生活

とりとめもなく

星と影

2010年06月29日 20時16分26秒 | Weblog
毎日毎日蒸し暑い。
でも食欲は衰えないんだよな~
冷麺なんかを作ってみたよ。
 こんな感じで合ってる??
じーちゃんちの屋上でとれたきうりとみっちゃんちの屋上でとれたシソ。年をとると屋上で野菜を育てるようになる。
ところで、
 島田荘司「最後の一球」
これ面白いですよ。
御手洗くんも石岡くんも出てくるのだが、もはや主人公は彼らではない。16個の小さい章に分けられているのだが御手洗くんが出てくるのは最初のうちだけで、第5章から最後までずっとひとりの元野球選手の独白で終わる。
少年のころから野球ひと筋で、家も貧しいことから将来は必ず野球選手になって母親に楽をさせてあげたいという気持ちで努力してきたひとりの男がいる、しかしギリギリのところでなんとかプロに入ることができたが、血のにじむような努力をしてもどうしても一軍選手にはなれない。そして公式試合では2度投げただけで、プロの世界を去っていく。かたや、高校、大学、ノンプロをつねに注目されながら経て同じチームに一位指名で入団したスター選手がいた。
この対照的なふたりがね、話の肝なんですが、この作品の場合は事件がどうとか謎ときがどうとかそういうのはもうどうでもよくなってきちゃうのよね。試合やかけひきの描写だとか、選手の関係性だとか面白いし、いま実際の世の中を騒がせている野球賭博なんかもからんでかなりドキドキさせられ時間も忘れて読んでしまった。一度でも野球に入れこんで観たことのあるひと、ひいきの選手がいてそのひと振りに一喜一憂したことのあるひとなんかはぜひ読んでいただきたいです。かなりグッとくるんじゃなかろうか。
そうだよなープロの舞台で、あの煌びやかなカクテル光線と大歓声を浴びて注目されながらプレーするスター選手なんてもうほんの一握りどころの話ではないよね、もう小指の爪の先っちょくらいのもんだ。その何倍もの、星の数ほどの選手たちがスターになれずに人知れずプロの世界を去ってゆくんだものねー。
最後の最後でなんとなく昔の短編集(「御手洗潔の挨拶」だと思う)に入ってた「数字錠」を思い出しちゃった。
コメント (2)
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