上砂理佳のうぐいす日記

巨匠漫画家、楳図かずおさん逝去。あべのハルカスで私も見た「楳図展」は金沢21世紀美術館で9月に開催されていました★

村田さんの記事

2006-12-18 | 06-07 コンペとショー
今朝の毎日新聞に村田隆和さんが(WFSでもおなじみのフィギュア番記者)、GPFの総括を書いていましたが、なんとなく違和感を覚えて憤慨しています。
「男女とも、優勝出来るはずのものを逃した。ジュベールとキム選手にあって、浅田、安藤、高橋選手には無いもの。それは“ミスを最小限に食い止める力だ”」…という内容のものでした。「手堅さの差」というタイトルでしたが、同じ内容はネットでもありましたので、貼ります→こちら。

SPでは良い演技でもFSで崩れるパターンを犯してしまう、という事に苦言を呈しているけれど、今回は、日本勢の異常なまでの体調不良続出(いや海外選手も)を最大限に考慮して書かなくてはならないのよ。明らかに異常事態です。これは。
三選手が決して、実力でまた精神力で劣っていたとは思えない。美姫ちゃんは明らかに踏み切りで力が入らない様子だったし、大ちゃんは言わずもがな。「手堅くまとめる」云々、の問題ではなかったと思う(もっとも、大ちゃんはあの状態でも「手堅くまとめた」点数は出して2位を死守したのだから、批判される筋合ではない)。
真央ちゃんの体調はわからないけれど、「こういうこともあるさ」という演技で、決してボロボロではなかった。むしろ「ミスを最小限に食い止めた」部類に入ると思います。観客は、全てのエレメンツに大きな拍手を送っていたし、動揺しながらも、必死に彼女の中で戦っていたように思えました。
3アクセルという最高難度の大技を抱えているのだから、完璧でないこともあって当たり前なのよ。でも、「いつもいつも完璧」を求められていたら、なんにも挑戦出来なくなってしまう。
私は特に真央ちゃんや美姫ちゃんのファンではないけれど、SPの二人を見ていたら、だんだんプログラムに自分の気持ちが入ってきて「人の心に訴えかける力」が出てきたな、と思いました。昨年から比べると技術精度がずっと上がっていて、「気持ちの入る余裕」が出てきたのだと思います。ユナちゃんとこの二人、誰が優勝してもおかしくないレベルで感動的でした。
今回は、ジュベとユナちゃんが結果として一番高いところに登ったけれど、「日本が外国選手に比べて劣っているもの」を分析すること自体がもう、マトはずれだと思う。

毎日新聞は、フィギュアに詳しい=通(ツウ)である、という驕りがあるのかもしれませんが、最近はやたら批判が神経質で、愛情が感じられないのが気がかりです。高校野球の記事ならば、たとえ大敗しても「健闘!青春の汗!」とホメ讃えるのにね。なぜなんでしょうね。
みんな忘れてるけれど、フィギュアも同じアマチュアスポーツ。10代の若い選手が世界の大舞台で戦う姿は、幼い子供たちや若い人にも大きな夢を与えるものなのに、批判ばかりしていても何の意味も無い。逆に、良い結果の時は神様の如く持ち上げるやり方も姑息。「結果至上主義」は、今の格差社会のひずみとリンクしてように思えて、そこがおおいにひっかかります。
今回のGPFは「日本勢惨敗」のように各所で報道してますが、私はそうは思わない。昨年に続き5人も出る時点で、既に「みんな、頑張ったなー」と褒め称えるべきだと思います。

記者はもっと、「これからスポーツをやろう!」と夢を抱く若い人を勇気づける記事を書いて欲しいと思う。こんな御時世なので、尚更そう思う。バッシングは「いじめ」にも通じる。選手側から「それは筋違いです」と、言い返す事は出来ないのだから、メディアの役割というものを考えて執筆してほしい。
そういう意味では、ニフティの青嶋さんは良いなーと思います。時々ちょっと「う~ん、若い執筆者の感覚だな~ついていけないかな~」とも思うけど(笑)。でも、最近の村田さんの記事よりはるかに好きだな。

↑の毎日のWEB記事には、大ちゃんと織田君へのエールがありました。これは新聞紙上では無かったもの。…で、これを読んで少々気をとりなおした私です。
きっと新聞記事しか読まなかったら、「ハラたつな~」で終わっていたかもしれない。紙面というものは文字数に限りがあるから、各選手へのフォロー記事まで掲載できない、という難しさをこちらも読みとらねばならない、ということかもしれません。

(TVのFSの感想はまた後に…どう書いたらいいのか思案中)
コメント (4)
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