〈登山口へ向かう林道から望む夜明け前の愛子岳〉
今日の愛子岳(1235m)は、鋭く尖った三角錘状のピークを持つ非常に目立つ山である。山頂からの眺めの美しさは、島内随一と言われている。
敬宮愛子さまと同じ名前で、愛子さまの誕生以来人気が高まり、一時多くの登山者が訪れたらしい。
気になる山名の由来は、男川と女川にかかわる悲恋伝説のヒロインの名に因んでいるとのこと。帰りのバス停から一緒にバスに乗った方が「愛子岳という名前は、うちの先祖が付けたと言われている。昔は別の名前があったらしい」と話していた。
台風の影響で午後から崩れるとのことで、まだ暗いうちに、宿の近くのバス停を4:51に出るバスに乗った。登山者のためのバスだか、この時間に走っているのが凄い。
昨日のようなガスで山が見えなかったら止めようと思っていたが、バスから尖った山頂部も見えていた。天気もまあまあのようだ。
小瀬田で下車し、標高50mから3km先の登山口を目指して林道を歩く。35分で登山口到着。まだ暗い登山口には、先行者の車と準備をしている人の車。
登山口からはずっと頂上までアップダウンのない尾根道だ。
下の方は明るい尾根で、800mまでは急な登りが続く。足下の岩や石は滑る堆積岩である。
サクラツヅジが満開で、すでに散り始めている。リンゴツバキの真っ赤な花もあちこちに落ちている。
800mから1050mまで緩やかになり、歩きやすいが、植生が密になってくる。屋久杉は見当たらないが、切り株らしいものはいくつか見られる。
1050m付近には密度の濃い植生が見られる。
ここからが尖った山頂部への核心部である。足下の岩や石は他の山と同じ花崗岩に変わっている。
ロープや木の根を頼りの急登を登っていくと、岩場の基部に出る。この辺りからガスに覆われ始める。
岩の割れ目の左にロープが見える。ここが一番きつかった。
右上に花崗岩の岩壁が続く。先行者が下りてきたが、ガスで何も見えないと言う。
岩盤の上を登っていく。
幸いに、その上に続く頂上は怖い岩の上でなく、灌木の生えた広く平らなところだった。
頂上の手前に石造りの祠
自撮りで山頂標識と一緒に。
残念なことに、種子島や島内の主稜も全部見えるはずだが、ガスで何も見えず。
時折ガスの切れ目から宮之浦岳を中心とした稜線が覗くが、一瞬だけでカメラに収めるのが難しい。
朝食替わりに作ってもらったおにぎり弁当を食べながら粘ったが無理だった。
下り始めたら岩場の上から一瞬だけ、海岸までの展望が広がった。
下山して行くと、上空は晴れて来た。あとから登ってきた6名が羨ましかった。しかし、下山して見上げたら、山頂部だけがガスで覆われたままだった。
昨日も展望には恵まれなかったが、雨に降られなかっただけても良しとしよう。
所要時間、登り3時間10分(林道歩き35分)、下り2時間30分(含林道歩き30分)
コンビニで缶ビールを買ってバス停へ。3分後に来たバスに乗り、昼には民宿に戻った。
◎半日繰り上げての離島
これで計画してきた3山と島内巡り観光も、天気には恵まれたとは言えないが、すべて終えることができた。
心配なのは、台風6号だ。明日の10時頃には屋久島に一番近づくらしい。
予定では、明日の9:55発の飛行機で鹿児島と羽田で乗り換えて、函館まで帰るはずだった。
明日、もし欠航になれば、それができなくなる。空港に問い合わせたら、本来は格安のツアープランなので変更はできないが、台風の影響なので特別に変更を認めてくれると言う。
ツアープランの羽田までの部分を、伊丹で乗り換えの15:10便に変えくれた。
民宿の代金の戻らない1泊分のキャンセルは痛いが、風呂にも入って14時まで過ごさせてもらった。
18時過ぎには羽田空港に到着。空港に近い蒲田のカプセルホテル(3200円)に泊まり、明日は、予定の便で函館へ。