上砂理佳のうぐいす日記

3月31日(月)から4月6日(日)まで銀座中央ギャラリーの「10×10版画展」に銅版画小品を出品します★

芸術堪能日和★

2010-11-01 | 10-11コンペとショー
男子フリーは見応えたっぷり!
トップバッターのジェレミー・テンが彼比で素晴らしい出来で、今日は良い日になるかも~!?と予感がしたらその通り。
ケビン(バンデルペレン)、クワド跳んだー!よもやの3+3+3!アクセル降りた!最後までスタミナ持った!大歓声のスタオベ。
思えば3月の世界選手権で今日と同じ見事なフリーで、歓喜のケビンでした。有終の美を飾り「ありがとうケビン!」「さよーならケビン!」「奥さんと幸せにね!」と、テープ降って見送った私。でも、引退撤回なんだね(笑)。
あちゃちゃちゃちゃーとコケそうになりますが、無類のケビン好きの私としては嬉しい。大ちゃんが世界ジュニア優勝した時、一緒に台乗りしたのがケビンなのよ。その時フリー一位はケビンだったのよ!旧採点法時代の事でした。

ロス・マイナー…誰かを思い出すなあ。4回転をFSで三度跳んだ人。そうゲーブルね。ゲーブルを小粒に薄味にした感じね(いやゲーブル決して濃い人ではなかったが)。どうもアメリカの若手は小粒感が。ジョニーとライサが出てきた時が強烈だったんで、それに比べるとやや物足りないかな。

無良君と羽生君。ウォームアップからばんばんばんばん!4!3A!跳んでました。時々転んでも「そんなもん知るかい!(べらんめえ!)」ってな勢いでした。
無良君って、もはやクワドが一番跳びやすいんちゃう?3Aも他の3も「回りすぎ」な感じで、むしろ「どーやって回転を止めるか(体をほどくか)」の筋力が問われるかのような。

羽生君は、あ~んなにクリーンな4回転を、シニアGPデビュー戦で決められたのだから、もう今や鼻息100万ボルトぐらいでしょうね(笑)。「絶対にやったる!」と決心するのは誰でもできるけど、ちゃんと自分の体に反映させてるところが素晴らしい。
ジョニーがデザインした衣装を着るって図太さも素晴らしい。。。ひと昔前のジュニア上がりなら、そんな大それたことは考えもつかないじゃないですか~。デザインの良しあしは置いておいて(笑)、デザイナー・ジョニー先生は楽しそうに作ってますねえ。肩のヒラヒラとかヒモとか色合いとか、いかにもジョニー的だわ(笑)。
なんというか全身に「やる気!」がみなぎっていた、怒涛の羽生君デビュー戦でしたが、彼はスポーティタイプですよね。実は私の好みのスケーティングは、田中刑事君の方なのです。刑事君は「ググッとくる」琴線に触れるものがあるよ。刑事君もはよ上がってこないかなあ♪

ここから台乗り3人組。
フランスの若手(といってももう20歳過ぎてたんだね…)アモディオは、昨年の「アメリ」で一気に好きになってしまったのですが、今季はモロゾフにコーチ&振付をスイッチしたもよう。SPはなんだか?いまひとつ薄い印象でしたが、FSの「じゃいけるまくそん」はノリノリでおおいに湧きましたね♪ジャンプも3Aまで好調で、最後までテンション落ちませんでした。
キスクラの「師匠と弟子」歓喜の様子も楽しかったけど、演技中の「モロゾフのガン見」がレベル4(笑)。
モロゾフはやはりヨーロッパの若手フェルナンデスも見ているわけですが、彼もこの先伸びそうな良い選手です。美少年リッポンを抱えたと思ったら「あっという間に」さよーなら。エキゾチックなフェルナンデスに心変わりかい!と思いきや、また新たなるミューズを抱え込むという。
織田君も結局2年で師弟関係を解消しましたが、やっぱりね。モロゾフとなが~く関係を保つって難しいのかな???

J・アボットはシックなスーツ姿で登場。何の曲かと思ったら「ライフ・イズ・ビューティフル」であった。お隣席のN嬢は「NYのエリートビジネスマン♪」と言ってましたが、私にはアメリカの田舎の教会牧師・あるいは新任教師に見えた(笑)。
SPに比べたらFSは「淡々と流れている~」という感じで、まだ滑り込んでない印象でした。靴を2週間前に変えたばかりで、クワド含め「これから!」なのでしょう。彼はもともとソフトな持ち味は十分なのだから、もっと男らしい強い!メリ・ハリ!をつければ、一段とドラマチックになると思います。だって背は高いし見栄えするじゃない?
以前はほとんど無名だったのに、来日するたびにファンを増やして「とってもいい人」度上昇中のアボット。余談ですが、EXのフィナーレで黒タンク姿の青年を見て「誰これ?」と思ったわ。珍しくない?黒タンクよ!?白いお肌に柔らかい筋肉。はー。でもあんまセクシーじゃないのよ。なぜだ(笑)。

最終滑走にも慣れている大ちゃん(私、最近彼の1番滑走って見ないよな)。
ピアソラのFSを遂に「生(なま)」で鑑賞いたしました。やはりフィギュアスケートとビールは「ナマ」に限ります。このFSに限って言えば、圧倒的にナマがいい。私、背面でしたが、動きが大きくスケールアップしてました。昨年までに比べ。
バレエを舞台で見る時の。あの高揚した気持ち。ギエムやデュポンの踊りを見るときの「息を止めて」「まばたきもせず」食い入るように踊りを堪能する。あの感覚です。あれを味わいました。やっぱり大ちゃんは「スポーツ」っていうより、「踊り」表現なんだよね~。ゲイジュツなのね。
とはいえこれはスポーツなので、最初のクワドは緊張しました…思わず目をつぶろーかと。公式練習情報でも、若手はバンバン跳んでるのに、大ちゃん1回しか成功してない…。
この日の6分間アップでも、終盤3Tを跳んで最後に4を跳びましたが、回転不足気味でステップアウト。ま~どうなるかな~こりゃ~でした^^:
いざ本番のクワドは余りスピードがない助走で「大丈夫かい!?」と思うほどでしたが、フワリと軽く上がり、なんなく着氷。どわー!と観衆湧きました。
次のアクセルも緊張する…でも大丈夫。後半のアクセルが決まったらもう、優勝は大丈夫!というノリになりました。いや本当は3ループも緊張してたんですけど(笑)。
最後の3ルッツ+2ループ転倒は、3+3が3+2になったり3サルコゥが抜けたりしたので、挽回で2ループくっつけたのだろうか?普通に2Tつけときゃいーじゃないですか(笑)。
終盤がスタミナ落ちちゃった感じですが、緻密に構成された素晴らしいプロです。カメレンゴさんの本気度というか、「選手と共に高めあっていく」感、しゃれたスパイスが効いてます。
カメさん振付って、やっぱりモダンダンスのテイストですよね。バレエでいうと…誰なんだろ。
動きそのものの奇抜さでなく、リズムや間合いの表現・音楽の活かし方、が面白く、あまり「解釈」して見ようとしない方がいい。音楽が持ってる「感情」を味わいながら、楽しんで見る方がいい。でもコンペだと緊張しちゃうんだけど…この日は何故か「緊張してるんだけどゆったり芸術を鑑賞しているわたくし」に完全になっちゃって、とても幸せでした。
大ちゃんはいつも「感じるままに演じる」タイプだと思いますが、それを長年やってるとどうしても手詰まりになるので…自分の得意なことばかりやってしまうから。その辺りを打開して、新しい魅力を開拓したいのだと思います。
でも、ワンシーズンでずいぶん大人っぽく、真の表現者になってきたな~と思いませんか?まだまだ50%ぐらいの出来だと思いますが、3月にはどんな風に完熟しているのか。本当に楽しみです。
コメント
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