中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

頭を丸める

2008-07-13 08:29:52 | 身辺雑記
 プロ野球のある球団の中堅選手が、フリーアナウンサーと不倫をしたことが女性週刊誌に報じられて問題になったようだ。

 この選手は故障で2軍に降格になっていた、その最中のことで、球団のオーナーの「逆鱗」に触れ、オーナーは1軍昇格を延期することを示唆したようだ。オーナーが選手の昇格にまで口を挟むのはどうかと思うが、これはこの球団では当たり前のことなのかも知れない。そのこともあってか、この選手は即日長髪を切って丸刈りにし、「みそぎの丸刈り頭」と報じられた。それでオーナーの怒りも解けたようで、翌日にはこの行動を評価し、近く1軍昇格になるという。

 この不倫騒動はスポーツ、芸能の両方で取り上げられたようだが、何かバカらしいようにも思う。私はこの選手のことは名前のほかにはよく知らないし、相手のフリーアナウンサーの女性はまったく知らなかった。そもそもこの「事件」自体の詳細もよく知らないのだが、それはともかくとして私が違和感を覚えたのは、この選手が「頭を丸めた」と言うことだ。高校野球の選手などには丸刈りが多いが、彼はこの事件を契機に高校時代の初心に返って丸刈りにしたのでなく、己の行為を恥じていることを頭を丸めることで知ってもらいたかったのだろう。これはよく見られる行為で、何もスポーツ選手に限ったことではないが、私は嫌いだ。本来頭を丸めるというのは、剃髪して仏門に入ることなのだが、普通はそのような俗界を離れるという殊勝な発心ではなく、頭を丸めるという正常でない姿をすることで、恥を耐え忍んでいるという気持ちを表しているのに過ぎない。反省しているのなら形、態度で示せと言われることがよくあり、頭を丸めるのはその手っ取り早い方法なのだ。今回もそれでオーナーの怒りが解けたのだから功を奏したということになる。

  「みそぎの丸刈り頭」と言うのも変な表現で、みそぎ(禊)と言うのは日本古来の、罪や穢れを海や川の水で洗い落とすことで、みそぎと丸刈りは似ても似つかぬ行為だ。今では例えば選挙違反などに問われた議員が、一度は落選してもその後再出馬する時に「みそぎを済ませた」などと言う。要するに罪は消えましたという都合のよい言い訳だ。この選手は丸刈りにすることで、自分の罪を洗い流したと言いたかったのか。

 この球団を持つ会社の会長は、かねてからあまり感心しない発言をする人物だが、今回の不倫騒動について報道陣に「君らだってやってんだろ。同じようなもんじゃねえか」と、どうにも品のない発言をしたようで、またかと笑ってしまった。この球団はかねてから球界の盟主を自認し、選手達にも紳士としての品位を求め、長髪やひげ面を認めていないようだが、親会社の会長がこのような発言をするのではお門が知れると言うものだ。