最高裁判所裁判官の暴走を許さない

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妥当判決:土地評価額調査は調査した時期が重要

2022-03-13 09:31:36 | 日記
令和2(行ヒ)323  固定資産評価決定取消請求事件
令和4年3月3日  最高裁判所第一小法廷  判決  破棄差戻  広島高等裁判所
 固定資産課税台帳に登録されたゴルフ場用地の価格が固定資産評価基準の定める評価方法に従って算定されたものということができないとした原審の判断に違法があるとされた事例

マスコミでは取りあげられていないので、事実確認から見ていきます。
(1 ゴルフ場の用に供されている土地に係る固定資産税の納税義務者である被上告人が,土地課税台帳に登録された本件各土地の平成27年度の価格を不服として訴えた。
2 
1)ア 地方税法349条1項は,土地に対して課する基準年度の固定資産税の課税標準は,当該土地の基準年度に係る賦課期日における価格で土地課税台帳又は土地補充課税台帳に登録されたものとする旨規定し,同法403条1項は,市町村長は,同法388条1項の固定資産評価基準によって固定資産の価格を決定しなければならない旨規定する。平成27年度は上記の基準年度であり,これに係る賦課期日は平成27年1月1日である。
固定資産評価基準)は,ゴルフ場の用に供する一団の土地(以下「ゴルフ場用地」という。)
の評価について,大要,① 当該ゴルフ場を開設するに当たり要した当該ゴルフ場用地の取得価額に当該ゴルフ場用地の造成費を加算した価額を基準とし,当該ゴルフ場の位置,利用状況等を考慮してその価額を求める方法によるものとするとし,② この場合において,取得価額及び造成費は,当該ゴルフ場用地の取得後若しくは造成後において価格事情に変動があるとき,又はその取得価額若しくは造成費が不明のときは,附近の土地の価額又は最近における造成費から評定した価額によるものとすると定めている。


法的根拠があるというだけのようです。

(2)自治省税務局資産評価室長は,平成11年法律第87号による改正前の地方自治法245条4項(現行法の245条の4第1項参照)の技術的な助言として,各道府県総務部長等宛てに「ゴルフ場の用に供する土地の評価の取扱いについて」を発出した。
ア 本件各土地及びその周辺の土地は,古くは塩田跡地であったところ,本件各土地は,その後造成され,遅くとも昭和60年頃からゴルフ場用地となっている一方,その周辺の土地は,工場等の敷地(宅地)となっている。
イ 下松市長は,平成26年,本件各土地の価格について,本件定めによることを前提に,ゴルフ場用地として開発することを目的とする素地として評価するとの条件により,不動産鑑定士による鑑定(以下「本件鑑定」という。)を実施した。


出来た当時は塩田で人がいなかったのに、近所に工場や民家ができるようになった。土地の価値が変わったわけですね。
最高裁は、
4(1)土地の基準年度に係る賦課期日における登録価格が評価基準によって決定される価格を上回る場合には,同期日における当該土地の客観的な交換価値としての適正な時価を上回るか否かにかかわらず,その登録価格の決定は違法となるものというべきである(最高裁平成24年(行ヒ)第79号同25年7月12日第二小法廷判決・民集67巻6号1255頁)。

評価そのものよりも、評価した時期が問題だと言っているようです。

(2)平成27年度の固定資産税の賦課期日である平成27年1月1日において,本件各土地の周辺の土地は工場等の敷地となっていたものである。また,本件定めを含む評価基準は,ゴルフ場用地の評価に際し附近の土地に比準して取得価額を評定する方法として,特定の具体的な方法を挙げているものではないし,造成から長期間が経過するなどの事情により,当該ゴルフ場用地の造成前の状態を前提とした取得価額を正確に把握できない場合も想定される。

そうですよね。

第一小法廷判決
裁判長裁判官 安浪亮介
裁判官 山口 厚
裁判官 深山卓也
裁判官 岡 正晶
裁判官 堺 徹