上砂理佳のうぐいす日記

3月31日(月)から4月6日(日)まで銀座中央ギャラリーの「10×10版画展」に銅版画小品を出品します★

わたくしと大ちゃん(1)

2006-06-20 | 大ちゃんたら大ちゃんたら
ああ、今日は時間がある!
ジョニー話をすべきか大ちゃん話をすべきか迷いましたが、祝・ジャンク出演記念&需要ありそう…という事で、大ちゃんを先に書きます。合宿は終わったのか?
私はやはり時事ネタはダメ。トロイのでついていけない(笑)。
ブログ仲間の皆様にニュースを見せてもらって、ただツッコミ入れてるだけ、というあくどい輩です。ごめんなさい~。PIW豊橋・札幌公演に参加なのですね。「選手と懇親会」モノは、事情が許せば一度は行ってみてくださいませ。冥土の土産になります(笑)。
ええ、時事ネタはあきらめて、では過去の回想を。

関西はとにかく全日本選手権TV放映事情が悪い(!)。
だから、ソルトレイク直前の全日本で、大ちゃんが高1(15歳)ながら5位に入ったということは、新聞でしか知りませんでした。私は地区ブロック大会を追う程のコアなファンではありません。どんな子だろ?楽しみだわ。
なんかこの時、連盟としては五輪に出したかったそうですが(男子は2枠ありました)。でも後でのインタビューによると(「Number」記載。たしか)、
「全然出たくなかった!だって五輪に向けて何の準備も出来てないし。4年後は出たいけど。ソルトレイクはTVで見てました。あんな大きな擂り鉢の底みたいな所で滑るって、どんな気持ちでしょうね。緊張するだろうな~」
…4年後に出られたよ。良かったね。この頃、大ちゃんのキャッチフレーズは「トリノの星!」でした。「巨人の星」じゃないんだから。

02年5月。
私は4月に設置したばかりのスカパーで、実に○○年ぶりに世界ジュニア選手権を見ました。昔々、一度だけ日本で開催された時TV放映がありましたが、それ以来。もうどれだけ嬉しかった事か。憧れの世界Jr。
かあいい。かあいい少年達が懸命に滑ってるよお~…と思いきや、19歳・年齢規定ギリギリのオッサン選手もいます。この時、大ちゃんは初出場で予選1位でした。ライバルとして、今シニアでも活躍してるベルギーのケビン・バンデルペレン。ロシアのティムチェンコ(現在は引退)などがいました。ライバルはもう18、9歳で、大ちゃん一人「こども」って感じ。

SPは「ウエストサイド物語」。赤チャツで黒の皮パン。なかなか似合ってるので、こういう「普通な服」もまた着て欲しいね。髪型は「その時代の流行」を、そこそこに踏襲していて清潔感アリ。決してヤキソバではない(笑)。
PG自体はそんなに凝ったものではないけど、端正な滑りで既に3アクセルも入れてました。スムースな足さばき。やはりこの頃からステップが上手い。
少々ミスしたものの、SPも1位で終え実に順調。
この前年、ジョニーが優勝した時は、ライサやジェフやランビ等、有力どころがひしめいていた世界Jrでしたが、皆シニアに上がってややポッカリ「空き」があった02年とも言えますか。幸運だったのかも(あ、ライサはこの年だけお休みして、03、04年とまた世界Jrに登場)。

フリーは、長光コーチ振付の「ヴァイオリン協奏曲」でした。繊細でやや陰鬱で…今の「ラフマニ」に通じるものがあります。
でもね。15歳でこれ滑るってスゴイわ。下手したら全然つまんないPGになってしまう。派手ではないし演出に頼る事も出来ない。ホント、「スケートが上手い」人でないと魅了出来ない、大人なシブい曲です。
袖の膨らんだクリーム色のブラウスにキラキラが散りばめてあって…あーれー王子様してました。スタート位置についた時の、顔のアップがね。可愛い!かあいい!唇ややタラコだけど(笑)。この人が4年後にオールバックに固めて「セクシー」を追求しているのだから、人生なんざわかんねえもんさ(ヤクザ調)。
最初の3アクセルがオーバーターン。でも途中で飛びなおしてキッチリ入れました。後は無難にジャンプを跳んでいきます。大ちゃんはこの頃から余り、ジャンプの跳び方は変わってない(?)ルッツが得意なのは昔から。「構え」の時間が余りない、流れの中で跳んでいくジャンプです。
大ちゃんに対して「ステップはいいけど、ジャンプがダメ」という評価がありますが、それは間違っている…と思います。派手ではないけど、端正で無理やり跳ぶ所が無い。練習して練習して体に叩き込んだんだろな~という事が、透けて見えるかのようです。

いやしかし、私は見惚れていました。
既にして品格があるというのか、スピードと流れ、ディープエッジな足さばき。踊りと足の動きが無理なくつながっていて、超・超・自然体。振付を「こなして」いるんじゃなくて、音楽を「体の中に入れて」滑ってる。いや、体から音楽があふれ出すタイプ、と言うんですか。それをこんなちっこい男の子が(しかも日本人!)やっているという事に驚きました。
スパイラルもやっている(大ちゃんはスパイラルが出来る)。
イナバウアーもやっている(大ちゃんはイナバウアーも出来る)。
流れの中で「ちょん」と、片足を着く所があるんですが「んまー。なんとニクいリズム表現だ」と、私はそのセンスにやられました。ほんのちょっとした事なんですが。でもね。この「ちょっとしたこと」結構、大事なのよ。それはきっと、教えられてやるものではないから。「自然に出ちゃう」という所が正に才能なのだ。

大きなミスもなく無難にまとめて、先生もスタッフも御満悦。
この頃は旧採点法の6点満点です。技術点は5.2~5.4、芸術点は上がりました。5.5まであったかな(低いように見えますが、ジュニアはこんなもん)。予選・SPと1位で来たので、フリーは2位でも、順位点の差で優勝(FS1位はケビンでした)。
嬉しい笑顔がハジけます。長光コーチとはこの前々年からコンビを組み出した、ということもあってか、まだ今ほどの親密さでは無いように見えます。「はい、あくしゅ」と大ちゃんに手を差し出すコーチ。私の中では、こっから大ちゃんとコーチの二人三脚は始まっているの…。

表彰台の一番高い所に上っても、まだまだちっこい大ちゃんです。
しかしね。
特筆すべきはやはり、大ちゃんの「目」です。
目がでかい。
ただそれだけで!ただそれだけで!
…私はしあわせ~な気持ちで一杯でした。眉とか髪ってのはさ。整えればなんとでもなるじゃん。でもね。「目」だけは自前しかしゃーないのよ。男子は目バリ入れられないし(笑)。
「よしよし…この子はおっきくなったら、美青年に育ちそうじゃ。うほほ」
私はホクソ笑みました。この幸運をフィギュアの神様に深く感謝しました。
御存知無いかもしれませんが、日本男子フィギュア業界において、「目がパッチリしてて芸術性があってジャンプも滑りの質もイイ」…という人材は、今まで皆無だったのです。
いや、美男子はそこそこに居られましたよ。でも「世界一になる可能性も充分アリ」…となると、日本男子では大ちゃんが初めてなのだわ。いやまあ、初の世界ジュニアチャンピオンではあるけど(本田君は銀メダルだったわけですが、この時、金メダルがヤグディンだったので、運が悪かったと言えましょう)。

「めざせ、美青年」「めざせ、世界一」。
私の中で期待が膨らんだのは言うまでもありません。今後、よっぽどの事が無い限り「目」はしぼまないだろうし(笑)。どんな選手になるんだろー。この放映の前に見た「四大陸選手権・17歳ジョニー」に勝るとも劣らぬインパクトでした。「わたくしと大ちゃん」は、こうして始まったのでした(そんなに大活劇ではないので期待しないで読んでください・笑)。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする