先ほど終わった「福岡国際マラソン」。またしても川内の走りに感動した!
レース自体は日本の実業団に所属するケニア人選手に1、2位を奪われ、日本選手は惨敗だった。さみしい思いだけれど、にもかかわらず、TVで観戦しながらこんなにその走りに感動できるというのは驚きだし、川内というランナーのすごさだけが光った。
20㎞すぎに先頭集団から遅れロシア選手の後ろについてペースを守った。この時点ですでに見た目には苦しそうだった。でも彼はがんばっていた。いつもこんな苦しい顔をしながら走っているけれど、毎回ドキドキする。
先頭集団には、今回期待されてもいたし、練習も順調で、好調を伝えられた選手がいた。柏原の前に「山の神」と呼ばれた今井正人と九電工の前田和浩。しかし残念ながらまったくの期待はずれだった。
じきに前の2人に追いつくだろうなと思いながら見ていたが、30㎞過ぎくらいだろうか、川内は2人に追いつき一気に抜いた。その後付かず離れずという時間が少しあったが、苦しく死にそうな顔の合間合間で、「この男笑ってるんじゃないか?」と思うような顔をときどき浮かべながら--おそらく沿道からの「かわうち!」という山ほどの応援をうけて走る幸せをかみしめていたのだと思う--、でも前傾は崩さず、キックは強く全力で疾走していた。アクシデントで転ぶようなことがあればもう立ち上がれないに違いないと思うような目いっぱいの走りに見えた。
地元九州の二人と違って、コースを大きくまわりなどタイムをロスしながらも、給水所で取ったボトルの水を思い切り顔にぶちまけたと思ったら、鬼の形相でさらなるスパート。ここで完全に振り切った。今井もかろうじて最後の粘りを見せたものの、40㎞あたりではもう姿ははるか遠く小さくなり、しかし、いつものように川内が走りの脚を緩めることは決してなく、あたかも全身の力を100%使うやり方を完全に把握しているかのごとく走り続けた。
ここが何より川内のすごいところだし、他人にはまねができない。
日本人1位ではあったが(例によって全力を余すところなく出し切った川内は係員のタオルの中に倒れこみストレッチャーに乗せられ酸素吸入。恐ろしくないんだろうか?)、タイムは2時間9分57秒。まったく世界では通用しないだろう。彼のレース展開も2時間10分くらいのタイムだからこそ可能で、世界トップのペースでは到底上位に食い込むことは難しい。
それでもなお、わたしが言いたいのは、毎回こんなに感動させてくれる走りをする選手は、少なくとも日本では彼しかいないということだ。いやもう一人いた。東洋大の現「山の神」柏原竜二。
この二人のレースは、その内容をちゃんとわかっている日本人にとっては、文字通り勇気と感動を振りまいてくれる。彼らが本気で走るなら、オリンピックがどうなろうが、世界に歯が立たなかろうが--いつか、ひょっとしたらという期待がどこかにあることは否定しないけれど--、そんなの関係ない。
また次のレースも、どうしても見たいと思うのである。
さあ、走りに行くか。
レース自体は日本の実業団に所属するケニア人選手に1、2位を奪われ、日本選手は惨敗だった。さみしい思いだけれど、にもかかわらず、TVで観戦しながらこんなにその走りに感動できるというのは驚きだし、川内というランナーのすごさだけが光った。
20㎞すぎに先頭集団から遅れロシア選手の後ろについてペースを守った。この時点ですでに見た目には苦しそうだった。でも彼はがんばっていた。いつもこんな苦しい顔をしながら走っているけれど、毎回ドキドキする。
先頭集団には、今回期待されてもいたし、練習も順調で、好調を伝えられた選手がいた。柏原の前に「山の神」と呼ばれた今井正人と九電工の前田和浩。しかし残念ながらまったくの期待はずれだった。
じきに前の2人に追いつくだろうなと思いながら見ていたが、30㎞過ぎくらいだろうか、川内は2人に追いつき一気に抜いた。その後付かず離れずという時間が少しあったが、苦しく死にそうな顔の合間合間で、「この男笑ってるんじゃないか?」と思うような顔をときどき浮かべながら--おそらく沿道からの「かわうち!」という山ほどの応援をうけて走る幸せをかみしめていたのだと思う--、でも前傾は崩さず、キックは強く全力で疾走していた。アクシデントで転ぶようなことがあればもう立ち上がれないに違いないと思うような目いっぱいの走りに見えた。
地元九州の二人と違って、コースを大きくまわりなどタイムをロスしながらも、給水所で取ったボトルの水を思い切り顔にぶちまけたと思ったら、鬼の形相でさらなるスパート。ここで完全に振り切った。今井もかろうじて最後の粘りを見せたものの、40㎞あたりではもう姿ははるか遠く小さくなり、しかし、いつものように川内が走りの脚を緩めることは決してなく、あたかも全身の力を100%使うやり方を完全に把握しているかのごとく走り続けた。
ここが何より川内のすごいところだし、他人にはまねができない。
日本人1位ではあったが(例によって全力を余すところなく出し切った川内は係員のタオルの中に倒れこみストレッチャーに乗せられ酸素吸入。恐ろしくないんだろうか?)、タイムは2時間9分57秒。まったく世界では通用しないだろう。彼のレース展開も2時間10分くらいのタイムだからこそ可能で、世界トップのペースでは到底上位に食い込むことは難しい。
それでもなお、わたしが言いたいのは、毎回こんなに感動させてくれる走りをする選手は、少なくとも日本では彼しかいないということだ。いやもう一人いた。東洋大の現「山の神」柏原竜二。
この二人のレースは、その内容をちゃんとわかっている日本人にとっては、文字通り勇気と感動を振りまいてくれる。彼らが本気で走るなら、オリンピックがどうなろうが、世界に歯が立たなかろうが--いつか、ひょっとしたらという期待がどこかにあることは否定しないけれど--、そんなの関係ない。
また次のレースも、どうしても見たいと思うのである。
さあ、走りに行くか。