先週末の東北フォーラム・合同研究会のテーマであったZEHについて、
きっかけとして論議を起こしたいと提起した拙ブログですが、
わたしの想像以上にたくさんのみなさんの発言が巻き起こっています。
Facebookによる「拡散」効果だと思います。
せっかくの貴重なご意見ですので、以下に要旨をまとめておきたいと思います。
各発言については、拙個人Facebookコメント欄で確認してください。
◎太陽光発電でZEHを実現するというのには、ちょっと抵抗がある。やはりまず
高気密・高断熱が先決。どうも政策の背景に圧力業界団体の存在が見える。
市場が要求する性能を補助金で歪めてしまうと、不自然な景観が出現する
◎都内の3階建てでは、ZEHに必要な太陽光のせるのが困難。
道路付きや高いビルの隣など影ばかりあります。都内を無視した政策ですね。
◎切妻で済む程度のPVでやれるだけのエコハウスに、
どこまで合理的に無理なくバランスが取れるか、という努力が不可欠。
◎「長き存続を考えていいものを作る」という家づくりポリシーとZEH選択とは、
根源的な部分で違いがあるのではないか?
◎ZEHと景観・デザイン・文化についてはこれから重要な議論になる。
ZEHは極論すれば環境・エネルギー政策に起因するために
これまで日本が築いてきた住文化と対峙する。この融合をどう図るかについて
現世代の業界人の真価が未来から問われている。
◎太陽光発電パネルを設置しない限りエネルギーの100%削減は無理、
だとは思うのですが、しかし・・・。
◎ZEHは今後どうしたら、よりエコロジカルなアプローチで
かつ日本文化的に最適解があり得るのか、探っていくべきだ
◎東京近郊住宅地では計画として、建物を北側に寄せてる配置が多く、
北側斜線(高度地区)に絡み南下がりの片流れはまずありません。
への字型屋根は確実に増えますね。パネルを多く載せるために、
軒の出が大きくなっているのは嬉しいです。
機能のためにデザインが変化していくのは良い事ではないか。
◎ 2階から1階まで大きな片流れで、
2階の南面に窓がないという家も現れました。疑問。
◎景観として似たような家ばかり並び、屋根の上に無機質なパネルが並び、
家の表情が台無しになる。北海道では当然のごとく壁GW300以上の断熱材を
入れたりしなければ、全くもって成立しないが、
暖かな地域では、そんなことをしなくてもいとも簡単に、ZEH化できてしまう。
◎鹿児島では、12月にクーラーを入れる事が有ります。魔法瓶の家でなく
風通しの良い家の方が、と思いますが...。
◎北海道でも南面の大開口に日射取得型のガラスを採用すると、
3月位から天気の良い日には、窓を開けて暖房という現象がおきます。
北海道でも30℃を超える日があります。UA値0.3以下程度の住宅だと、
たとえ暑くてクーラーを入れたとしても、ほんのすこしで充分です。
ユーザーが如何に快適に経済的に過ごせるかを考えなければいけない。
◎断熱はそこそこでも「ゼロエネ」と高々と謳えて経産省が後押しするのは、
北海道のマジメな取り組みにとって百害あって一利なし。
◎片流れの家の背後に計画したのですが、どうしても日射が入らないので、
土地を買い替えてもらったことがあります。
他人の家のことを考えず、太陽光発電の効率で家を決めるのも困りもの。
◎ZEHの太陽光パネルが片流れ屋根を生むのは日本の伝統的な景観として
異質な外来種のように感じるということでしょうか。
むーん 北海道の陸屋根もさんざんに言われるし、屋根って大切だけど難しい。
◎経産省が主導しているので、住宅政策ではなく、モノ主導で
PVを住宅に「押し込む」形になっていく危惧を持つと言うことですね。
江戸時代の防火目的の瓦屋根推奨政策よりも、どうも文化的とは言えない
◎ZEH=片流れ・・やZEH=屋根にPVみたいな「お約束的パターン化」は
街並みを画一化させてその質を低下させてしまうと、
その主因として、ZEHにはデザイン上の選択肢がほとんどないのか?
◎PVありきで補助金と高額の売電という基準だけによって選択された
住宅デザインに、はたしてサスティナビリティはあるだろうか。
補助金や売電のお金稼ぎのためのデザインに永続性はありうるのか?
◎短いスパンで進化し姿を変えてゆくPVパネルによるデザインと一体だと
長い目で見れば早々に陳腐化してしまわぬか?
もうひとつは売電というお金儲けを住まいという、本来これらとは対極のものに
接続することで、家づくりや住まうことの意味が歪められてしまわぬか?
◎二百年後にあの制度がこんな街並みを作ったと言われているかも。
制度をうまく利用してしたたかに生きるというのが求められる。
北に生きる私達はちょっと斜に構えて制度を作った人達が
悔しがるようなニッチを見つけたいもんだなと思います。
◎ZEHのスペック要求は、都内などでビル影等で実際の効果が
疑問視されるようなところでも「設計値」ということでまったく考慮されない。
ちょうど日影規制が“野っ原の真ん中に建築したときの影”で規制されるのと
似たようなものかもしれません
◎エコを謳って全然機能しなくてもエコ「計画」だからいいって?
PVの発電は北海道では雪で機能しにくいことが明瞭だけれど、
「まぁいいからPV付けて」っていうごまかし。後世の人は納得しない、負の遺産。
◎PV以外の方法、たとえばバイオマスボイラーとかダメなの?
◎「創エネ」という概念に合致する機器としてはPVしか想定していない。
海外ではPVだけに特定せず、将来的な機器の開発を想定して、
ZEH READY~いまは搭載しなくても将来的に創エネ機器を搭載すればZEHだ、
という考え方が標準的。
◎国が「こいつらうまいことやりやがって」と考えて、もう少し方向性を
考えてもらうようなアイデアが必要。
◎北海道ビルダーズ協会からはZEHに掛かる問題点と要望書が経産省に提出され
相応に伝わって北海道だけは、外皮をZEH基準より一定の強化をした場合に限り
ニアリーZEHでも補助対象になりました。経産省なりの配慮かなと。
以上、たくさんの発言に深く感謝致します。
でも、こういったSNSの特性を活かした論議は有為なパブリックコメントですね。
ぜひ、行政サイドのみなさん、参考にしてください。
<図表は日本のエネルギー消費状況推移~出所/総合エネルギー統計
国民経済計算年報、EDMCエネルギー・経済統計要覧>
きっかけとして論議を起こしたいと提起した拙ブログですが、
わたしの想像以上にたくさんのみなさんの発言が巻き起こっています。
Facebookによる「拡散」効果だと思います。
せっかくの貴重なご意見ですので、以下に要旨をまとめておきたいと思います。
各発言については、拙個人Facebookコメント欄で確認してください。
◎太陽光発電でZEHを実現するというのには、ちょっと抵抗がある。やはりまず
高気密・高断熱が先決。どうも政策の背景に圧力業界団体の存在が見える。
市場が要求する性能を補助金で歪めてしまうと、不自然な景観が出現する
◎都内の3階建てでは、ZEHに必要な太陽光のせるのが困難。
道路付きや高いビルの隣など影ばかりあります。都内を無視した政策ですね。
◎切妻で済む程度のPVでやれるだけのエコハウスに、
どこまで合理的に無理なくバランスが取れるか、という努力が不可欠。
◎「長き存続を考えていいものを作る」という家づくりポリシーとZEH選択とは、
根源的な部分で違いがあるのではないか?
◎ZEHと景観・デザイン・文化についてはこれから重要な議論になる。
ZEHは極論すれば環境・エネルギー政策に起因するために
これまで日本が築いてきた住文化と対峙する。この融合をどう図るかについて
現世代の業界人の真価が未来から問われている。
◎太陽光発電パネルを設置しない限りエネルギーの100%削減は無理、
だとは思うのですが、しかし・・・。
◎ZEHは今後どうしたら、よりエコロジカルなアプローチで
かつ日本文化的に最適解があり得るのか、探っていくべきだ
◎東京近郊住宅地では計画として、建物を北側に寄せてる配置が多く、
北側斜線(高度地区)に絡み南下がりの片流れはまずありません。
への字型屋根は確実に増えますね。パネルを多く載せるために、
軒の出が大きくなっているのは嬉しいです。
機能のためにデザインが変化していくのは良い事ではないか。
◎ 2階から1階まで大きな片流れで、
2階の南面に窓がないという家も現れました。疑問。
◎景観として似たような家ばかり並び、屋根の上に無機質なパネルが並び、
家の表情が台無しになる。北海道では当然のごとく壁GW300以上の断熱材を
入れたりしなければ、全くもって成立しないが、
暖かな地域では、そんなことをしなくてもいとも簡単に、ZEH化できてしまう。
◎鹿児島では、12月にクーラーを入れる事が有ります。魔法瓶の家でなく
風通しの良い家の方が、と思いますが...。
◎北海道でも南面の大開口に日射取得型のガラスを採用すると、
3月位から天気の良い日には、窓を開けて暖房という現象がおきます。
北海道でも30℃を超える日があります。UA値0.3以下程度の住宅だと、
たとえ暑くてクーラーを入れたとしても、ほんのすこしで充分です。
ユーザーが如何に快適に経済的に過ごせるかを考えなければいけない。
◎断熱はそこそこでも「ゼロエネ」と高々と謳えて経産省が後押しするのは、
北海道のマジメな取り組みにとって百害あって一利なし。
◎片流れの家の背後に計画したのですが、どうしても日射が入らないので、
土地を買い替えてもらったことがあります。
他人の家のことを考えず、太陽光発電の効率で家を決めるのも困りもの。
◎ZEHの太陽光パネルが片流れ屋根を生むのは日本の伝統的な景観として
異質な外来種のように感じるということでしょうか。
むーん 北海道の陸屋根もさんざんに言われるし、屋根って大切だけど難しい。
◎経産省が主導しているので、住宅政策ではなく、モノ主導で
PVを住宅に「押し込む」形になっていく危惧を持つと言うことですね。
江戸時代の防火目的の瓦屋根推奨政策よりも、どうも文化的とは言えない
◎ZEH=片流れ・・やZEH=屋根にPVみたいな「お約束的パターン化」は
街並みを画一化させてその質を低下させてしまうと、
その主因として、ZEHにはデザイン上の選択肢がほとんどないのか?
◎PVありきで補助金と高額の売電という基準だけによって選択された
住宅デザインに、はたしてサスティナビリティはあるだろうか。
補助金や売電のお金稼ぎのためのデザインに永続性はありうるのか?
◎短いスパンで進化し姿を変えてゆくPVパネルによるデザインと一体だと
長い目で見れば早々に陳腐化してしまわぬか?
もうひとつは売電というお金儲けを住まいという、本来これらとは対極のものに
接続することで、家づくりや住まうことの意味が歪められてしまわぬか?
◎二百年後にあの制度がこんな街並みを作ったと言われているかも。
制度をうまく利用してしたたかに生きるというのが求められる。
北に生きる私達はちょっと斜に構えて制度を作った人達が
悔しがるようなニッチを見つけたいもんだなと思います。
◎ZEHのスペック要求は、都内などでビル影等で実際の効果が
疑問視されるようなところでも「設計値」ということでまったく考慮されない。
ちょうど日影規制が“野っ原の真ん中に建築したときの影”で規制されるのと
似たようなものかもしれません
◎エコを謳って全然機能しなくてもエコ「計画」だからいいって?
PVの発電は北海道では雪で機能しにくいことが明瞭だけれど、
「まぁいいからPV付けて」っていうごまかし。後世の人は納得しない、負の遺産。
◎PV以外の方法、たとえばバイオマスボイラーとかダメなの?
◎「創エネ」という概念に合致する機器としてはPVしか想定していない。
海外ではPVだけに特定せず、将来的な機器の開発を想定して、
ZEH READY~いまは搭載しなくても将来的に創エネ機器を搭載すればZEHだ、
という考え方が標準的。
◎国が「こいつらうまいことやりやがって」と考えて、もう少し方向性を
考えてもらうようなアイデアが必要。
◎北海道ビルダーズ協会からはZEHに掛かる問題点と要望書が経産省に提出され
相応に伝わって北海道だけは、外皮をZEH基準より一定の強化をした場合に限り
ニアリーZEHでも補助対象になりました。経産省なりの配慮かなと。
以上、たくさんの発言に深く感謝致します。
でも、こういったSNSの特性を活かした論議は有為なパブリックコメントですね。
ぜひ、行政サイドのみなさん、参考にしてください。
<図表は日本のエネルギー消費状況推移~出所/総合エネルギー統計
国民経済計算年報、EDMCエネルギー・経済統計要覧>
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