大分県の教育庁(教育委員会)の汚職事件は泥沼状態で、次々に不正や異常事態が明るみに出されている。教員採用だけでなく管理職登用にも絡んで贈収賄や点数の水増しなどが長年常態化していたようだ。
自分の息子と娘を採用してもらうために、義務教育課の参事に現金や金券を400万円も贈賄した52歳の女性校長は懲戒免職になったが、これからも司法の裁きがあるのだろう。52歳と言うと校長になって間もないのだろうが、これで何かも棒に振ってしまったわけだ。採用された息子や娘も母親の名前が知れてしまった以上、親や子ども達から疑惑の目で見られて、針の筵に座らされている思いではないか。娘は本来の合格者だったそうだから罪な話ではある。
報道された汚職は、この校長だけのことではなく、他にもこの義務教育課の参事が絡んだ贈収賄はあるようで、警察の捜査の進捗状況によってはまだまだ明るみに出ることも多いのではないか。教師達とくにここ数年の新任者は疑惑の目にさらされることになるし、不正合格者の採用が取り消されるようだから、かなりの混乱が起こるだろう。現職管理職だけでなく、県会議員の口利きと言うか介入も普通だったらしい。この参事には管理職の登用に当たっても金銭を贈った校長や教頭がいるようで、職を金で売買していたということだ。この参事の上司の教育庁ナンバー2もかなりあくどいことをしていたようだから、組織ぐるみの犯罪と言うことだ。これも元教員だったと言うから呆れてしまう。
合格させる手口は、口利きや贈賄のあった者の関係の受験者の試験の点数を水増しさせることで、採用試験は1次、2次各500点、合計1000点満点で、08年度の最低合格点は約620点、口利きを受けた約20人のうち約15人が加点されたと言う。最大のケースでは、400点台後半の受験者に100点以上加点したことがあったそうだ。これだけでもひどい話だが、もっと許せないのは口利きを受けていない一部受験生の点数を下げる操作でボーダーライン前後を入れ替えたということだ。結果的に、本来は合格していた口利き以外の10人が不合格となったようで、こんな非道なことはない。472人が受験し41人が採用され、最終倍率は11.5倍だったと言うから、不合格者の中には本来合格ラインに達していなかった者ももちろん多いだろうが、自分はかなり頑張ったつもりの者はひょっとすると思っているかも知れない。いずれにしても自分の人生を賭ける思いで受験した者の答案の点数を操作している人物の姿を想像すると、自分もかつては教職に身を置いた者として良心の咎めを感じなかったのだろうかと、その薄汚い心と、それを生み出した組織の腐敗のおぞましさに胸が悪くなる。
この事件が報道されてから、ひどい話だという声をよく聞くが、同時に大分県だけのことだろうか、他の県にもあるのではないだろうかということも言われる。卒業生のH君はかつて近畿圏のある県に住んでいたことがあるが、その県ではそのようなことは公然の秘密のようなものだったと言っている。大分県の場合もそうだが、このようなことに必ずと言ってよいくらい関わってくるのが県会議員など議員と呼ばれる輩である。不正なことではないが、私はかつて議員、とりわけ県会議員の鼻持ちならない傲慢さを見たことは再々ある。もちろんすべての議員がそうではなく、人格や言動に優れた議員もいるが、とりわけ保守系と呼ばれ何期も務めている議員の中には、自分を権力者と勘違いしているようなどうしようもない者がいる。そういう者が競争率の高い教員採用試験などに口を出してくることは容易に想像できる。もちろんただ働きをするはずもなく、依頼者からは応分の謝礼はもらうのだろう。
まことに不愉快な事件ではあるが、大分のような露骨なことではなくても、このようなことは絶対にないと天地神明に誓って言える府県はあるのだろうかと思ってしまう。おそらくは「百年河清を俟つ」と言うことに等しいのだろうと悲観的になっている。
自分の息子と娘を採用してもらうために、義務教育課の参事に現金や金券を400万円も贈賄した52歳の女性校長は懲戒免職になったが、これからも司法の裁きがあるのだろう。52歳と言うと校長になって間もないのだろうが、これで何かも棒に振ってしまったわけだ。採用された息子や娘も母親の名前が知れてしまった以上、親や子ども達から疑惑の目で見られて、針の筵に座らされている思いではないか。娘は本来の合格者だったそうだから罪な話ではある。
報道された汚職は、この校長だけのことではなく、他にもこの義務教育課の参事が絡んだ贈収賄はあるようで、警察の捜査の進捗状況によってはまだまだ明るみに出ることも多いのではないか。教師達とくにここ数年の新任者は疑惑の目にさらされることになるし、不正合格者の採用が取り消されるようだから、かなりの混乱が起こるだろう。現職管理職だけでなく、県会議員の口利きと言うか介入も普通だったらしい。この参事には管理職の登用に当たっても金銭を贈った校長や教頭がいるようで、職を金で売買していたということだ。この参事の上司の教育庁ナンバー2もかなりあくどいことをしていたようだから、組織ぐるみの犯罪と言うことだ。これも元教員だったと言うから呆れてしまう。
合格させる手口は、口利きや贈賄のあった者の関係の受験者の試験の点数を水増しさせることで、採用試験は1次、2次各500点、合計1000点満点で、08年度の最低合格点は約620点、口利きを受けた約20人のうち約15人が加点されたと言う。最大のケースでは、400点台後半の受験者に100点以上加点したことがあったそうだ。これだけでもひどい話だが、もっと許せないのは口利きを受けていない一部受験生の点数を下げる操作でボーダーライン前後を入れ替えたということだ。結果的に、本来は合格していた口利き以外の10人が不合格となったようで、こんな非道なことはない。472人が受験し41人が採用され、最終倍率は11.5倍だったと言うから、不合格者の中には本来合格ラインに達していなかった者ももちろん多いだろうが、自分はかなり頑張ったつもりの者はひょっとすると思っているかも知れない。いずれにしても自分の人生を賭ける思いで受験した者の答案の点数を操作している人物の姿を想像すると、自分もかつては教職に身を置いた者として良心の咎めを感じなかったのだろうかと、その薄汚い心と、それを生み出した組織の腐敗のおぞましさに胸が悪くなる。
この事件が報道されてから、ひどい話だという声をよく聞くが、同時に大分県だけのことだろうか、他の県にもあるのではないだろうかということも言われる。卒業生のH君はかつて近畿圏のある県に住んでいたことがあるが、その県ではそのようなことは公然の秘密のようなものだったと言っている。大分県の場合もそうだが、このようなことに必ずと言ってよいくらい関わってくるのが県会議員など議員と呼ばれる輩である。不正なことではないが、私はかつて議員、とりわけ県会議員の鼻持ちならない傲慢さを見たことは再々ある。もちろんすべての議員がそうではなく、人格や言動に優れた議員もいるが、とりわけ保守系と呼ばれ何期も務めている議員の中には、自分を権力者と勘違いしているようなどうしようもない者がいる。そういう者が競争率の高い教員採用試験などに口を出してくることは容易に想像できる。もちろんただ働きをするはずもなく、依頼者からは応分の謝礼はもらうのだろう。
まことに不愉快な事件ではあるが、大分のような露骨なことではなくても、このようなことは絶対にないと天地神明に誓って言える府県はあるのだろうかと思ってしまう。おそらくは「百年河清を俟つ」と言うことに等しいのだろうと悲観的になっている。