山道を登りながらこう考えた。
(本当は「ビールを飲みながら」ですが・・・)
「地道に働けば家が建つ。意地を通せば窮屈だ。金は使えばすぐ無くなる。とかく老後は住みにくい」
(例によって坊っちゃんの本歌取りです)
地道に働いていたのに・・・
何故か家が建たなかった錆鉄人家ですが、退職も間近に迫り
住みにくい老後を何とかしなくてならない状況に追い込まれています。
錆鉄人はあれこれ計画を立てるのが好きなので、
退職後にしたい事は一杯ある訳ですが、「金は使えばすぐ無くなる」のは明白です。
愛妻家の錆鉄人は、「意地を通さず」天女を納得させて実行する為に、
大義名分、理論的な裏付けが必要だと考えました。
その為に、理系の錆鉄人としては、
退職後の人生「設計」をきちんと行い、
シビアな「計算」をして「解」はこれしかないと天女を納得させる事にしました。
という事で、
最初は簡単な「連立方程式」から入ります。
我が家は錆鉄人と天女の2人暮らしなので、
「2人」連立方程式になりますが、
天女は自分の意見は言わず錆鉄人のしたいようにさせてくれるので、
連立方程式を解くまでもありません。
この連立方程式の「解」は「錆鉄人のしたい事(かつ、天女が喜びそうな事)をする」であります。
しかしながら、それでは天女が納得してくれているかどうか分かりません。
次に、我が家の家計を微分・積分してみる事にしました。
が、愛妻家の錆鉄人は、遥か昔、
天女に「家計簿なんと時間の無駄だからしなくていいよ」と言って睡眠時間に振り替えていたので、
何十年もの間、毎月いくらかかっているかを知らずに過ごしています。
さらには通帳に振り込まれている給料の額も残高も錆鉄人はチェックした事がありません。
天女に聞いても分かりませんと答えるに違いありません。
しかし、そこはしまり屋の天女なので、うまくやり繰りしていてくれているようですが、
そういう訳で微分しようにもデーターがありません。
唯一、毎月データーが郵便受けに入って来る電気代に関して言える事は、
10月の電気代は5,000円を切っていましたが
(もっと安い時があったのかもしれませんが、
たまたま天女が取出した時に金額を見たというだけで、
普段はそのままゴミ箱行きなので分かりません)
11月は一気に7000円台となり
(これも、5000円未満という快挙があったので、どうなったかなぁと思って見たからですが・・・)
寒がりの錆鉄人なのでストーブの横でコタツから離れず生活している12月は、
電気代のさらなる増加以外にも、灯油代の増加というダブルパンチ状況です。
しかも、今は週5日会社の暖かい事務所にいますが、
退職後はウィークデイでも1日中家にいる事になるので、
「積分」すれば暖房費が今の数倍になる事は明らかという「解」が出ました。
草と葉っぱが主食の我が家なので食費は極々少ないとはいえ、
重大な問題がある事が明らかになりました。
という事で、次は有限要素法で構造計算をしてみました。
錆鉄人の人生で有限な要素は
「お金」と「生きている(好きな事が出来る)期間」です。
(全然、有限要素法じゃないよって言われても・・・、
そんな複雑な計算をボケボケ錆鉄人が出来る訳がありません)
特にお金は非常に乏しい事は周知の通りですから、
出来るだけお金の掛らない生き方をしなければなりません。
逆に無限な要素は、
「暇な時間
(実際は有限ですが、毎日しなければならない事がほとんどなくなる筈なので、
近似的に無限にあると考えて良いでしょう)」と
「山の木」です。
自慢じゃありませんが、錆鉄人は高校生までは「良い子」でありまして、
小学生の時から父と山に出かけて春休みは木起こし
(雪で倒れた杉の木を縄で引っ張り起こす)を行い、
夏休みは下草刈り
(柄の長さが2mもあって刃渡り40cmほどもある大きな鎌で杉の木以外の雑木や雑草を刈り倒します)
をして育てた杉林が何ヘクタールもあります。
が、大学生になって以降は「良い子」でなくなった錆鉄人は、
その山に足を踏み入れた事さえありません。
百名山には登ったのですが・・・
(父が生きていた間は枝打ちなど人にしてもらっていて、錆鉄人はお金だけ出しました。)
という事で、
この目で見た訳ではありませんが、
直径数十cmの杉の木が、山には「山ほど」ある筈です。
しかし、先日、お墓の上の杉の木を切って貰ったように、
切るだけでも相当な人件費がかかる上に、
その杉の木を製材所に運び出すには気の遠くなるような金額が必要で、
それは杉の木の値段をはるかに超える訳でありまして、
山の木を売っても収入よりも支出が大きく、
つまり1円にもならないという訳です。
(木だけの値段なら数千万円になるのかもしれませんが・・・)
しかしながら、いくら「へなちょこ」錆鉄人とはいえ、
一応、チェーソーは持っているので、
倒す方向など関係ないなら切り倒す事も可能で、
それを短く胴切りにして薪にする事は可能です。
(天女は錆鉄人がチェーンソーで木を伐っていると「わー!カッコイイ!」と言って
ほれぼれと眺めていてくれるんです)
という事で、
連立方程式に微分積分、有限要素法を駆使して導かれた「解」は
「薪ストーブ」なのでありました。
薪ストーブを買う事を天女に納得させる為に、
これだけの言い訳を用意する「用意周到」な錆鉄人でありました。
(って、決して反対はされないのですが、天女を洗脳したほうが何かと都合が良いものですから・・・)
という事で、
取り付けるのは来年の秋の予定でありますが・・・
早速買ってしまいました。
という事で、
薪ストーブを買って玄関に置いただけで心が温まっている錆鉄人でありました。