「ウォッチメイカーの罠」 ジェフェリー・ディーヴァー 文藝春秋
The Watchmaker’s Hand 池田真紀子・訳
高層ビル建設現場で大型クレーンが倒壊し、作業員が死亡、周囲に多大な損害をもたらした。
犯行声明を出したのは富裕層のための都市計画に反対する過激派組織。
開発を中止せねば同じ事故がまた起こるというのだ。
タイムリミットは24時間。
科学捜査の天才リンカーン・ライムに捜査協力が要請された。
微細証拠の分析と推論の結果、ライムはおそるべき結論に達する。
犯人は――ウォッチメイカーだ。
さまざまな勢力に雇われて完全犯罪を立案する天才チャールズ・ヘイル。
さまざまな勢力に雇われて完全犯罪を立案する天才チャールズ・ヘイル。
またの名を「ウォッチメイカー」。
これまでも精妙緻密な犯罪計画でライムを苦しめてきた好敵手。
その犯罪の天才がニューヨークに潜伏し、クレーン倒壊に始まる複雑怪奇なプランを始動させたのだ!
ウォッチメイカーの真の目的はいったい何なのか?
二重底三重底の犯罪計画を立案する天才ウォッチメイカーvsその裏の裏を読むリンカーン・ライム。
21世紀を代表する名探偵と犯罪王、最後の頭脳戦が始まる!
<単行本カバー見返し側より>
いつのもディーヴァー風で、見た通りには進行しないという流れなのだが。
何となく今回は、色々複雑にあり過ぎて、流れに付いて行けない感じだった。
そうなると、驚きも今一つ。
ライムの死と言う、重要だと思える場面をあっさり書き過ぎている感じもする。
罠や見破りも、結構あっさりと簡単に終わってしまう。
最後にたくさん詰まり過ぎなのかも知れない。
ウォッチメイカーの雇い主も最後にポッと出て来た気もしないでもないし。
物語としての面白さが、いまひとつ盛り上がらなかった。
ウォッチメイカーのラストのシーンも、あまり劇的ではなくていまひとつ。
もう少し華やかな退場とかなかったのかな。
ライムシリーズとしては、なんとなくすっきりしない。
ウォッチメイカーとの戦いは最後だが、「ウーマンX」が新たに登場。
これは、〈ユレック〉の様にまだまだ付きまとうのだろうか。
ただ、最初のクレーンの場面は緊迫感があり、凄かった。
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