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解説記事の一部です。
脚本も手掛けるアーマンド・イアヌッチ監督。
共同脚本のデヴィッド・シュナイダーは、
「あえてコメディに仕上げようとはせず、状況からコメディが生まれてくるようにした。
登場する男たちが卑劣な人間なのは明らかだが、
その性質が強く出た時でさえ何らかの魅力を感じてもらえるようにしたかった」と
説明する。
イアヌッチらが強く意識したのは、スターリン支配下の全体主義を支えている
言語道断の残虐行為と、独裁社会で生まれる不条理なユーモアが
バランスよく組み合わさった脚本にすることだった。イアヌッチはこう語る。
「私たちは1940~50年代のモスクワについてリサーチした。
強制労働収容所に送られたり、銃殺されたり、血も凍る恐ろしい時代だった。
イアヌッチは原作の中の“事実”に驚愕したと振り返る。
「スターリンは小便の海にずっと倒れていた。護衛たちが彼を恐れ、
誰も寝室に入れなかったからだ。これも事実。
側近たちはどの医者を呼べばいいかわからなかった。
毒を盛られる可能性があったからだ。これも事実。
スターリンがベッドに入ったのは午前4時だった。
前夜、自分は水で薄めた酒を飲みながら、
側近たちにはどんどん酒を飲ませた。これも事実。
彼らが自分に対してどんな行動をとるのか見るためで、
側近たちはスターリンが寝るまで我慢して付き合った。
こういった事実がわかってくるにつれて、滑稽さが増してくる。」
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一党独裁政治の恐ろしさがよく分かる。
彼の葬儀に遠くから列車で、大勢の国民が参列した。彼のことを恐ろしい独裁者と知らなかったのか?
無実の人々が反逆者として銃殺されたことを知らないはずがない。
彼が死んで万歳と叫ぶのかと思ったけれど、何故なのか不思議だった。