豊かな情緒性が感じられます。
こういう設置をすると、電気の配線なども座面に隠すことも出来るので
たいへんスッキリした印象も持たせられます。
家づくりって、こういう細やかな部分で、
その家の印象がかなり大きく左右されるもの。
とくに、玄関ですから、生活の中での「句読点」としての
役割は大きい空間です。
照明ひとつでも、いろいろな雰囲気を演出できるものですね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます