中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

老衰

2010-07-17 10:37:39 | 身辺雑記
 先日、著名な生態学者でもあり文化人類学者でもあった梅棹忠夫氏が老衰で亡くなった。90歳だった。

 90歳という高齢だから、老衰で亡くなったと聞いてもさほど不思議にも思わないのだが、新聞などで著名人の訃報を見ると、70代、80代でも死因が老衰ということがある。昔なら60代くらいでも老衰死はあったかも知れない。老衰とは、いかにも老いさらぼえて衰えるという感じだが、実態はどのようなものだろうか。


 ある知人と話していたら、身近な例から、老衰で死ぬ前には食べなくなると言った。食べさせようとしても「食べたくない」と言っていたそうだ。体力が衰えて食べる意欲も気力もなくなり、食べないものだからますます体力がなくなるのだろう。蝋燭が燃え尽きる時に、灯心が吸い上げる蝋がしだいにすくなくなり、焔が揺らいでやがてふっと消えるようなものなのか。最も「自然死」に近い状態と言われ、現在でも死因の第7位を占めてかなり多いらしい。

 しかし、これまでは多数の高齢者の死因は老衰と表現されたが、医学的原因としては不適当ということで、老衰を死因と表現することが少なくなっているとも言われる。老齢による代謝や免疫、回復能力の不全などによる死因を従来は老衰としていたが、現在では診断上、肺炎・多臓器不全・脳卒中などの病死扱いとなることが多くなっているようだ。いずれにしても「寿命が尽きる」ということなのだろうが、多臓器不全という病名は40代、50代の人の場合にも時折見かける。。
 
 どこかにあるかも知れない私自身の寿命を示す蝋燭は、後どれくらい残っているのか。今のところ多くは食べなくなったが食欲はまだあるし、まだ大丈夫だろう。この誕生日の前にした血液検査の結果もほとんどの項目が基準数値の範囲内で問題はなかった。3つほど基準数値を僅かに上回っているものがあったが、医師には問題ない、完全ですと言われた。

 大学時代の同級生の1人が死んだという報せがあった。脳に悪性腫瘍ができて、自覚症状が出てから間もなく逝ったそうだ。もう死んだのかと言ったら知らせてくれた友人は、もうと言ってもお互いこんな年だからなあと言った。まだ老衰は大丈夫だと思っていても、こんなことがあるから油断はできないが、そのときは諦めるしかない。

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