遠阪峠のお地蔵さん

2018年03月09日 | 但馬の伝説・昔話
    日高町池上 夕日に映える蓼川用水路 


(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成29年 第12回但馬検定(2級)問題より

【79】朝来市山東町の遠阪峠にあるお地蔵さんをはじめ、但馬地蔵巡礼66ヵ所
のお地蔵さんは、何と呼ばれているでしょうか。

(a)地がため地蔵     (b)地ならし地    (c)地ひらき地蔵     (d)地おさめ地蔵



 昔々、大昔のことです。但馬は一面の泥海で、人々はとても難儀をしていまし

た。粟鹿明神はじめ但馬五社の神々が集まり、力を合わせて瀬戸の岩を切り開い

て、泥水を日本海に流しました。但馬の地は人の住めるようになりました。

ところが、乾ききらない土地も残ります。神々は見国岳と呼ばれた粟鹿山の頂上

に集まり、乾ききらない但馬の土地を眺めます。但馬全域に大きな梵の字を書き、

66ヶ所の要地に「地がため地蔵」をお祀りしました。その一番手前が遠坂峠の

柴にあるお地蔵さんです。66ヵ所のお地蔵さんは、但馬地蔵巡礼66ヵ所と呼

ばれています。答えは(a)の地がため地蔵です。


『スクモのくすべ』

 この頃、あまり見なくなったものに「スクモのくすべ」があるね。ケンちゃん

は「スクモ」って言っても分からんだろうね。「スクモ」は、お米のもみ殻のこ

となんよ。但馬弁でもみ殻のことを「スクモ」って言うの。

「くすべ」って言葉もあまり使わんから分からんだろうね。「くすべ」って、ゴ

ミや小枝や「スクモ」を燃やすことなんよ。火を着けてブスブス煙を出して燃や

すことを「くすべる」って言うの。「くすべ」って言葉は、但馬弁かどうかわ分

からんけれどよく使ったね。

「スクモのくすべ」は、田んぼでもみ殻を山のように積み上げて、真ん中にパイ

プで煙突を立て火を点け「くすべる」の。昔は、秋が終わって籾摺り(稲をもみ

殻と玄米に分ける)して出たもみ殻を、あっちでもこっちでも田んぼの隅っこで

「スクモのくすべ」をやってたね。

「くすべ」だからボ~っとスクモは燃えたりしないの。黒く炭のようになって残

るんよ。炭になったスクモは、田んぼや畑の肥料のようなものとして使うんよ。

昔はよく見かけた「スクモのくすべ」も、今はあまり見なくなったね。