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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

昨日(4月15日)のプリキュアの話です。

2018-04-16 13:43:02 | プリキュア話

昨日は姫路の兵庫県立大学環境人間キャンパスで、いじめの重大事態の事後対応をテーマにした講演をして、夜は懇親会でした。その懇親会のときにもずいぶん、兵庫県立大学の学生さんたちにプリキュアの話をさせていただいたのですが…。でも、昨日は忙しくて、朝、プリキュアは一応見たんですけど、このブログにいつものとおりその感想等々を書くことができませんでした。そんなわけで、先ほど昨日朝のプリキュア、録画でもう一度見直して、コメントをさせていただきます。

いや~結論から先に言えば、今回はゴールデンウィークに不思議な赤ちゃん・はぐたんの人形と、プリキュアたちの新アイテム・メロディソードを売り込むための回になるわけですが。

でも、今回は2月から始まった新シリーズ「HUGっとプリキュア」がどんな物語なのか、ようやくその全体像がおぼろげながら見えてくるような、そんな回でもありました。

そこで、またいつものとおり、今回の放送分の内容を詳しく見ていきましょう。

○オープニング

冒頭は先週、プリキュアたちを守るためにすべてのアスパワワを使いつかいきって、熱出して寝込んでしまったはぐたんの様子から。「自分がプリキュアに変身できなかったせいでこうなった。もうプリキュアになれない」と、はな(キュアエール)は落ち込みます。

○前半
そういうはなを見て、ほまれ(キュアエトワール)は「マジ意味わかんない」と言います。ちょっと余談ですが、「マジ意味わかんない」は、初代プリキュアのうたにでてくる言葉でもありますねえ。

「自分ははぐたんにいっぱい元気をもらったのに、何も返せていない。自分には何もない。ほまれやさあや(キュアアンジュ)とはちがう。もっとプリキュアにいい子がいる。自分はプリキュア失格」というはなに対して、ハムスターみたいなかっこうの妖精ハリーが「それがお前のなりたい野乃はなか?」と言ってしまうわけですが。

「私のなりたい私ってなに? 私はさあやのようにかしこくもない。ほまれのように運動もできない」といって、夜も眠れないはな。そんなはなに母親が「あなたが生まれたとき、とてもうれしかった。あなたが笑うだけで幸せだった」と。でも、はなは「自分はめっちゃいけてるお姉さんになりたい。でもなれない」といって泣きます。そこで母親は「少しおとなになったね。フレフレはな。今をがんばれば、未来はやってくる」と声をかけます。

次の朝「フレフレ私、がんばれ」と自分に声をかけて家をでたはなの前に、ほまれとさあやがやってきます。さあやははなに「いつも頑張り屋で、誰かのためにがんばる。素直で見ているだけで元気になる。だから何もないって言わないで」と。ほまれははなにハグしようと、両腕をひろげます。そこに飛び込んでいくはな。これで3人、元通りですね。

もう、ここまでで放送1回分くらいの内容があるんですけど、まだ前半には話の続きが。

3人がはぐたんとハリーのところに行くと、プリキュアたちにいろんな情報を伝える「ミライパッド」が光ります。どうやらはぐたんの大好きな「のびのびタワー」へ行けというのです。それで、プリキュアたちははぐたんを抱っこして、のびのびタワーへ。

そこではプリキュアたちの学校の同級生・ひなせくんたちが、吹奏楽の演奏をしていました。ひなせくんは以前、はなに「楽器ひとつひとつの個性が合わさると、想像できない力がでる」と語っていました。これがどうも、メロディソードを出す伏線になるわけですねえ。

そして、のびのびタワー・音楽・だっこの3つが「はぐたんの好きなもの」だと気付いた3人。ここで自分たちの心の音を聞かせようと3人ではぐたんを抱っこしたとき、はぐたんは眠りから目覚めて、ミルクをほしがって泣きます。

そのミルクの準備のためにはなが走り出したとき、不思議なオジサンにぶつかります。このオジサン、前にも本を持って現れたのですが。そしてそのオジサン、「あすがなくなろうという世界を守るために、何も持たない少女がたたかう」という話を、なぜかはなに聴かせます。この本の物語がどうやら、今年のプリキュアのストーリーになりそうですね。

一方、クライアス社の方では、暗くて冷たい左遷部屋に押しやられた係長・チャラリートに、パップルが上司の決裁を受けて、怪しげな計画を実行します。それは、チャラリート自体を怪物・オシマイダーにしてしまう計画。オシマイダーになったチャラリートは、のびのびタワーを攻撃しにやってきます。

○後半

チャラリートの攻撃を前に、はな・ほまれ・さあやの3人は変身。はなもキュアエールに無事変身することができて「めっちゃいけてる!」と喜びます。そんなプリキュアたちの様子を、ほまれのスケート仲間・アンリくんが見つめていたりします。

また、チャラリートが壊したビルの下敷きになろうとしたえみるちゃん(この子、前々回にあたりに登場したはず)を守るために、キュアエールはその壊れたビルをひとりで持ち上げてしまいます。そして、キュアエールが「大丈夫、私が守る。私は逃げない、プリキュだから」「みんなの笑顔が好き、みんなを元気にしたい。フレフレみんな、フレフレわたし」と言ったとき、プリキュアの剣が登場します。それを握ると力がプリキュアたちにみなぎるようで・・・。

その剣が出た場面のあと、先ほどの不思議な本のオジサンが出てきて、またまた「少女は剣に選ばれ、民衆と共にたたかう」と、なぞのせりふを語ります。

そして、キュアエールがチャラリートにその剣でとどめをさそうとするのですが…。でも、そのとき、キュアエールは怪物になったチャラリートの中に、悲しくてつらい気持ちの本物のチャラリートの姿を見てしまいます。ここからチャラリートは「苦しい、心が苦しい。いつも中途半端、何もできない。何もがんばれない。オシマイダー。何の才能もない、何ももってない…」と、心の叫びを訴えます。

それを聴いたキュアエールは剣を捨て、「これは私のなりたいプリキュアじゃない」と。そして、なんとキュアエール、チャラリートを抱きしめます。ハグですねえ。「敵とハグする」とか言うと、ここ最近の内田樹さん(うちの大学の客員教授ですが)の話を思い出します。

また、キュアエールはチャラリートをハグしながら、「心の苦しさはわかる。自分もそうだから。私もがんばればいことがある。大丈夫、その気持ち抱きしめるから」と語りかけます。このあたり、例年のプリキュア同様「敵を倒す」のではなくて、敵のなかにある良心を目覚めさせたり、敵のなかにある傷つきを癒してしまって、敵対的な行為をさせなくする。そんな流れで今年の物語も展開していく感じですね。

そういうはなの話を受け止めたのか、先ほどのプリキュアの剣は、エールタクト・アンジュハープ・エトワールフルートの3つの「メロディソード」になります。ここから先は「心のとげとげ飛んで行け」「トリニティコンサート」「エール、フォー・ユー」とか言って、そのメロディーソードで合奏をして(=ここでさっきのひなせくんの吹奏楽の話が効いてくるわけです)、チャラリートを癒してしまいます。

癒されたチャラリートは「あったけぇ、未来が見える…」とか言って、どこかへ行ってしまいます。その様子を見たクライアス社のバイト・ルールーちゃんは「プリキュア、理解不能」と。そしてアンリくんは「これが私の応援か。やるじゃないか」と一言。何回か前にはなに対して、アンリくんは応援するだけで何もできないって言ってしまいましたからねぇ…。

○ラストの場面

まあ、2回に分けて放送してもいいような内容を1回にまとめて放送したわけですが…。ラストははながはぐたんを抱っこして、「はぐたん大好き、大切だよ」「はぐたんのためならがんばれる」と言ったら、はぐたんが「んま~。まま~」と言ったところで終わりですね。

こんな感じで、たった1回30分(CM除くと実質25分)の物語のなかに、これまで2か月ちょっとの物語の総括と次の物語や今年の物語全体への伏線をはる作業、そして新アイテムの登場とそれに対応するプリキュアたちの成長等々、いろんな要素を詰め込んだのが今回のお話でした。



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