二兎社・永井愛さんの新作を観る。新国立劇場芸術監督選任問題を背景にしている。当事者である鵜山仁さんも観に来ている。永井愛さん自身を投影した主人公・竹下景子さんは素敵なのだが、ほんとうに永井さんともダブって見えてきて、不思議な、複雑な気持ちになる。シビアな現実を反映しているだけに辛口で痛々しい気持ちになる部分も多々ある。作者の思いが密度濃く凝縮した、厳しい悪夢を含んだラスト15分は、圧巻。
たまたまあいているのを見つけ、稽古場に向いているなと思った物件がある。同じ梅ヶ丘でだ。検討しただけで、移転する気はさらさらなく、貸し稽古場業をするという気持ちもなく借りなかったのだが、今その場所は某有名格闘家の道場になっている。表の半地下にちょっとしたテラスもあって、いい場所だ。たまに前を通ると、練習をしているのが見える。アトリエになっていたら今頃どうなっていたのだろうと、ちらりと思う。