令和3(許)17 間接強制決定に対する執行抗告審の取消決定に対する許可抗告事件
令和4年11月30日 最高裁判所第三小法廷 決定 破棄自判 大阪高等裁判所
子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の方法による子の引渡しの強制執行の申立てが権利の濫用に当たるとした原審の判断に違法があるとされた事例
報道がないので、事実認定を見ていきます。
(1)抗告人と相手方は、平成24年に婚姻し長男と二男がいる。いずれも未成年。
(2)令和2年8月、本件子らを連れて転居し、抗告人と別居した。
(3)令和2年12月、抗告人の申立てに基づき、本件子らの監護者を抗告人と指定し、相手方に対して本件子らを抗告人に引き渡すよう命ずる審判(以下「本件審判」という。)をした。本件審判は、令和3年3月29日に確定した。
重要な論点が抜けています。夫が連れ去ったのか妻が連れ去ったのかが明記されていません。これは何故かというと、母性優先の原則なる意味不明な判例があり、妻が連れ去った場合は98%の勝利、夫が連れ去った場合は10%の勝利と見事なまでの男女差別が判例で確定されています。まずこの点で、最高裁は手を抜いています。
(4)抗告人は、令和3年4月5日、本件子らの引渡しを受けるため、相手方宅に赴き、二男についてはその引渡しを受けた。他方、長男については、抗告人及び相手方からの約2時間にわたる説得に応ずることなく、抗告人の下に行くと相手方と会えなくなると述べたり、長男を抱えようとした抗告人を強く押しのけたりするなどして、抗告人に引き渡されることを強く拒絶したため、抗告人は、その引渡しを受けることができなかった。
よくある話ですが、片親疎外症候群が発生している可能性があります。連れ去り側が、子どもに繰り返し一方の配偶者がいかに悪かったかを延々と言うことで洗脳するとこういう状態になります。
(5)長男と二男を面会させる機会を設けることを提案した。抗告人は、これに応ずることとし、相手方との間で、令和3年5月30日に長男と二男を面会させることを合意した。
引き渡し命令が出ている状態で、こういう落としどころになったというのは、かなり両親とも冷静に判断したと思われます。
抗告人の姿を見て強く反発し、抗告人のことは全部嫌だなどと述べ、抗告人に抱かれることを拒否し、泣きながら相手方に対して相手方宅に帰ることを強く求めるなどした。
これは相当強く洗脳したはずです。
(6)原々審は、同年7月13日、相手方に対し、長男を抗告人に引き渡すよう命ずるとともに、これを履行しないときは1日につき2万円の割合による金員を抗告人に支払うよう命ずる決定(原々決定)をした。
相手方は、同月26日、原々決定に対し執行抗告をした。相手方は、抗告の理由として、長男が抗告人に引き渡されることを明確に拒絶する意思を表示していること等からすれば、本件申立ては、間接強制決定をするための要件を満たさず、又は権利の濫用に当たる旨主張した。
長男は6歳です。とは言え親の洗脳を思いっきり受ける年齢でもあります。
当該子が債権者に引き渡されることを拒絶する意思を表明していることは、直ちに当該審判を債務名義とする間接強制決定をすることを妨げる理由となるものではないと解される(最高裁平成30年(許)第13号同31年4月26日第三小法廷決定・裁判集民事261号247頁参照)。・・・長男が抗告人に引き渡されることを拒絶する意思を表明したことは、直ちに本件申立てに基づいて間接強制決定をすることを妨げる理由となるものではなく、本件において、ほかにこれを妨げる理由となる事情は見当たらない。原審は、上記意思が現在における長男の真意であると認められ、長男の心身に有害な影響を及ぼすことのないように配慮しつつ長男の引渡しを実現するため合理的に必要と考えられる相手方の行為を具体的に想定することが困難であるとして、本件申立てが権利の濫用に当たるというが、本件審判の確定から約2か月の間に2回にわたり長男が抗告人に引き渡されることを拒絶する言動をしたにとどまる本件の事実関係の下においては、そのようにいうことはできない。
親が合わせないことについては間接強制はできるが、子どもがいただと言っているのだからそれは間接強制の要件に当たらないと言っています。
いいでしょう。しかし問題が残ります。子どもが本当に自分の意思で言ってますか?言わされてませんか?片親疎外症候群のように考えると、洗脳されていることは調査の対象外にならないのでしょうか?家裁の調査官はそのくらいのことは調べているはずです。
本件申立てが権利の濫用に当たるとした原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法がある。
おいおい、その結論に至る前にやるべき話があるはずです。家裁の調査結果をもっと見るべきなんじゃないですか?
裁判官全員一致でした。親の洗脳の可能性を除いたとしたら、この判断は正しいと思います。
補足意見がいくつか出ているので見ていきます。
裁判官宇賀克也の補足意見
1 記録によれば、本件において、相手方が長男の抗告人への引渡しに協力する姿勢が見られ、相手方が長男に対して抗告人への引渡しを拒否するよう殊更に働きかけている様子もうかがわれない。他方で、長男の言動に照らすと、長男は抗告人に引き渡されることを明確に拒絶する意思を表示していることは、原決定の認定するとおりである。
この点は重要ですよ。何でこの点がもっと議論されないのか。
2 間接強制手続においては子の意見聴取や家庭裁判所調査官の調査は予定されていないことに照らすと、間接強制の申立てが権利の濫用となるためには、債務者として引渡しのためにできる限りの努力を行うことは必要であると考えられる。
あのさ、民事裁判で実際には逃げ切ったもん勝ちじゃないですか。強制執行にしても、執行官のギャラを何で債権者が払わなきゃならんのか、法律を知ってます?
3 努力を行っても、長男の抗告人に対する強い忌避感情を和らげることが期待できないと判断したときは、相手方は、長男の監護者の変更の申立てを行うことや間接強制決定自体を債務名義とする執行力の排除を求めて請求異議の訴えを提起することができる。したがって、本件で直ちに間接強制決定が権利の濫用に当たるということには躊躇せざるを得ず、今後、上記のような努力がされることが望まれるところである。
ただの感想なら言うのはやめてください。言うなら法整備の問題を指摘しなさい。
裁判長裁判官 長嶺安政
裁判官 宇賀克也 わけ分からん
裁判官 林 道晴
裁判官 渡惠理子
裁判官 今崎幸彦
令和4年11月30日 最高裁判所第三小法廷 決定 破棄自判 大阪高等裁判所
子の引渡しを命ずる審判を債務名義とする間接強制の方法による子の引渡しの強制執行の申立てが権利の濫用に当たるとした原審の判断に違法があるとされた事例
報道がないので、事実認定を見ていきます。
(1)抗告人と相手方は、平成24年に婚姻し長男と二男がいる。いずれも未成年。
(2)令和2年8月、本件子らを連れて転居し、抗告人と別居した。
(3)令和2年12月、抗告人の申立てに基づき、本件子らの監護者を抗告人と指定し、相手方に対して本件子らを抗告人に引き渡すよう命ずる審判(以下「本件審判」という。)をした。本件審判は、令和3年3月29日に確定した。
重要な論点が抜けています。夫が連れ去ったのか妻が連れ去ったのかが明記されていません。これは何故かというと、母性優先の原則なる意味不明な判例があり、妻が連れ去った場合は98%の勝利、夫が連れ去った場合は10%の勝利と見事なまでの男女差別が判例で確定されています。まずこの点で、最高裁は手を抜いています。
(4)抗告人は、令和3年4月5日、本件子らの引渡しを受けるため、相手方宅に赴き、二男についてはその引渡しを受けた。他方、長男については、抗告人及び相手方からの約2時間にわたる説得に応ずることなく、抗告人の下に行くと相手方と会えなくなると述べたり、長男を抱えようとした抗告人を強く押しのけたりするなどして、抗告人に引き渡されることを強く拒絶したため、抗告人は、その引渡しを受けることができなかった。
よくある話ですが、片親疎外症候群が発生している可能性があります。連れ去り側が、子どもに繰り返し一方の配偶者がいかに悪かったかを延々と言うことで洗脳するとこういう状態になります。
(5)長男と二男を面会させる機会を設けることを提案した。抗告人は、これに応ずることとし、相手方との間で、令和3年5月30日に長男と二男を面会させることを合意した。
引き渡し命令が出ている状態で、こういう落としどころになったというのは、かなり両親とも冷静に判断したと思われます。
抗告人の姿を見て強く反発し、抗告人のことは全部嫌だなどと述べ、抗告人に抱かれることを拒否し、泣きながら相手方に対して相手方宅に帰ることを強く求めるなどした。
これは相当強く洗脳したはずです。
(6)原々審は、同年7月13日、相手方に対し、長男を抗告人に引き渡すよう命ずるとともに、これを履行しないときは1日につき2万円の割合による金員を抗告人に支払うよう命ずる決定(原々決定)をした。
相手方は、同月26日、原々決定に対し執行抗告をした。相手方は、抗告の理由として、長男が抗告人に引き渡されることを明確に拒絶する意思を表示していること等からすれば、本件申立ては、間接強制決定をするための要件を満たさず、又は権利の濫用に当たる旨主張した。
長男は6歳です。とは言え親の洗脳を思いっきり受ける年齢でもあります。
当該子が債権者に引き渡されることを拒絶する意思を表明していることは、直ちに当該審判を債務名義とする間接強制決定をすることを妨げる理由となるものではないと解される(最高裁平成30年(許)第13号同31年4月26日第三小法廷決定・裁判集民事261号247頁参照)。・・・長男が抗告人に引き渡されることを拒絶する意思を表明したことは、直ちに本件申立てに基づいて間接強制決定をすることを妨げる理由となるものではなく、本件において、ほかにこれを妨げる理由となる事情は見当たらない。原審は、上記意思が現在における長男の真意であると認められ、長男の心身に有害な影響を及ぼすことのないように配慮しつつ長男の引渡しを実現するため合理的に必要と考えられる相手方の行為を具体的に想定することが困難であるとして、本件申立てが権利の濫用に当たるというが、本件審判の確定から約2か月の間に2回にわたり長男が抗告人に引き渡されることを拒絶する言動をしたにとどまる本件の事実関係の下においては、そのようにいうことはできない。
親が合わせないことについては間接強制はできるが、子どもがいただと言っているのだからそれは間接強制の要件に当たらないと言っています。
いいでしょう。しかし問題が残ります。子どもが本当に自分の意思で言ってますか?言わされてませんか?片親疎外症候群のように考えると、洗脳されていることは調査の対象外にならないのでしょうか?家裁の調査官はそのくらいのことは調べているはずです。
本件申立てが権利の濫用に当たるとした原審の判断には、法令の解釈適用を誤った違法がある。
おいおい、その結論に至る前にやるべき話があるはずです。家裁の調査結果をもっと見るべきなんじゃないですか?
裁判官全員一致でした。親の洗脳の可能性を除いたとしたら、この判断は正しいと思います。
補足意見がいくつか出ているので見ていきます。
裁判官宇賀克也の補足意見
1 記録によれば、本件において、相手方が長男の抗告人への引渡しに協力する姿勢が見られ、相手方が長男に対して抗告人への引渡しを拒否するよう殊更に働きかけている様子もうかがわれない。他方で、長男の言動に照らすと、長男は抗告人に引き渡されることを明確に拒絶する意思を表示していることは、原決定の認定するとおりである。
この点は重要ですよ。何でこの点がもっと議論されないのか。
2 間接強制手続においては子の意見聴取や家庭裁判所調査官の調査は予定されていないことに照らすと、間接強制の申立てが権利の濫用となるためには、債務者として引渡しのためにできる限りの努力を行うことは必要であると考えられる。
あのさ、民事裁判で実際には逃げ切ったもん勝ちじゃないですか。強制執行にしても、執行官のギャラを何で債権者が払わなきゃならんのか、法律を知ってます?
3 努力を行っても、長男の抗告人に対する強い忌避感情を和らげることが期待できないと判断したときは、相手方は、長男の監護者の変更の申立てを行うことや間接強制決定自体を債務名義とする執行力の排除を求めて請求異議の訴えを提起することができる。したがって、本件で直ちに間接強制決定が権利の濫用に当たるということには躊躇せざるを得ず、今後、上記のような努力がされることが望まれるところである。
ただの感想なら言うのはやめてください。言うなら法整備の問題を指摘しなさい。
裁判長裁判官 長嶺安政
裁判官 宇賀克也 わけ分からん
裁判官 林 道晴
裁判官 渡惠理子
裁判官 今崎幸彦