しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「マグダレンの祈り」 2002英・アイルランド

2007年03月27日 | 映画
1964年、アイルランド、ダブリン。
マーガレットは従兄弟に暴行され、そのことを伝えると、大人達はなにやら相談をはじめる。
ローズは未婚で子どもを産む。母親は赤ん坊の顔を見ようともしない。そして、赤ん坊を直ぐに養子に出すことで、ローズから取り上げてしまう。
孤児院にいるバーナデットは、美貌が男の子を惹きつける。それを職員はよくは思わない。
3人は同じ時に、マグダレン修道院に、収容される。
マグダラのマリアに因んで名付けられたマグダレン修道院は、性的に“堕落した”女性たちを矯正させる目的の施設。
過酷な労働、修道女からの心身虐待、外部との接触も一切許されない自由のない所だった。
この環境を諦め受け入れてしまうマーガレット。ローズは子どものことが忘れない。
そして、バーナデッドはなんとかここから脱走しようと考える。


3人の少女と、未婚で出産して収容されていたクリスピーナがメインで進んでいくが、わりと淡々と事実だけを映して進んでいく感じだが、その物語に引き込まれる。
「1996年に閉鎖されるまでに延べ3万人もの少女が経験したとされる過酷な実態を綴った衝撃の真実の物語」。ということ。
こんなことが実際にあったのだ。それもつい最近まで。
アイルランドは前にみた映画「天使の約束」でもあるように、宗教と政治が密着していて理想論を社会生活に組み込んでいるが、そこには個人に対する愛情は感じられない。
子どもは両親がそろった家庭で育てられることが望ましいと、それはそうだと思うのだが、だから一律に決められることではないだろう。すごく理不尽だと思うが、その国に住んでいたら、その社会しか知らなかったら、そのように考えてしまうのもわかる。
映画などを通してでも、色々な社会や考え方があることを知るのは大切だと思う。
自らが、どんな社会にしたいか選べる世の中になるのが一番いいのだろう。


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