■木崎はサプライズ。
「名古屋ウイメンズマラソン」での木崎の走りはちょっとしたサプライズだった。このところの駅伝などでもあまりいい結果が出てなかったし、展開的にも自分から仕掛けるタイプではないと思っていたので、ほとんど期待していなかった。
ところが、だ。選考する野口みずきとディババを相手に終盤まで追走。離さない。力を温存し、最後の給水で勝負どころと見るや一気にスパートしてディババを引き離した。タイムも2時間23分34秒と自己ベストを約3分更新。陸連の定めた世界陸上派遣内定基準の23分台をクリア。男女を通じて一発内定を獲得した唯一の選手となった。
非常に苦しそうな表情だったけれど、ゴールまでスピードを緩めることなく走りけりゴールテープを切った、いつものように直前サングラスを上げて、今回は満面の笑顔だった。
絶好調宣言の野口は36㎞ですでに遅れてしまった。ただ、そのあとずるずる引き離されるようなことはなく、最後まで粘った。体調不慮で、大事な時期に走りこみができなかったせいだという。原因がはっきりしているので修正は難しくない。太腿の故障再発にだけ気をつけて世界陸上の切符を待ってもらいたい。
「ひょっとしたら」と一抹の期待があった永尾薫は序盤早々に先頭から遅れてしまった。いったい何位かわからないが、ちょっと仕切り直しという感じ。故障だろうか? 大久保絵里も同様。序盤から脚が痛そうだった。残念だ。
※名古屋ウイメンズマラソンの結果予想と代表争い
■女子も国内選考レースが終了。
これで、女子の方も国内の代表選考レースは3つとも終了。あとは男子同様に海外の選考対象レースである4月のボストン、ロンドンを残すのみ。
※女子代表の行方
男子と違って女子はロンドンに有力選手が再挑戦する。赤羽さん、中里麗美、伊藤舞の3人だ。赤羽さんと中里のベストは24分前半、伊藤舞でも25分半ば。しかも中里(24歳)、伊藤(28歳)はマラソン選手としてはまだ若いので、練習内容やコンディション次第では大幅に自己ベストを更新する可能性がある。33歳とはいえ赤羽さんも暖かい場所で入念なトレーニングを続けておりポテンシャルは高い。
つまり、この3人とも23分台の可能性があると思う。ただ、現実には、過去23分台の記録を持つ選手は今回の木崎を入れてもたったの15人しかいない。
※女子マラソン日本歴代30傑
可能性があると言っても、海外のレースで、いきなり3人も23分台が出るとは考えにくい。
選考の仕組みから考えて、国内選考レースの日本人トップはかなりのアドバンテージがある。したがって、横浜2位の那須川、大阪2位の福士はロンドンの結果に関係なく、本来選ばれるべきだと思う。これに名古屋優勝で一発内定の木崎を入れて3人は確定。
タイムがどうとか言い出したらきりがない。レースは1つ1つコンディションが違う。暑い日もあれば、寒い日、風が強い日といろいろある。参加メンバーも異なる。しかしながら、陸連が3つしかない対象レースに指定したわけだから、よほどの惨敗でないかk切り日本人トップならそれぞれのトップ3人を選び、残りの二人は海外か準対象レースの日本人トップか対象レースの日本人2位・3位の中から総合的に判断して決めるべきだ。
ロンドンで23分台を出す選手がいなかった場合は、タイム的にもレース展開的にも、陸連幹部の発言からも、4人目は野口みずきで決まりだろう。
ロンドンに出る3人を除く順位付けは野口、大阪3位の渡邊裕子の順番だ。この場合の5人目は25歳とまだ若く伸びしろがある。渡邊との代表争い。渡邊のタイムは25分56秒。ロンドンの日本人トップが24分前半だと微妙か。
23分台で走る選手が現れた場合はややこしくなる。また、可能性は少ないが、厳しい天候で、優勝タイムが23~24分台となり、WMM(ワールドマラソンメジャーズ)の対象レースとして有力選手が集まるロンドンで表彰台に上がるような成績を得た場合ももめるかもしれない。
23分台は、全選考レースを通して木崎しか記録していないので、ロンドンで23分台で走って日本人トップなら間違いなく代表に選ばれる。一番可能性が高いのはもちろん赤羽さん。若さと持ちタイムだけ考えれば中里にもチャンスはありそうだ。
日本人2位の選手も23分台だった場合は、野口との争いになる。順位にもよるが、23分後半なら微妙だ。個人的には野口を選んでもらいたいけれど。23分前半で順位が3位以内なら野口は選ばれない可能性が高くなりそうだ。
ただ、その場合ロンドン・マラソンで日本人が2人表彰台に上がることになり、近年の状況から考えて可能性はかなり低いだろう。残念だけど。
というわけで、結論的に言うと、私の予想は、期待も込めてこの5人になる。
1 木崎良子(これはすでに決定)
2 福士加代子(これも決定に限りなく近い)
3 那須川瑞穂(暑いレースだったとはいえ、日本人トップ狙いのレースメイクで本番での活躍は?)
4 野口みずき(「完全復活」に期待したい)
5 赤羽有紀子(入念な準備と実績から、ロンドンで23分台で走る、いや走ってほしい)
以上です。
「名古屋ウイメンズマラソン」での木崎の走りはちょっとしたサプライズだった。このところの駅伝などでもあまりいい結果が出てなかったし、展開的にも自分から仕掛けるタイプではないと思っていたので、ほとんど期待していなかった。
ところが、だ。選考する野口みずきとディババを相手に終盤まで追走。離さない。力を温存し、最後の給水で勝負どころと見るや一気にスパートしてディババを引き離した。タイムも2時間23分34秒と自己ベストを約3分更新。陸連の定めた世界陸上派遣内定基準の23分台をクリア。男女を通じて一発内定を獲得した唯一の選手となった。
非常に苦しそうな表情だったけれど、ゴールまでスピードを緩めることなく走りけりゴールテープを切った、いつものように直前サングラスを上げて、今回は満面の笑顔だった。
絶好調宣言の野口は36㎞ですでに遅れてしまった。ただ、そのあとずるずる引き離されるようなことはなく、最後まで粘った。体調不慮で、大事な時期に走りこみができなかったせいだという。原因がはっきりしているので修正は難しくない。太腿の故障再発にだけ気をつけて世界陸上の切符を待ってもらいたい。
「ひょっとしたら」と一抹の期待があった永尾薫は序盤早々に先頭から遅れてしまった。いったい何位かわからないが、ちょっと仕切り直しという感じ。故障だろうか? 大久保絵里も同様。序盤から脚が痛そうだった。残念だ。
※名古屋ウイメンズマラソンの結果予想と代表争い
■女子も国内選考レースが終了。
これで、女子の方も国内の代表選考レースは3つとも終了。あとは男子同様に海外の選考対象レースである4月のボストン、ロンドンを残すのみ。
※女子代表の行方
男子と違って女子はロンドンに有力選手が再挑戦する。赤羽さん、中里麗美、伊藤舞の3人だ。赤羽さんと中里のベストは24分前半、伊藤舞でも25分半ば。しかも中里(24歳)、伊藤(28歳)はマラソン選手としてはまだ若いので、練習内容やコンディション次第では大幅に自己ベストを更新する可能性がある。33歳とはいえ赤羽さんも暖かい場所で入念なトレーニングを続けておりポテンシャルは高い。
つまり、この3人とも23分台の可能性があると思う。ただ、現実には、過去23分台の記録を持つ選手は今回の木崎を入れてもたったの15人しかいない。
※女子マラソン日本歴代30傑
可能性があると言っても、海外のレースで、いきなり3人も23分台が出るとは考えにくい。
選考の仕組みから考えて、国内選考レースの日本人トップはかなりのアドバンテージがある。したがって、横浜2位の那須川、大阪2位の福士はロンドンの結果に関係なく、本来選ばれるべきだと思う。これに名古屋優勝で一発内定の木崎を入れて3人は確定。
タイムがどうとか言い出したらきりがない。レースは1つ1つコンディションが違う。暑い日もあれば、寒い日、風が強い日といろいろある。参加メンバーも異なる。しかしながら、陸連が3つしかない対象レースに指定したわけだから、よほどの惨敗でないかk切り日本人トップならそれぞれのトップ3人を選び、残りの二人は海外か準対象レースの日本人トップか対象レースの日本人2位・3位の中から総合的に判断して決めるべきだ。
ロンドンで23分台を出す選手がいなかった場合は、タイム的にもレース展開的にも、陸連幹部の発言からも、4人目は野口みずきで決まりだろう。
ロンドンに出る3人を除く順位付けは野口、大阪3位の渡邊裕子の順番だ。この場合の5人目は25歳とまだ若く伸びしろがある。渡邊との代表争い。渡邊のタイムは25分56秒。ロンドンの日本人トップが24分前半だと微妙か。
23分台で走る選手が現れた場合はややこしくなる。また、可能性は少ないが、厳しい天候で、優勝タイムが23~24分台となり、WMM(ワールドマラソンメジャーズ)の対象レースとして有力選手が集まるロンドンで表彰台に上がるような成績を得た場合ももめるかもしれない。
23分台は、全選考レースを通して木崎しか記録していないので、ロンドンで23分台で走って日本人トップなら間違いなく代表に選ばれる。一番可能性が高いのはもちろん赤羽さん。若さと持ちタイムだけ考えれば中里にもチャンスはありそうだ。
日本人2位の選手も23分台だった場合は、野口との争いになる。順位にもよるが、23分後半なら微妙だ。個人的には野口を選んでもらいたいけれど。23分前半で順位が3位以内なら野口は選ばれない可能性が高くなりそうだ。
ただ、その場合ロンドン・マラソンで日本人が2人表彰台に上がることになり、近年の状況から考えて可能性はかなり低いだろう。残念だけど。
というわけで、結論的に言うと、私の予想は、期待も込めてこの5人になる。
1 木崎良子(これはすでに決定)
2 福士加代子(これも決定に限りなく近い)
3 那須川瑞穂(暑いレースだったとはいえ、日本人トップ狙いのレースメイクで本番での活躍は?)
4 野口みずき(「完全復活」に期待したい)
5 赤羽有紀子(入念な準備と実績から、ロンドンで23分台で走る、いや走ってほしい)
以上です。