中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

コーヒーの輸入ストップ

2008-07-29 08:30:08 | 身辺雑記
 私はコーヒーは好きだがコーヒー党と言うほどではないから、コーヒーの銘柄についての知識はなく、時折ある銘柄に興味を持つと買ってみる程度だ。それにいわゆる高級な銘柄のものはほとんど買うことはない。

 最近「モカ:消えるかも 輸入ストップ、在庫わずか」と言う記事を見た。エチオピア産のコーヒーであるモカから基準値以上の残留農薬が検出されたということで、厚生労働省が事実上、輸入にストップをかけているからだそうだ。4月下旬に生豆から基準値を超える殺虫剤成分の検出が続いたようで、健康に影響を及ぼす値ではなかったが、原因が豆か、豆を入れる麻袋に付着していたのか特定できないようだ。再開のめどはたっておらず、喫茶店やスーパーの店頭などからモカが姿を消す可能性もあると言う。

 コーヒーの生豆の全輸入量(07年)は約38万9000トンで、このうちエチオピアからは約2万9000トン、国別では5位の輸入額のようだから、ブレンドコーヒーの定番とされるモカの輸入禁止措置は大きな影響があるとされるのだろう。小売店やコーヒー店では在庫が尽き始めたところもあり、ブレンドの味が変わると困っているようだ。エチオピア側は「日本は細かすぎる。他の国は何も言ってこない」などと主張しているようだが、厚労省は「エチオピア政府が原因究明や検査の充実に努めない限り、日本側も対応のしようがない」として、輸入を停止させたままだと言うから事態は膠着状態なのだろう。

 食品の残留農薬や抗生物質のことについてはこれまでにもいろいろと報道されてきていて、軽視するつもりは決してないが、このモカのことについては、エチオピア側が日本は細かすぎると言っていることは何となく分かるような気がする。検出された農薬は基準値以上ではあるが、健康に影響を及ぼす値ではなかったのだから、それで輸入禁止としてエチオピア側が何らかの措置をしなければ対応できないと言うことは、エチオピア側にとっては納得できないことではないかと思う。もっとも厚生労働省としては基準値以上の値が出た以上、それが健康に影響を及ぼすことはなくても輸入禁止以外にはないというのだろう。

 農薬など毒性のあるものについて基準値を設けることは当然だが、それはその値に達したら健康に影響があると言うものではなさそうだ。実際これまでにもいろいろとニュースにはなったが、基準値を超えているが健康には影響はないというのが少なからずあった。基準値を超えても、この値までならば輸入してもよいという幅があってもよいのではないだろうか。一体どの程度の残留農薬があったのかも知らないが、コーヒーなどはごく少量の豆を挽いて、それに湯を通して淹れるものだ。1杯のコーヒーにいったいどれだけの値の農薬が含まれると言うのだろうか。コーヒーのような嗜好品は人によっては毎日何杯も口にすることがあるから、体内に蓄積する場合を考えると規制せざるを得ないのか。他の食品にしても輸入時の検査値と実際に口にするときの値とはかなりの違いがあるだろう。少し神経質すぎるようにも思うが、このような考えは食の安全と言うことに対してルーズと言うことなのだろうか。