写真は、先日のLIXILさんの札幌での講演会、
建築家・伊礼智さんの講演からのツーショットです。
伊礼さんとは6−7年前に直接事務所に訪問させてもらって以来の
各種接触があったのですが、
講演を聴かせていただくのは、今回が初めてでありました。
建築家という存在は、建築デザインがその中心的役割でしょう。
先日も鎌田紀彦先生にお話を伺いましたが、
そもそも発祥とされるヨーロッパ世界では、
建築とは、いかに美しく作るかということが最重要テーマで
そのために「建築学」というのは、芸術の一分野とされてきた。
近代になって、はじめて「どう作るか」という側面がクローズアップされ、
「工学」的なアプローチというのがスポットを浴びるようになって来た
というように教授されました。
しかし「どう美しくつくるか」ということにも、
その志向性はいくつか考えられるのだと思います。
それは、「世界に一つだけの芸術作品」としての美の探求と
それとは方向性が違う、プロトタイプとしての追求、
いわば「ユニバーサルデザイン」の方向性というもの。
どうもこの「万人にとって美しいと思える」という価値感が、
きわめて常識的で、明瞭な世界だと思えるようになって来ました。
Replan誌面上でも鎌田紀彦先生にあえて「Q1.0住宅デザイン論」を
書いていただいている大きな理由でもあります。
高品質な環境性能を満たしながら、同時にシンプルで美しい
そういった住宅建築が求められていると強く感じる次第。
伊礼智さんの講演を聴いていて、そういった志向性が伝わってくる。
下の写真スライドのような志向性に強く共感を覚える次第です。
まさに「設計を標準化し、繰り返し改善していくことで、
性能と意匠の両立が可能になる」という本質的気付きへの共感。
こういった考え方による「いい家」が増えていくように、
ユーザー側の立場としても、念願している次第です。
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