春一番が吹いたそうだ。なるほど、今日は暖かかった。
帰り道、先日までの寒い日とは明らかに違う空気の匂いを嗅ぎながら、そう思った。埃っぽいような重いような匂い。
予算作成、大詰め。吉熊上司が調整の指示を出して、私たちは受け持つ科目をひたすら直す。
今回、一番大変だったのは、旅費交通費だった。元々は後輩男子タイスケくんの受け持つ科目だった旅費交通費。ずっと私が担ってきた消耗品費や雑費などのように勝手がわからぬ。扱いがわからないのでずっと可愛く思えなかった。できることならばタイスケくんに逆輸入したかった。まるで「みにくいあひるの子」扱いの旅費交通費。お母さんアヒルの私は、大変だった。
でも嫌がってばかりでも仕事は終わらぬ。吉熊上司からヒントをいただき、くらいついた。私の出来の悪さにだんまりしてしまう吉熊上司にショックを受けながら、昨日ようやく完成できた。
「やればできるだろー?な?」
という吉熊上司の言葉は、春一番のように緊張の空気を緩ませた。
ああいう風にやればピボットを組めるんだ、という新たな知識を得られた。
この春で入社丸10年。今の部署に来て丸9年。
吉熊上司は9年も私の面倒を見てくださってる。当時から会社の数字は彼が管理している。
私と吉熊上司は10歳差。ということは、今の私の歳は、あの10年前の吉熊上司の歳と同じ。32歳。信じがたい。
明日は予算の最終調整。
頑張ろう。
帰り道、先日までの寒い日とは明らかに違う空気の匂いを嗅ぎながら、そう思った。埃っぽいような重いような匂い。
予算作成、大詰め。吉熊上司が調整の指示を出して、私たちは受け持つ科目をひたすら直す。
今回、一番大変だったのは、旅費交通費だった。元々は後輩男子タイスケくんの受け持つ科目だった旅費交通費。ずっと私が担ってきた消耗品費や雑費などのように勝手がわからぬ。扱いがわからないのでずっと可愛く思えなかった。できることならばタイスケくんに逆輸入したかった。まるで「みにくいあひるの子」扱いの旅費交通費。お母さんアヒルの私は、大変だった。
でも嫌がってばかりでも仕事は終わらぬ。吉熊上司からヒントをいただき、くらいついた。私の出来の悪さにだんまりしてしまう吉熊上司にショックを受けながら、昨日ようやく完成できた。
「やればできるだろー?な?」
という吉熊上司の言葉は、春一番のように緊張の空気を緩ませた。
ああいう風にやればピボットを組めるんだ、という新たな知識を得られた。
この春で入社丸10年。今の部署に来て丸9年。
吉熊上司は9年も私の面倒を見てくださってる。当時から会社の数字は彼が管理している。
私と吉熊上司は10歳差。ということは、今の私の歳は、あの10年前の吉熊上司の歳と同じ。32歳。信じがたい。
明日は予算の最終調整。
頑張ろう。