上砂理佳のうぐいす日記

3月31日(月)から4月6日(日)まで銀座中央ギャラリーの「10×10版画展」に銅版画小品を出品します★

あれは何だったのか

2006-12-11 | 06-07 コンペとショー
…今だから言えるけど、私はこの時「大阪へ帰ろう」と思ったのですね。
なんでやねん(笑)。いやもう、
「今日はたーのしかった♪大ちゃんもナマで見られたし、昨日も素晴しかったし、あとはもうエキシビション的に楽しんだらいいんだよね♪」
…と、50%くらいは思った。卑怯と言えば卑怯だが。
多分、そうやって必死に精神的均衡を保とうとしてたんだと思う。私なりに。
それくらい、のぶりんの得点は衝撃的だったのですわ。
でも、50%は「勝負をあきらめてはいけない!」とも思っていた。だから、葛藤が渦巻いて渦巻いて、突き抜けてハイになっていた。笑みさえこぼれていた。
だがここで、可愛い小塚君の精一杯の演技が、私の「一服の清涼剤」になる。
いやもう。なんという清々しさ。シンプルで決して感情過多にならないだけに、スケートの「素」の部分だけがキラキラ光って見えるという。それが彼の若いまっすぐさと相まって、まるでオアシスのような効果を私にもたらしたのだった。

と、スタオベして一服したら、控え室でうつむく若い男が映るではないか。
場内、笑いが。大ちゃんではないか。非常に緊迫してるというのに、なんだか間抜けた感もあるという、この突然のカメラ切り替え。バックステージの表情を挿入するなんてさ~、NHKも段々、民放的になってきたなあ(笑)。
…清らかな小塚君と、闘志をみなぎらせる大ちゃんを見て、私はだんだん「ハラが座った」状態になった。
もう帰らないよ。なるようになれ!
長光コーチの言葉じゃないけど、「たとえどんな結果になっても、必ず傍にいるわよ」みたいな。
いなくてどうする。今日まで精一杯やってきた成果なのだから、たとえ何が起ころうとも、応援するしかないじゃないか。3-3で無難にまとめても、4回転跳んできても、もうどちらでも構わない。大ちゃんの選択なんだから。

チェンジャンが4-2を決める。見事な高さとランディング。やっぱり、他にクワドを跳ぶ人がいるとゆーのはいいですね。テンション上がるよね。途中、失速してしまうけど、コンディションが悪い中を精一杯やってくれました。あっぱれチェンジャン(ええ。SPのパフスリーブは王子チックでした^^)。
リー君のキス&クラの最中、私はバナーを振る準備を整えていて、余り大ちゃんのウォームアップを見ていませんでしたが、多分ジャンプは跳んでいないのでは(見てた方は教えて)。大声援です。出ていきます。いつも通りの仕草ですが、今日は「パンパンパンッ(自分で自分に拍手)」はありません。
優勝のかかった最終滑走。しかもライバルは現時点で歴代2位の天井点。
これほど緊迫した状況があろうか。憤死しそうな。
いやない。ないよ。

オルゴールが鳴り出すと「あっちゅうまに」4回転なのでした。
いや、これね。決まった瞬間、場内は勿論、拍手と歓声上がったけど、正直言って「今の、3?4?」って思った人は多かったと思う(笑)。私もK嬢も「?」だったもん。(小声で)「4かなー?」「反応見てる限りは4じゃないー?」「4だよね。うん、4よ」みたいな。それぐらいアッサリしてたっちゅうことね(笑)。下の階は違うと思うけど、3階から見下ろしてたらジャンプの高さは余り解らないから。でも、チェンジャンは助走と踏み切りの大きさで「4」って解るのよね。大ちゃんは、前にも書いたけど余り助走が長くないので「せーえーの!4回転!」ではないのよね(去年のN杯でも、ナマでは3か4か解らなかった…)。
ともあれ、悩むヒマもなく次の3アクセルへ。これは綺麗。4T入った、ということは次は3アクセルでなく3ルッツにするかも…と思っていたら、2度目の3A跳んできた!後でTV見たら、やや前のめりになっていたのねー。でも上から見たら完全に成功だったわ。
私が「あ~綺麗だな~ウットリするなあ~」と思えた箇所は、唯一この前半のスローパート、4T終わって「All I ask of you」で優雅に踊るところのみ。他が感激しなかった、という意味ではないですよ。他の部分はね。もう、「ウットリ」ひたってる場合ではなかった(笑)。そんな余裕無い!
サーキュラーも「よし!行け!押して行け!」だし、スピンは「あれ?変更してる?速く!もっと速く!」だし、もうもう、後半のジャンプなんか。半狂乱というか。私が自分でマジックハンドで「えいっ!」と立たせてるというか(笑)。
記憶がウロ覚えなんだけど、バナーを掴みながら「フリップ!」「ルッツ!」「サルコゥ!」と叫びまくる(特に「3ルッツ+2トゥ+2ループ」が、お客さん湧きました。すごく速くて綺麗だった)。
ループの踏み切り前なんか、会場全体が硬直してたかのような(笑)。リプレイ見ても、ちょっと危なっかしかったのね。TVの印象では、やっぱり2個目のアクセルとこの3ループが危なかったけど、会場では「成功!」つう感じで湧きました。「終盤5連続ジャンプ!」「見せ場!」と銘打ってしまってるから、みんな「5!4!3!2!…1!」と、カウントダウン状態になるんだろなあ(^^:)。

最後のフリップを降りた瞬間(あ、ごめん、ここはサルコゥに変えたんだ)
「おおおおおおおりた…全部おりたっ」 
と、私はK嬢に叫んでいました。
大ちゃんが、4T入り、3A×2個入り、3連続入り(そしてレベル4ステップ入り?)…でジャンプを全て決めたフリーって、多分、人生で初めてだと思いますよ。だから、なんだかその瞬間、「ああもう、順位とか点とかどうでもいい!」と思ったな。「ここにおいて全てが昇華された」。そんな感じ。
ストレートラインはもう、会場全体が大ちゃんの背中を押してる感じで、この感覚は、昨年のGPFのラフマニのステップの時と同じ(多分、全日本をナマで見られた方も同じだったかも)。私はずーっと最後まで「頑張れ!」と叫ぶけど、最後の方は泣いていたので、声が出ない。

仮面をバッと剥ぎ取るポーズでFSが終わった。瞬間、バナーを持ってK譲と立ち上がる。悲鳴みたいな歓声で、花は降るしアリーナ席は大揺れだし、大変なことになっている。滑った。滑り切ったよ。
私はとにかく渾身の力でバナーを振る。あんまり激しく振ったせいか、左手の指にはめていた指輪の石が台座からハズれて、石だけ(ガラス細工なんだけど)前方の初老のご夫婦の席へブッ飛んでいってしまった。奥さんが拾って「何?これ?」としげしげと眺めているけど、今更言い出せるハズもなく。その余裕も無く。もー指輪なんてどーでもいーのよ。安もんだし(奥さん、驚かせてすみませんでしたあ)。

モロゾフも歌子ママも嬉しそう。大ちゃんは疲れてはいただろうけれど、余り「精も根も尽き果てました」な様子は無く、お辞儀もキチンと出来ていた。
「点を出せ!」の手拍子がまた起こるが、ここでもまた早く点が出る。TESが80点超えてる。つうことは4T認定されたか。深く考えるヒマもなくPCS。今日は8点出てもいーよね…とK嬢と言っていたが、7点台。確かにインタビューでも言ってたとおり、ちょっとジャンプ以外で雑になってしまったところも、あるにはありました。私は、見ていてスピンがやっぱり良くなかったかな。
それでもわずかにのぶりんを上回り、一番上にDAISUKE TAKAHASHIの名が点灯。
歓声鳴り止まず。
良い演技が続いた熱戦の時の、特有の空気が「わーん」とビッグハットに充満していました。
すごかった。とにかくすごかった。

ずっと泣いていたし、笑ってもいたし、無口になったりやたら喋ったり、いったい私はあの後、表彰式~EXと、どう過ごしていたんでしょうか(笑)。でも、嬉しくて泣くって、すごーくストレス解消になるというか、まさに「昇華」される感じ。
「オペラ座の怪人」の表現なんかは、帰ってTVで見たら「ああ、後半に入る前の目線なんか、鋭くってイイなあ~」とかなんとか、堪能できたりもしますが、あの時あの場では、そんな「芸術的にどうのこうの」なんて考えてる場合ではなくて。
ただひたすらに「頑張れー!」なのでした。
そして「頑張ってるよー!」と返してくれた。
もちろん、まだ完成形ではないのですが、いろいろ欠点もあるのですが、あの日のあのFSは「全身全霊で滑ってる高橋大輔」でした。
そういう「気」がナマでビンビン伝わってきたので、拍手を送らずにおれなかった。
4回転は、本番では精神集中がうまくいったのかな。きっと、練習では成功しているから大丈夫、という自信があったのかも。3アクセルのタイミングなんかを見ていると、スケカナの頃よりはるかにジャンプを調整してきてるなーと思いました。やっぱり「豊富な練習量+本番での集中力」が噛み合わないと駄目なんだろなあ。
長い長い間、ここぞ!で崩れてしまう大ちゃんの演技に歯がゆい思いはしてきたのですが、オリンピックの悔しかった経験が、今、大ちゃんを「本気」に向かわせている…と思わずにおれませんわ。この「オペラ座の怪人」は、とても大変なPGだけど、確かに「世界選手権でメダルを」狙っていますね。そういうPGですね。やっと全貌が見えてきた感じ。
今までの、応援していて苦しかった事や悲しかった事、全てがNHK杯で払拭された…!
大ちゃんの“全身全霊”が私を打ちのめしたのよ。
なんなんでしょね。一生忘れられないわ。
この先、また浮き沈みがもしあっても、このN杯は忘れられないわ。
喜びと感動で、やはりまだボーゼンとしています。大丈夫かなー(笑)。
(きっと年末までボーゼンとしたままでは…
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N杯男子FS・呆然

2006-12-10 | 06-07 コンペとショー
仕事の締め切りと、長野遠征の疲れがいっぺんに出たのか、歯茎がパンパンに腫れ上がり、今、アゴにサロンパス貼って「ほっかむり」してます。つまり「おたふく風邪の子供」みたいな状態。鏡の中の自分は、○○歳のオンナとしては、情けないいでたち…何も食えないー死ぬー^^;

BSで総集編やってましたね。EXもシアワセだったなあ~。
ハイビ版のEXではもー、「あと1分あれば!」って感じで、フィナーレのシェン&ツァオの挨拶で時間切れになってしまってましたが、あのあと、大ちゃんは確かに3A+3T+3Lをやっていましたよ…(3つ目のジャンプ、はっきり覚えてる人は教えて~)。たぶん、織田君に対抗して「オレも出来るのよっ(^▽^)」て言いたかったんだと思うが(笑)。ビックリしたなあもー。
今回のEXは綺麗な照明アリだったので、なんかずーっとずーっと「夢の中」が続いているかのようでした。やっぱり一生忘れられないのだと思います。
…その余韻が醒めやらぬウチに、ワールドの先行予約の案内が来るという。アイクリも考えてるな(笑)。

★NHK杯男子FS★
さて、最終グループは「新宿ネオンサイン」ケビンがトップバッター。
ウォームアップでは綺麗~に決まっていた彼のトレードマーク「3S+3T+3L」がパンク。どうも、モロゾフと縁切れしてからはオーラが無くなってしまったような。これからどーするのかな。でも、昔に比べたら3Aなんか上手くなりました。
しかしもう、私の頭の中は、次ののぶりんの事しかない。
今日も彼はやるだろう…絶対ミスしないだろう…なんか、昨日のSPを風邪でも乗り切った事で、俄然、勇気づいたと見た。
そしてフタを開けてみたらやはりやはり。リンクに出て行く時もいつもの笑顔。最初の連続ジャンプを乗り切ったら、今日一番のポイントは「2個目の3アクセル」だ。私はここを「2アクセルでいくか、3アクセルで勝負に出るか…出る!」と踏んでいた。そして3アクセル跳んできた!やはり!
余りにも綺麗~に決まったので、あとのジャンプは「余生」みたいなモンだった…気持ちが高揚してるのが解る。織田君を見てると、「上昇気流に乗っていく時の若い選手」特有のオーラがビシバシだ。フィニッシュの感無量のポーズも、よ~く気持ちが伝わってきましたよ。あっぱれ。
「やったやった!」な表情のキス&クラが遠目からでも解るけど、花束も一杯降ってました。「点を出せ!」というお客さんの手拍子。でも比較的、早く点は出た。
「ひゃ、ひゃくろくじゅってん超え…(てんてんてん)」

私は自動的に「脳内プロトコル」の頁をめくり、「160点超え」を検索していた。
これを超える点って…トリノのプルシェンコしかないやん。
確か、ランビでもこれより低かったよね…こないだのロシア杯のジュベールだって、157点くらいでなかったっけ。4回転3度跳んだのよ。
ありえん。
ありえへん。

次のウスペンもしっかり見てはいたけど(ええ、ほぼミスなく、19歳・シニアデビューの彼は頑張りました!)、なんだか呆然としていた私。
K譲と「…私たち、無口になってるね(笑)。」と顔を見合わす。
二人は完全に固まっていた。石になっていたのである。そりゃそーですよ。
大ちゃんが織田君を抜いて優勝するには、自己ベストを20点近く更新せにゃならんのよ。そんなミラクルな事が起こるだろうか…。いや、これは夢の中の出来事だから、何でもアリか(笑)。今、夢なのかな。どうなんだ?
夢なのか現実(うつつ)なのか、呆然としながらも試合を楽しんでいるという、私の不思議な現象。
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6分間の暗雲

2006-12-07 | 06-07 コンペとショー
風邪もなおって、版画の仕事してます。長野行き前にエイヤッと版だけ作ってしまったので、帰ったら本刷りが待ってるという…おそろしや。頑張れわたし。
いまだ夢さめやらず…なんですが、ナマ観戦組の方々も、もう現実に戻ってきはったかなあ。私が異常かいな(笑)。会場で泣いている人も勿論多かったし。うん。録画を何度も見てしまいます。TVで見ても感動するね。なんだろ。まだ気持ちが整理つかない。

さて、翌日も晴れました晴れました。
ランビもベルビンも行きましてん…いう善光寺とやらに、私も行きたい。
K嬢につきあってもらってバスを待つと、声を掛けてくださった婦人が「NHK杯の方?私も!」と笑いはるのだ。あの日の午前中、善光寺を観光していた女性のほとんどはあれ、「NHK杯の方々」だ(私もやん・笑)。
お線香の煙をパタパタと、自分の足にかけたりする。私の足にかけてもしゃーないのだが。スケーターの足にかけなきゃさ。
関西人には珍しくお賽銭をはずむも、おみくじは引かない。引けない。
こんな時に「凶」なんて引いてしまったら大変や…ああ、どこまでもネガティブで臆病な私。でもね。浅草寺で2本続けて「大凶」引いた実績があるのよ…自慢じゃないけどさ。
帰りの参道で、SPのとき初めてご挨拶したなおみさん御一行様とばったり遭遇。
「うぐいすさん!最終滑走よ!」と仰るではあ~りませんか。なにー!?
「さいしゅうかっそう」…それはトリノ五輪の再演ではないか…。よりにもよってこんな時に。なんてクジ運の悪い子だろ。バカッ(ののしってどーする)。
私の予測では「織田君は2番か3番に違いない。彼は強運だもん」だったのですが、案の定、現実はその通りになってるではないですか。2番か3番ってのは、良い滑走順なのですね。最終だと、ウォームアップが終わってから出番まで45分くらいも待ってなきゃならなくて、体は冷えちゃうし、集中力も散漫になってしまう。
大ちゃん、「ラストは嫌」って言ってたのに…またしても血の気の引く私。

さて。
FSはいろいろと楽しく、他の選手も感動的だったのですが(特にベルンソン君が…パトちゃんが…小塚君が…)、「大VS信」に絞って書くのよ(のよ)。
私はジャッジ側の3階、いちばん上の方だったのにも関わらず、遠さは感じず良く見えました。やはり正面はいーです。「腐っても正面」という格言を思い出します。ロングサイドの席は演技全体の軌跡がわかるのもイイ。
右方向にはなおみさんとお友達がいるのだわ。私の右隣には、ベルンソン君ファンとおぼしき若い女性の2人組が。左のK嬢の隣には、小塚君とジュベのファンという可愛い女性。そのまたお隣には大ちゃんファンの眸さん。そこは思いきり「アイクリ席」だったのか。なんとなく、家族と一緒にいるかのような安心感を覚えるのだった(?)。
会場全体を見渡すと、アリーナSSの方々の手持ちバナーもバッチリ見える。みんな、プレゼントの包みや花束も気合入ってるね~。私の席のちょうど正面が選手の出て来るところ。そのすぐ左にキス&クラ。TVで見ると華やかだけど、キス&クラが意外にちっこい。

実は第一グループ最後の選手の演技中に、既に選手出入口にケビン・バンデルペレン登場。頭のてっぺんから湯気が立ってる。「早く!早くオレを出せ!」っつう感じ。「パイレーツ・オブ・カリビアン」のあの派手派手な衣装ですが、ナマで見たらキラキラ凄いよー。スパンコール1000個はついてるやろっていう。新宿のネオンサインか、あんたは(笑)。
少々アタマは薄くなってきたものの、「オレ様」オーラを放つ新婚ケビン。ケビン好き。すぐあとに、小塚君がしずしずと(新人っぽく)登場。
いよいよ第二グループの6分間ウォームアップが…という時に、のぶりん登場。
のぶりんは黄色い衣装はやめて、新衣装だあ。キラキラ度アップ。細い細い!
大ちゃんも登場。おお。すぐにJAPANジャケを脱いであの衣装なのだ。
「オペラ座」だあ~。ナマ・オペラ座だよ~。かっこいーのよ!高揚する私。
でも「怪人」っつう感じはなくて貴公子テイストだ。髪型だけ、大阪はナンバあたりの怖いお兄ちゃんかも(笑)。でもこの衣装も結構、キラキラしてますよ。ぶっちゃけ、お値段も張りそうだ…。
のぶりんは小塚君のオナカをつついたりして、ちょっと笑って余裕。大ちゃんはその横をクールに通りぬけ、まったく笑わない。ケビンをも追い越しトップを切ってリンクに出て行く。みんな、なんとな~くだけど、大ちゃんに道を譲っているようにも見えるんですが。思い過ごしでしょうか。これがワールドだと、やはりランビやジュベが先頭に立つのだろうか。見モノだわ。

大ちゃんは、厳しい表情で慎重にリンクを廻り始める。
選手紹介のアナウンスが始まると、「うわーっ!」と、一気に会場が華やぐ。
最終グループのウォームアップってね。すごいですよね。「気」の飛ばし合いっつうか。これが五輪やワールドだともう緊迫感の最高潮で、互いに牽制したりオーラで圧倒したり。トリノのコーエンみたいに、明らかに目が泳いでて動揺してる人がいたり。バーン!と転倒する音が響くと「誰!?」とビクッとしたり。もう、目が釘付けになりますですよ。はい。

昨日とまったく同じ手順で、最初は2アクセル。次に3フリップとかルッツ。2分くらいで3アクセルを跳び始める。好調。
のぶりんは、最初にリンクの真ん中あたりでシットスピン~スタンドスピンで高速「ガーッ」。お客さんも拍手。ジャンプを跳び始める。
TV放映でもありましたが、何度目かの3-3を跳んだ直後にスッテンと(何かにひっかかったのか)転んで、すぐにおどけたポーズを取ったようで、お客さんは大爆笑。こういうとこ、上手いです。のぶりんは、緊張を笑いに変えるまさしく「ナニワの天才」か?
さて大ちゃんはクワドを跳ぶようだ。リンクサイドで、歌子コーチとモロゾフが見守ってますが、モロゾフの目が怖い怖いよ~。ニラミきかせてまっせ…ほとんどロシアのマフィア。歌子ママはジャケットを持って、いつもの暖かな目で微笑んでいます。
何が嬉しかったって、私の眼下の場所で4回転を跳ぶ事が判明したのだわ。
チャンジャンもこの場所なのだわ。今回、クワド・ジャンパーは大ちゃんとチェンジャンだけのもよう。良く見えるのはいーけどね。転倒されたら心臓凍りそうでもあるね…。
FS「オペラ座」の冒頭とまったく同じコースを辿って、1回目の4回転。大きくステップアウト。でも回転は足りてるみたい。やる気ね。今日は。大ちゃん。
ややあって2回目の4回転。今度は転倒。わずかに回転不足っぽかった?2本とも軸はまっすぐだったと思うけど、私の中に暗い雲がじわじわと広がるのだった…。
モロゾフの所に帰り水を飲む。なにやらゴニョゴニョ話し込んでます。
「まあまあ。3-3跳んどけば?」とでも言われたのか。こういうとき、コーチと選手って何話してるんでしょうね。聞いてみたいなあ。
また周回して、今度は3フリップ+3T。綺麗。もう一度ぐらい、クワド跳んどくべきでは…とジリジリ願う私ですが、残り時間が微妙。結局、それ以上ジャンプは跳ばずにとうとうウォームアップ終了。
(つづく)
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心の準備が出来てないー

2006-12-05 | 06-07 コンペとショー
どころか「日本晴れ」でした。長野は。大阪の方が寒かったりします!
予定通り「東山魁夷美術館」に行って帰ってまいりました。ずっとずっと「ぼおお~~~~~」と、誰かさんみたいに口ポカンとあけて呆然としていたいのですが、そーもいかなかったりして。大阪駅に着いてしまうと「あああ。長野のあのキラキラの世界はなんやったんや~」と、悲しくも現実に戻るという。
なんかこう。K嬢としつこく言ってた「これ、夢ちゃう?今回のN杯男子の闘いって。帰ったら全てマボロシだったとか(笑)」みたいな。いやすごいものを見てしまいました。
SPもダンスも女子も勿論すばらしかったけど、特に男子FS決勝は…いやもう、何をどう書いたらいーのか。だから、脈絡無く思いついたまま書き散らします。
(今日はSPを書きました)

出発前日にバナーを仕上げながらも、我が額が熱い。はかったら7度5分。やっちゃった。風邪ひいちゃった。でもここで棄権する訳にはいかん…長野までたどり着け。頑張れわたし(こういう際に、風邪薬を大量に何種類も飲んだりすると、大変な事態になりますのでやめましょう)。
このバナーを完成させて長野で歓喜にむせぶのか。それとも奈落の底に落とされて大阪へ帰るのか。いや、そんな悲愴感さえあったな。
長野でK嬢と合流するも「もお~どおしよお~~~」と、泣き笑いになっている。熱のせいか壊れてるのね。だって男子SPは着いたらスグ始まっちゃうんだよ。1時開始だもん。うわー。ファンファーレが鳴っちゃったあ~(鳴るよ。そりゃ)。気持ちの準備が出来てない。
「GPなんだから。五輪やワールドじゃないんだから。リラックスして。いこいこ」とK嬢とうなずき合うも、お互いに表情は固い。しかし彼女は気丈で、早くも「パトちゃんにワクワクモード」になっている。私は気分が悪くなっていくばかりで本日3回目の胃薬を投与。大ちゃん「に、にばんかっそう」なんだもの。トップバッターが終わっちゃったら、もう次やんか!
大ちゃんたら…「SP二番滑走」それは、昨年の全日本と同じ。あの時の「パンクした3アクセル」がまたフラッシュバック。本当にこうねー。私もたった4年のファンですけどさ。たかが4年されど4年。黄金の4年とは言い難いものがあったので、もう数々の過去のトラウマとまず闘わなくてはならんのよ。ネガ体質で神経質なのよ(笑)。
大丈夫、コケないコケない。そんなこと言っちゃ選手に失礼。

ウォームアップの第一グループ。大ちゃんは一番にリンクに出て行く。
どこかで読んだけど、この「ウォームアップで一番に出て行く」って大事みたい。縄張り争いというか我の張り合いというか、「俺様が一番なんだかんね」ってムードを醸しだして他を寄せ付けないという(そういえばジョニーもそんなトコがある)。グループの中でも、大ちゃんの滑りは滑らかで本当にスピードがある。なんだかんだ言いつつも「あ、青いキラキラ衣装だーい」と心は沸き立つ。
アップは見てるとだいたいパターンがあって、最初は2アクセルで軽く体を温めておいて、慣れてきたら3回転の慣らし運転。この会場は電光掲示板にウォームアップの6分もカチカチと表示されるので、「あ、あと何秒だ」とすぐ解る。演技時間も「あ、3分越えたね。苦しいところだね」とすぐ解るので良いですね。
アクセルが心配でたまらなかったけど、アップ見てたら踏み切りのタイミングはバッチリ合ってるし、コントロールも正確。今日、スポーツ新聞読んでたら、結局また靴を前のメーカーのものに戻したそうな。キャンベル、スケカナと、ループの前に踏み切れなかったので、新しいメーカーはやっぱり合わなかったということか。スケカナ後に、前のメーカーのスイス本社に直接行って、2足あつらえてきたそうな。この時期にフランスで練習してた筈だから、お隣の国スイスへも行き易いし辻褄が合いますね(で、今は靴の問題は一応の解決を見た…と記事にあった)。

一番滑走の中国の若手選手は、身長が180cmくらいもあって、今日のメンバーでは一番高い。がんばってるな…と思いつつ、目はもうバックステージへ。SPは早い。あっちゅうまに終わって、あ!来た!ウォームアップでリンクに出る。この時の「お試し3アクセル」が、着氷で傾いてしまったので、いや~な気分になったのですね。私ってほんま、どこまでネガティブなんやろ(笑)。もうここまで来たら、やるしかないやんか~。
さてチャイコフスキーですが、静か~めに始まり、最初の3-3は軽くフンワリで大拍手。次のアクセルだ。怖い!目を覆う。えい!綺麗に降りて「はあ~」(脱力)。ステップからの3ルッツも完璧。サーキュラーもストレートも、私の位置からはスピード感が余り解らなかったのですが、丁寧に柔らかく踊っていました。ストレートライン後半は会場もリラックスして盛り上がって、まさに「春満開」な感じ。スタオベしてる頃には、胃の痛みも熱も引いていた!
やっぱり私ってヤワだなあ…五輪をナマで見るなんて、医者と看護婦さんに付き添ってもらわなくては無理だよ…(^^;)。
あ、帰宅してプロトコル見ましたが、今回大ちゃんはSPもFSも、サーキュラーはレベル3、ストレートラインは遂にレベル4!加点もすごい。やはり、今現在「ステップ世界一」と謳い上げてもウソではないような。遂にレベル4取れたんだー。だから加点の反映力が大きかったのかな。

のぶりんは、ちょっといつもより緊張してるみたいでした。でも、彼はリンクに出ていく時は、常に歓声に応えて「笑顔満載」なのですよ。それが彼のリラックス法なのかなー?風邪で関節痛もあり大変だったようですが、こういう時って却って、演技にすごく集中するから良いらしい。古い五十嵐さん談だけど。
スピンはタイトでジャンプもいつも通りに柔らかい。帰宅してからプロトコル見たんですが、彼はエレメンツ全てにおいてマイナス(減点)が無い~。SPもFSも!すべて!これは凄いですね。それだけワザが正確って事だから。のぶりんも大拍手で自己ベスト。会場では髪型が「あれ?」と思ったけど、写真で見るとなかなかいーかも。

ウスペンスキーがですね。ピラピラの王子様衣装で金髪で。もー。目立ってました。人形さんみたいだった。でも、あのキッパリ切り揃えた前髪はロシアの流行りなのですか(笑)。端正な滑りで「いかにもな」ロシアンスタイル。今回のN杯は調子良かったようです。この人は上背があるので、スピンはキャメルが綺麗。デスドロップとか映えますね。私は今のロシアではやっぱり、アンドレイかウスペン派かな。ドブちゃんとボロノフ君よりも。
そしてパトリック・チャンですが、もう骨格のガッシリした「大人」だあ。顔があどけないもんで、そのギャップが好きなんだわ。ジャンプ転倒してしまいました。ちょっと緊張してたのかな。あー。でも足元が華麗です。やっぱりいろんな事が出来る「大器」です。15歳なんて!スケールの大きなチャンピオンになってくれる事を祈ります。このとき、ちょっとパトちゃんとK嬢の間に「事件」があったんですが、それは秘密だ(笑)。

小塚君も緊張気味だったけど、なんとか無事乗り切った!SPは私はクラシック希望。でもFSでショパンだから、クラシックでカブっちゃうのかな?3-3が3-2になってオーバーターン。彼はアクセルがとても綺麗。そしてスピンが正確でオーソドックスなんだけど、それはこれからの大きな強みになりそうです。しかし何よりも、そのディープエッジ!アップでは、倒し過ぎて何でもないとこで一度コケてましたが(笑)。大ちゃんとまた違うスケーティングの魅力が輝いてます。うん。「エッジがキラキラ煌いてる」わかるなー。
チャンジャンが唯一の4-3ジャンパー。偉い!やっぱり彼のクワドは素晴しいです。もっと点を出せ!ケビンはクワドに挑まず。でも衣装はいつものドッ派手。彼女さんも一緒にN杯に来ているせいか、沸き立つものがあるのでしょうか。
あと、男子SPはベルンソン君ですよね。もお(笑)。笑わせてくれました。でも、彼はこのあと「脅威のFS」で私をノックアウトするのですね。いやもう、すっかりファンだ。トリコだ(笑)!
…でも、ここにランビ来てたら、どーなってたの???(やはり80点越え?)

コメント、再開しました。どうぞ、ごゆるりとお付き合いください~。

コメント (14)
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おまけ★

2006-12-04 | うぐいすよもやま日記
ホテルで「サンデースポーツ」と「すぽると」見ましたが、やっぱNHKの方が気持ちいーわね(笑)。大ちゃんはリンクで見ても痩せてたけど「頬げっそり」やなあ~(^^;)。あ、五十嵐さんは「大会本部長(?)」になられたらしく、EX前にご挨拶がありました。
EXは豪華でどの選手もよく湧いて素晴らしかった!あ、フィナーレの「一人一芸コーナー」では、大ちゃんは3A+3T+3L(2L?)を披露。ループでややぐらついたけどスゴかった!はっきり言って、今日、会場をかっさらったのは大ちゃんだったわ(ファンの欲目かな・笑)。
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大VS信のFS…そして感無量

2006-12-03 | うぐいすよもやま日記
アップではのぶりん、やはり完璧。リンクに出る前に小塚君と笑い合ったり、SPよりリラックス?はっきり言って殿の点が出た時「大ちゃんの優勝はありえん」と思った(ごめん・笑)。
大ちゃんはアップではアクセルはOK。クワドは一回目ステップアウト。二回目転倒。3-3を綺麗に跳んだ所で時間切れ。不安一杯でまた死にかけた私(笑)。
結局、今季のGPシリーズ最終滑走を最高得点でしめくくりました。K嬢と「サナギが蝶になった瞬間をナマで見たのかな…」と。私は言葉が無い。ずっと泣いていたい気持ちです。はい。(まだ旅途中)
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大VS信のSP

2006-12-03 | うぐいすよもやま日記
携帯なので短く。
のぶりんはアップでもミスなく、いつものジャンプ。新聞では右足首を痛めていたようですが、アクセルの軸が曲がり気味だった以外は完璧。かなり緊張していたみたいですが、サスガです。
大ちゃんはアップではアクセルに四回挑んで、一回着氷で傾いた以外は完璧。直前のアップでは、やや着氷アブナイ。しかし本番では綺麗に。全体的に慎重で、「優しく品良く」滑っていたみたい。スタオベは熱かった!しかしトップ二人が「天上点」だったので、順位よりもそのことにボーゼン(笑)。つづく。
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まだ信じられないかも~

2006-12-03 | うぐいすよもやま日記
今日は私の「N杯記念日」か!?すべてが無事終了。私は男子SPの日は、大ちゃんのストレートラインが始まるサイドの二階席。FSはジャッジ側の三階席でした。ビッグハットは余り大きくなく見やすかったし、ブログにコメント下さった方にも何人かお会いしました。声かけてくれてありがとう。「バナーでわかった」と(笑)。EXは残念ながらロクサーヌ席と逆でしたが、お客さんがキャー!と湧いてる様子が見られて笑いころげました(笑)。黒パン化してたが…今となっては、赤パンが愛しくてたまらない(^^;)。つづく

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ランビの分まで頑張るんだよ

2006-12-02 | 06-07 コンペとショー


巨大なよーに見えますが、そうでもなかったりして。
私は、男子SPはショートサイド、FSはロングサイド。でもかなり後ろ。高橋選手の出番のとき、赤いもんがな~んかチラチラうごめいていたら、それは私どす(笑)。でも、後ろすぎてたぶん映らないでしょう(笑)。
私はPC使えんヤツなので「手描き」なのでした。まあほとんど文字だけなんですが。時間かかって、今日の仕事は全部ぶっとんでしもた!ハイビのペアが終わっても、まだ塗っていた…おまけにミシンが壊れて焦る焦る。
右のほうに大ちゃんの「ラフマニ」のシルエットをゴールドで入れたんだけど、全然目立たなくて「わけわかめ」になってしまいました。世界選手権では作りなおすかもしれません…。いや、ワールドはジョニーのバナーも作らなくては…ジェフが出るならジェフバナーも。忙しいな。
たぶん明日は、大ちゃんの緑の「Go!」バナーが出ますね。きっと。今日TVで見てたら意外と空席があったけど、明日は満席なのだろうか?

今日の真央ちゃんは素晴しかったですね。すぐりんも良かった。日本勢はみんないい感じなので、この調子で表彰台独占?
★携帯で更新できたらまた書く予定です。ちょっとしばらく、TB&コメントはお休みさせてもらいます。では勝利を祈って…★
(あ、パトちゃんバナーが間に合わなかった…)
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