最高裁判所裁判官の暴走を許さない

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養子縁組無効の訴えは誰でもできるが

2019-03-30 11:23:04 | 日記
平成30(受)1197  養子縁組無効確認請求事件
平成31年3月5日  最高裁判所第三小法廷  判決  破棄自判  高松高等裁判所
 養子縁組の無効の訴えを提起する者は養親の相続財産全部の包括遺贈を受けたことから直ちに当該訴えにつき法律上の利益を有するとはいえない

10回ぐらい読んでようやく関係が分かってきました。判決文には図表を入れることは厳禁なのでしょうか。


事実確認を見ていきます。

(a)被上告人は,平成25年12月に死亡した亡Bの平成22年7月11日付けの自筆証書遺言により,その相続財産全部の包括遺贈を受けた。
(3) 被上告人は,平成28年1月,亡Cから遺留分減殺請求訴訟を提起された。
亡Cが平成29年10月に死亡したため,上告補助参加人は,上記訴訟を承継した。


養子縁組はしたものの、遺産は全て姉夫婦に渡すという遺言を書いていました。通常、遺言が優先されますが、法律上の相続分を請求することができます。

被上告人が,検察官に対し,本件養子縁組の無効確認を求める事案である。

思いっきりこじれましたね。実姉の夫が事件性があると言いだしたようです。

最高裁は
(1)養子縁組の無効の訴えは縁組当事者以外の者もこれを提起することができるが,当該養子縁組が無効であることにより自己の身分関係に関する地位に直接影響を受けることのない者は上記訴えにつき法律上の利益を有しないと解される(最高裁昭和59年(オ)第236号同63年3月1日第三小法廷判決・民集42巻3号157頁参照)。
・・・
養子縁組の無効の訴えを提起する者は,養親の相続財産全部の包括遺贈を受けたことから直ちに当該訴えにつき法律上の利益を有するとはいえないと解するのが相当である。


まずは、養子縁組の無効の訴えは誰でもできると確認しました。

(2)被上告人は,亡Bの相続財産全部の包括遺贈を受けたものの,亡Bとの間に親族関係がなく,亡Cとの間に義兄(2親等の姻族)という身分関係があるにすぎないから,本件養子縁組の無効により自己の身分関係に関する地位に直接影響を受けることはなく,本件養子縁組の無効の訴えにつき法律上の利益を有しないというべきである。

しかし、義理に兄は相続権はそもそも存在しないでしょ?だから当事者じゃないんだから、訴えそのものがおかしいと全員一致で結論付けました。

第三小法廷判決

裁判長裁判官 宮崎裕子 妥当
裁判官 岡部喜代子 妥当
裁判官 山崎敏充 妥当
裁判官 戸倉三郎 妥当
裁判官 林 景一 妥当


妥当な内容だと思います。何で実の姉が訴えなかったのか、そこからしておかしい裁判でした。
下級審が判例の見落としで最高裁まで持ち込まれた事例です。裁判官も人の子とは言え、こういう見落としは裁判費用がかさんだり、ストレスがかかる期間が長くなり、溜まったもんじゃありません。