三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

えりちゃん家

2005年10月15日 06時19分49秒 | Weblog


リプランの創刊から18年。
実にたくさんの家を見続けてきたものです。
そんななかでも、こころに深く残っている家というものがあります。
写真の「えりちゃん家」というタイトルで発表された家は、なにか原点のような思い入れがあります。
建築家・倉本たつひこさんの作品。
札幌から車で2時間弱くらいの鵡川町の山中にある森の家。
癒しを求めて、自然のなかにそっと置かれたような印象。
床面積はとても小さくて、母屋で確か12坪程度、ゲスト用の離れは3坪くらいだった記憶があります。

車で向かう道は、ずっと緑の回廊のようで、すこし緑がまばらになったな、という場所に建っていました。
なるべく周辺の樹木に手をつけず、必要最小限の伐採にとどめ、2棟をつなぐ円形のデッキもところどころ自然の樹木のために、すき間を空けてあったりします。
母屋内部に入った位置から、内部奥に向かって正面から撮影したのが、この1枚の写真。
数少ない住宅を構成する要件・生活装置、柱・梁というシンプルな要素だけが、展開しています。
ほんのすこし、横架材に丸く穴をうがってあるのが、めぼしいデザイン要素。
これだけで構成された空間ですが、なんとも言いようがない、奥行きを感じました。
北海道の建築家たちが、住宅の賞をじぶんたちで作ったのですが
この家が、第1回の受賞作になったのは、ごく自然だったといえると思います。

ふるい写真をさがすうち、もういちど目がとまってしまった住宅でした。
みなさんは、いかがですか?
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