ジュゴン掲示板

ジュゴン保護キャンペーンセンター(SDCC)は日本では沖縄にのみ生息しているジュゴンを守るために活動をしています。

環境省調査でジュゴン(?)の食み跡が発見~辺野古大浦湾の海草を守れ!

2020年04月02日 | ジュゴンブログ
環境省が3月31日にジュゴンが食べた海草の跡を伊良部島と波照間島の沿岸で確認したとの調査結果を発表しました。

(伊良部島沿岸で見つかった食み跡・環境省提供)
詳細は「令和元年度ジュゴンと地域社会との共生推進委託業務~令和元年度ジュゴン生息緊急調査業務 結果概要」
をご覧ください。17ページあります。
(参照)
「ジュゴン、波照間と伊良部島周辺で「食み跡」か 最近付いたものも 環境省調査」(琉球新報4月1日)

環境省が積極的に動き始めたのは、
9月24日~26日、国際自然保護連合(IUCN)が来日して、
環境省、沖縄県、NGOとのミーティングで「日本産ジュゴンが絶滅の一歩手前にある」と厳しく追及し、
「日本産ジュゴン個体群の調査計画」を要求したからです。
この背景は
ブログ「沖縄ジュゴンの餌場を守れ(IUCNレッドリスト)」をご覧ください。


    (環境省交渉)
私たちはIUCN種の保存委員会海牛類専門家グループの要求をふまえて、
11月29日に防衛省、環境省、外務省との交渉を持ちました。
防衛省とは、ジュゴンA、Cの行方不明の調査を沖縄本島、古宇利島に広げることを確認しました。
環境省は「今年度予算で渡名喜、波照間、西表島でのジュゴン食み跡調査をする。」
「来年1月~3月に西表島の住民とジュゴンについての勉強会をするなど情報収集に努める」と回答しました。
詳しくはブログ「11月29日政府交渉の報告~IUCN海牛目専門家Gの来日が与えた影響」
をご覧ください。

環境省はドローンの空撮による画像分析をふまえ潜水調査で、
伊良部島では食み跡密集地域8か所、リュウキュウスガモを中心に藻場面積462ヘクタール。
ジュゴンらしき動物の目撃は昨年8月、12月、2月26日、3月13日の4回。
波照間島では、密集地域が3か所。
ジュゴンらしき動物の目撃情報は昨年12月~今年1月に1頭発見されています。
環境省はこの「ジュゴン生息緊急調査業務結果概要」で、
「今後も継続したジュゴンの生息状況に関する調査及び情報収集が必要と考えられる」(p16)としています。
その姿勢は当然ですが、
今緊急に必要なことは、
IUCN種の保存委員会がIUCNレッドリストで、
「(米軍基地建設による)海草藻場の喪失と損傷は沖縄ジュゴンの回復にとって深刻な障害になる」と警告しているように、
辺野古大浦湾の海草藻場を守ることです。
沖縄で最大の海草藻場、ジュゴンの餌場がなくなれば絶滅一歩手前の日本産ジュゴンの絶滅に手を貸すことになるのです。

防衛省は、昨年11月交渉での約束をふまえて、沖縄本島周辺での行方不明ジュゴンA、Cの調査を丁寧に行うことです。
IUCNはじめジュゴン保護を求める世界の人々は厳しい目できていることを忘れてはなりません。

 ジュゴン保護者より