三木奎吾の住宅探訪記 2nd

北海道の住宅メディア人が住まいの過去・現在・未来を探索します。
(旧タイトル:性能とデザイン いい家大研究)

出版というもの

2008年02月15日 13時09分14秒 | リプラン&事業

本日は更新が遅れておりました。
さすがに、ここんとこ作業やらなにやら、
ただでさえそう広大ではない(笑)頭のなかが一杯になっていまして、
にわかにブログを書こうという気力が起きませんで、
やむなく仕事が始まっているこの時間にアップとなりました。

っていっても、書くことは仕事に関連したこと。
そうです、出版と言うことです。
書くのが遅れたのは、基本的なことを調べてからにしようと思ったからなんですが、
まぁ、諦めました(笑)。
一昨日ですが、カミさんと坊主の趣味でいつも眺めさせられている
朝のフジテレビの情報番組で
出版界に関するマーケットデータが出ていたんですね。
わたしは小さいマンガ少年のときから、一貫して
このような仕事が好きで、続けてきたワケなんですが、
最近は出版界が構造不況業種に指定されるのではないかという危惧まで出ていますね。
総売上金額が、10年近く低下を続けている、
主要取次会社が、前年マイナス予算を組んでいるという業種なんですね。
本日の朝刊でも「主婦の友」が廃刊になるというニュース。
最盛期には160万部も出ていたという雑誌が、直近では14万部という落ち込み。
(すいません、時間がないので記憶に基づいて書いていますので、若干数字は違うかもしれません)
近年は、こういう売上の低下を補おうと、出版の点数は逆に増えている。
たいへん厳しい状況になっているのです。
で、番組中では出版大国のドイツとの比較が出ていて、
人口が日本の6割くらいのドイツが出版売上では日本を大きく上回っているのだとか。
そのワケとして大きいのが書店の利益率の高さが上げられていました。
日本では平均的に20%程度なのに対して、
ドイツでは35%ほどの利益が書店に入ってくるのだそうです。
その分、日本では「委託」という取引形態なのが、
ドイツでは「買い取り」という形態なんだとか。
ようするに流通システムの問題で、書店に「売れる本」に対する選別眼がきびしいということ。
売れる本を、自己責任で買い取りで仕入れて販売するのですから
必然的に、生きるか死ぬかの厳しい選別になるのですね。
たしかにインターネットの普及は
「情報」という側面での出版の独占部分を侵している部分があるでしょう。
しかし、それならば、日本だけが落ちている理由説明にはならない。
やはり、構造的な問題もそこにあるのでしょう。

より状況に肉薄するような視点を持たない限り、
牧歌的な出版の世界は終わりを告げるのかも知れません。
厳しく自分自身も、問い直さなければならないと考えています。

<写真は江戸期の旅行カタログの挿絵>
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