世界の中心で吉熊が叫ぶ

体長15センチの「吉熊くん」と同居する独身OLの日常生活

夏は夜。月のころはさらなり。

2022年07月04日 23時11分17秒 | Weblog
連日、妹宅にお邪魔しているが、甥っ子の成長には目を見張るものがある。
先日なんて甥っ子は塾の宿題をしていて、それが枕草子の一節であったことに吃驚した。


「な、つ、は、よ、る、つ、き、の、こ、ろ、は、さ、ら、な、り…」
って一生懸命に読んでいた。

「夏は夜。月のころはさらなり。」ね。

本人は全然興味ないっぽい感じだったが。


高校時代、「枕草子」を学んだ際、衝撃を受けた。

「かたはらいたきもの。(中略)憎げなる乳子を、おのが心ちの愛しきままに、うつくしみ、かなしがり、これが声のままに、いひたる言など語りたる」

→イライラするもの。不細工な赤ちゃんを大事に可愛がって、その子の声真似などをして、しゃべったことを人に話している母親。


当時、古典の担当は子供が生まれたばかりの男性の先生だった。
「これ、信じられないよなあ。子供って本当にかわいくってさぁ、つい赤ちゃん言葉で喋っちゃうんだけどなぁ」と言っていた記憶。

私は当時から子供嫌いを自覚していたので「ビバ・清少納言」の心境であった。
高校時代から、子供に赤ちゃん言葉で話しかける大人をきめぇって思っていた。

ちょうどその頃、父の姉(伯母2号)の孫が生まれた。
赤ちゃんを見せびらかされたとき、私は一言もその子に対して「かわいい」と発しなかった。だってかわいくないんだもの。「ふーん」って思って俯瞰していた。
そしたら業を煮やした伯母2号が「リョーちゃん(孫)は世界でいちばんかわいいコ!」ってイライラした感じで、これ見よがしに言っていたっけ。

本当、感じ悪かった。
父の姉たちは総じて性格が悪い。
私が清少納言だったら、「枕草子」で彼女たちを思いきりdisっていただろう。
かたはらいたきもの、伯母。
伯母はいみじ、って。



ここ最近、母、妹、私で食事をする機会が多い。つい、父方の伯母たちの悪口大会が開催されがち。昔されたことをほじくり返してキャッキャするのは、いとおかし。


今日も妹宅へ。


甥っ子の塾の迎えに行った。

授業が終わるのを外から眺めていると、私に気付いた甥っ子が「リョーコ!」とニッコリ笑っていて、照れてしまう。
そして他のコのお母さんたちと会話をしたり、先生に挨拶をしたりして、すっかりエア母親として頑張ってしまった。

さあ、帰ろう。


甥っ子がお月様を発見。
私のスマホで撮影してくれたんだけど、超ブレてる。
でも、これはこれで新鋭アートっぽくね?


私「お月様、ついて来るね」
甥っ子「〇ちゃんが、かわいいから…?」
私「きっとそうだよ!」
…やべぇ、こんなんじゃ、清少納言に「かたはらいたきもの」ってdisられてしまう…!!


母がグラタンを作って待っていてくれた。
スープもコールスローも美味しい。





ちなみに、昨日持たせてくれた焼うどんは今朝、いただきマンモス。



こんなに毎日母の手料理を食べる日が続くのはいつ以来だろう。
やはり母の手料理が一番好き。

満腹の腹を擦りながら帰宅。

夏は夜。月のころはさらなり。

暑いのは嫌だけど、清少納言の夏の夜推しの気持ちがほんのちょこっと分かった気がした。