石原慎太郎東京都知事が都で尖閣諸島を購入する案を打ち出す。見当違いも甚だしい。そもそも尖閣諸島を自国の国土だと確信しているなら、どーんと構えていればいいだけではないか。こんなこれみよがしの目立ちたいだけの方策に都税を無駄に使わせてならない。これから都議会はしっかり追及してくれないと困る。……関電大飯原発再稼働を判断する関係閣僚会合の、事務方が退席した後の野田首相ら政治家のみによる協議について「自由討議であり、記録を残すような話し合いではない」と述べ、議事録を作成していないという。原発再稼働を「政治判断する」と明言したその意思決定の場で、核心の議論を記録に残さないというのか。こんな重要な話をブラックボックスの中でしてしまっていいはずがない。国民の意思を反映しないどころか、やりたい放題を容認しろと言わんばかりではないか。……五月末から上演される朗読劇『冬眠まんざい』スタッフ打合せ。美術の大野泰さん、舞台監督の小川静夫さんら先輩諸氏とご一緒できるのは嬉しい。……五月にフランスで初演される私の最新戯曲は、マルヌ県の数年来続いている水に関するフェスティバルの一環で、アウアル氏発案のLes petites com馘ies de l'eau「小さな水のコメディー」の企画。長年続いていて、今までは普通に「小さな水のコメディー」だったのが、今年は「無秩序な小さな水のコメディー」となっている。私とハイチの劇作家の作品が上演される。無秩序な水の害に晒された二つの国から、ということだろう。フランスで活躍している浅井宏美さんが翻訳・出演。水をテーマにしたフェスティバルを川べりで毎年やっているというのは素敵なことだ。考えてみるとこういうまさに今現在の私たちにとって切実であるはずのテーマのイベントを、なぜ日本が、都が、公共劇場や団体たちが、やろうとしないのだろう。
http://festival-oh.cg94.fr/node/1033
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