こんにゃく座オペラ『イワンのばか』。
トルストイの生まれ故郷、ヤースナヤ・パリャーナ。
トルストイはここで農民学校を始め、「アーズブカ」という教材を作った。
本を読むのが好きだという青年に、農業をやめないように言い、本を読むなら農業こそ適していると忠告したという。
自分で暇を見つけ、思いきり好きなように本を読むには、農業ぐらいぴったりな仕事はないと言ったのだ。
大学で教える教養などというものは、ほとんど頭をなまくらにし、人を堕落させうぬぼれ者にする罠だというのだ。
トルストイは自分で体験したからそう言えるわけだが、若者はまずそれを体験してから自分で判断したいと考えるだろう。
それはトルストイだってわからないわけではないはずだが。
そうしたちょっとしたとんちんかんさが、実はトルストイ自身とその文体の魅力であるように思っている。
この青年の場面は初期に書いたのだが、最終的に台本には入れていない。
こんにゃく座オペラ『イワンのばか』、稽古はちゃくちゃくと新しい章に進んでいます。
写真はヤースナヤ・パリャーナ。昨年六月に訪問した。
http://www.konnyakuza.com/syusai.html