ユーミンの曲はこれで12曲目です。
アルバム「そしてもう一度夢見るだろう」(2009)からは「まずはどこへ行こう」に続いて2曲目の選曲。
そしてもう一度夢見るだろう (AND I WILL DREAM AGAIN.) | |
EMI Records Japan | |
EMI Records Japan |
この曲、あんまりよく聴いてなかったけれど、今回改めてじっくりと聴いてみて近年のユーミンの曲の中では注目すべき名曲だと確信しました。
とくにこうしたバラード調の曲では、「もうひとつ」感が強かったんですが--ひょっとしたらこの曲同様あまりよく聴いていないせいなのかもしれません--これはいいですね。
ところどころユーミンらしい聴き覚えのあるようなメロディもはさみこまれていて、アレンジも良くも悪くも松任谷正隆らしくて、目新しさはないけど、古くからのファンには落ち着いて聴ける安定感があります。
安定感なんてものが必要かと問われれば、新たな楽曲に対してむしろ不要なものだろうけれども、ユーミンの曲というのはそうした或る種のスタンダードに、もはやなりつつあるのであって、積み上がってきた懐かしさに一定の価値が生じているとしても不思議はありません。
そこがわかりにくさの原因でもあると思います。一聴しただけでは聴き覚えのある・変化に乏しい・今さら聴く必要もないような曲と思えてしまったりする。
しかし、この曲のように、よく聴いてみると、そこには新たなメッセージや創造性が加味されてより高いレベルに引き上げられた作品に仕上がっているというようなケースもあるんですね。
もはや時代を突き抜けるような瞬間的なスパート力はないけれども、大事に育ててきた植物に花が咲いてしっかりとした実がなるような、間違いのない成果を体現している気がします。
YouTubeのアップはないんですが、こちらのpideoという動画検索サイトで、TVか何かの収録映像を見ることができます。
調子が良かったみたいで、なかなかいいですよ。