令和3(行ヒ)62 不動産取得税賦課処分取消請求事件
令和4年3月22日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
いわゆる一括分割により不動産を取得した場合における地方税法73条の7第2号の3括弧書きの「分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分」の有無等は,分割の対象とされた個々の不動産ごとに判断すべきである
ニュースには出てこなかったので、事実確認から見ていきます。
(1)地方税法73条の2第1項は,不動産取得税は,不動産の取得に対し,当該不動産の取得者に課する旨規定し,同法73条の7第2号の3は,共有物の分割による不動産の取得に対しては,同号括弧書きに規定する「当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分」の取得を除き,同税を課することができない旨規定する。
逆に言うと共有部分も按分して税金を払えということになりますね。
(2)第1審判決別紙1物件目録記載の各不動産は,いずれも,Aが持分10分の6,上告人ほか3名が各持分10分の1の割合で共有していたところ,東京地方裁判所は,平成27年8月,本件各不動産に係る共有物分割の訴えについて,これらを一括して分割の対象とした上で,そのうち同目録記載17,20及び23の各土地(以下「本件各土地」という。)ほか1筆の土地を上告人の単独所有とし,その余を他の共有者らの各単独所有とすることなどを内容とする判決を言い渡し,同判決は,その後確定した。
訴えの内容は、
本件各処分の取消しを求める事案である。所論は,本件各取得に対しては地方税法73条の7第2号の3の規定により不動産取得税を課することができないにもかかわらず,本件各処分を適法とした原審の判断には,同号の解釈の誤りがあるというものである。
民事訴訟法338条で再審請求は可能なんですね。
地方税法73条の7第2号の3は,共有物の分割による不動産の取得について,同法73条の2第1項にいう「不動産の取得」に該当し,本来は不動産取得税の課税の対象となることを前提に,その例外として,持分超過部分の取得を除いては非課税とする旨を定めたものと解される。
なおこの事件では、本件各土地の各持分10分の9を取得しています。
地方税法73条の13第1項は,不動産取得税の課税標準を,不動産を取得した時における不動産の価格とする旨規定し,同法73条の21第1項本文は,固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については,当該価格により当該不動産に係る同税の課税標準となるべき価格を決定するものとする旨規定する。
となると法文解釈の誤りではなく、税務署の手続きミスですか?
地方税法73条の15の2第1項は,不動産取得税の課税標準となるべき額が所定の額に満たない場合においては,同税を課することができない旨を規定するところ,同条2項は,複数の土地の取得又は複数の家屋の取得をもって一の土地の取得又は1戸の家屋の取得とみなして同条1項の規定を適用する場合について,特に規定している。
説明が雑でどういう状況なのか分からなくなってきました。複数の筆で複数の住宅を買ったことにしてあり、所定の金額に満たない物を複数買ったということですか?
隣接していない土地をバルク売りにしたのか、マンションのような一体のものを売ったのか、それによってもかなり違いますよ。そこははっきり書きましょうよ。
複数の不動産を一括して分割の対象とする共有物の分割により不動産を取得した場合における持分超過部分の有無及び額については,分割の対象とされた個々の不動産ごとに,分割前の持分の割合に相当する価格と分割後に所有することとなった不動産の価格とを比較して判断すべきものと解するのが相当である。
おそらくマンションの区画売買なんだと思いますが、もっときちんとした議論が必要なんじゃないですかね。
裁判長裁判官 戸倉三郎
裁判官 宇賀克也
裁判官 林 道晴
裁判官 長嶺安政
裁判官 渡 惠理子
結論自体はいいとして、もっと丁寧に他の解釈の余地なく書くべきじゃないですか?
令和4年3月22日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
いわゆる一括分割により不動産を取得した場合における地方税法73条の7第2号の3括弧書きの「分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分」の有無等は,分割の対象とされた個々の不動産ごとに判断すべきである
ニュースには出てこなかったので、事実確認から見ていきます。
(1)地方税法73条の2第1項は,不動産取得税は,不動産の取得に対し,当該不動産の取得者に課する旨規定し,同法73条の7第2号の3は,共有物の分割による不動産の取得に対しては,同号括弧書きに規定する「当該不動産の取得者の分割前の当該共有物に係る持分の割合を超える部分」の取得を除き,同税を課することができない旨規定する。
逆に言うと共有部分も按分して税金を払えということになりますね。
(2)第1審判決別紙1物件目録記載の各不動産は,いずれも,Aが持分10分の6,上告人ほか3名が各持分10分の1の割合で共有していたところ,東京地方裁判所は,平成27年8月,本件各不動産に係る共有物分割の訴えについて,これらを一括して分割の対象とした上で,そのうち同目録記載17,20及び23の各土地(以下「本件各土地」という。)ほか1筆の土地を上告人の単独所有とし,その余を他の共有者らの各単独所有とすることなどを内容とする判決を言い渡し,同判決は,その後確定した。
訴えの内容は、
本件各処分の取消しを求める事案である。所論は,本件各取得に対しては地方税法73条の7第2号の3の規定により不動産取得税を課することができないにもかかわらず,本件各処分を適法とした原審の判断には,同号の解釈の誤りがあるというものである。
民事訴訟法338条で再審請求は可能なんですね。
地方税法73条の7第2号の3は,共有物の分割による不動産の取得について,同法73条の2第1項にいう「不動産の取得」に該当し,本来は不動産取得税の課税の対象となることを前提に,その例外として,持分超過部分の取得を除いては非課税とする旨を定めたものと解される。
なおこの事件では、本件各土地の各持分10分の9を取得しています。
地方税法73条の13第1項は,不動産取得税の課税標準を,不動産を取得した時における不動産の価格とする旨規定し,同法73条の21第1項本文は,固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については,当該価格により当該不動産に係る同税の課税標準となるべき価格を決定するものとする旨規定する。
となると法文解釈の誤りではなく、税務署の手続きミスですか?
地方税法73条の15の2第1項は,不動産取得税の課税標準となるべき額が所定の額に満たない場合においては,同税を課することができない旨を規定するところ,同条2項は,複数の土地の取得又は複数の家屋の取得をもって一の土地の取得又は1戸の家屋の取得とみなして同条1項の規定を適用する場合について,特に規定している。
説明が雑でどういう状況なのか分からなくなってきました。複数の筆で複数の住宅を買ったことにしてあり、所定の金額に満たない物を複数買ったということですか?
隣接していない土地をバルク売りにしたのか、マンションのような一体のものを売ったのか、それによってもかなり違いますよ。そこははっきり書きましょうよ。
複数の不動産を一括して分割の対象とする共有物の分割により不動産を取得した場合における持分超過部分の有無及び額については,分割の対象とされた個々の不動産ごとに,分割前の持分の割合に相当する価格と分割後に所有することとなった不動産の価格とを比較して判断すべきものと解するのが相当である。
おそらくマンションの区画売買なんだと思いますが、もっときちんとした議論が必要なんじゃないですかね。
裁判長裁判官 戸倉三郎
裁判官 宇賀克也
裁判官 林 道晴
裁判官 長嶺安政
裁判官 渡 惠理子
結論自体はいいとして、もっと丁寧に他の解釈の余地なく書くべきじゃないですか?