中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

爆弾製造

2009-03-14 11:21:15 | 身辺雑記
 先月のことになるが、北海道立高校1年の16歳の少年が、爆弾を自作して同級生を殺害しようとしたとして殺人予備容疑で逮捕された。インターネットで爆弾の製造方法を知り、ネットを通じて材料を購入し、自宅の自分の部屋で製造していた。

 この高校生は、同級生の携帯電話に「オレをバカにしてきたやつを消す」などと書き込んだメールを送っていたとして脅迫容疑で逮捕された。その際の家宅捜査で有機過酸化物爆薬や黒色火薬などを製造するのに必要な過酸化水素水や木炭、すり鉢など約50点が発見された。実際に加工段階だったという。有機過酸化物爆薬はアセトンや過酸化水素水、塩酸、硫酸など比較的日常的で、入手しやすい材料から作ることができるそうで、テロにも使われるほどその威力は大きく、この少年が製造していたものも、完成していたら、住宅1棟を破壊するほどの威力があるということだ。

 少年は精神的に不安定な状態だったらしく、家庭や学校でも注意はしていたようだが、同級生に対してはかなり歪んだ感情を抱いていたようで、取調べに対して「自分は強くて偉いのに、同級生に対等に話しかけられ、見返したかった。3月の春休みまでに爆弾を作り、教室で実行するつもりだった」と言ったという。この年齢にありがちな、自己中心的、自己肥大的な考えなのだろうが、いったいどのように育ってきたのかと考えてしまう。

 それにしてもインターネットで爆弾の製法を知ることができたり、材料を入手できるとは物騒なことだ。私はトイレの清掃に塩酸を使おうと思って薬局に注文したが売れないということだった。ネットでは簡単に入手できるのか。爆弾の製造法などどんな人間が、何の目的でネットに載せたりするのだろう。有害としか思えないが、こういうものでも表現の自由とやらで規制できないのだろう。実際にこの少年が実行していたらと思うと寒気がする。

 ドイツでは17歳の少年が自宅にあった親の銃を持ち出して、母校の中学校に侵入し生徒や教師ら15人を射殺した。警官と銃撃戦の末自殺したから動機などは不明だが、家庭は裕福で、在学中は静かで目立たない生徒だったという。ドイツでは銃規制が厳しいようだが、それでもこんなことが起こる。まして米国では野放し同然だから、これまでにもコロンバイン高校事件のような大量射殺事件が起こっている。日本でも銃規制が緩やかだったら、爆弾をつくるよりも手っ取り早いから、同じような事件が起こることは考えられる。

 爆弾を製造しようとした少年も、決して突出した異常な性格ではなかったと思う。そのような「普通の子」が世間を驚かすような行動をすることは、いったいどういうことなのか。やはり考えさせられてしまう。