散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

”Glamis Castle”

2007-05-18 08:41:16 | 植物、平行植物
 
Glamis Castle
イングリシュローズ 1992年 David Austin


Glamis Castleはエリザベス女王の母英国王室皇太后(Queen Mother)が幼年期を過ごし、マクベスに登場する城のモデルになったと言う話である。
また、良くある話だが幽霊話の多い城らしい。
例えば、白い服を着た女性が時計台の窓に現われて、見ていると後ろから誰かに引っ張りこまれるかのように引っ込んでしまうという。幽閉された白いドレスの婦人の話はどこの城にもあるようだ。
又、ある時客人として厄介になっていたBeardie伯爵はサバトだというのにサイコロ遊びをしようとした。誰からも相手にされなかった彼は思わず頭に血が上り悪魔とだってサイコロをするぞと大声で叫んだのだ、もちろん悪魔はやって来て伯爵は命をかけてサイコロを振り、城の者達は彼がののしったり叫んだりするのを聞いたという。今でも彼のサイコロを振っている物音がするのだそうだ。このくらいの話ならあまり他人に迷惑をかけないので可愛い。
Bowes-Lyon家にある時、異形の者が生まれ、生涯開かずの間に閉じ込められていたという話もある。Glamisのモンスターという有名な伝説だそうだ。後にこの開かずの間のありかを突き止めようと城の窓と言う窓という窓に白い布で印をした者があった。作業が終わり、さて外に出て見ると全ての窓から白い布は消えていた。 『Glamisのモンスター』がそっとしておいてくれと意思表示をしたものかも知れない。
他に、この城にあるチャペルに現れる"Grey Lady" のための席は必ず空けておかねばならないとか、召使はたびたび灰色ひげの男に追い掛け回されると言う話もある。

兎に角この愛らしく品の好い薔薇はそういう城の名を貰っている。
この花の放つ香はMyrte=Myrtus communis(ギンバイカ)の香に似て、遠くにある記憶を引き出そうとするような、淡いのに強い力を持っている。
そういえば沈丁花の香にも少し似ているなあ。

ここしばらく又雨が多い。
この花の蕾は雨に弱く、すぐに傷んで駄目になってしまうので、慌てて鉢を軒下に入れた。こういうところは鉢植えの利点である。