実は昨日、某新聞社とだけ書いておきますが、このたびの選挙に関して、私、インタビューを受けました。
知り合いの児童福祉系の研究者から記者さんが「この人!」って聴いての取材依頼だったので、断るよりも「さっさと受けてしまおう」っていうくらいの気分でした。
ただ、いつもどおり阪神西宮駅近くのカフェで取材を受けたのですが、まあ、けっこう好き放題、この政治情勢を前にして言わせていただきました。なにしろ、子どもや教育に関する施策、あるいは子どもの貧困対策の領域で、「このたびの総選挙で論点(争点)になるようなこと」というテーマだったので。
まあ、そんなわけで「どの政党がどうなったとかいう政党の離合集散劇とか、政権交代の話」はいったん脇において、「いま、ほんまに政治の力でとりくまないとアカンこと」という話を1時間半くらい、やりました。
で、私から話をしたのは結局・・・。
○子どもを育てているおとな世代の貧困とか、あるいは高校や大学を卒業したあとの若者たちの非正規雇用の問題とか、そこを根本的に改善するような教育と就労との接続関係、あるいは社会保障のあり方を構想し、着実にそれを実現していかない限りは、世の中、これ以上よくはなりません。子ども食堂も無料の学習支援も、結局、ここが変わらない限り「緊急対策」的なものにしかなりえないんじゃないか?」とか。
○その教育と就労との関係の問題でいうならば、グローバル人材、グローバル人材とかいうけれども、グローバルな人材が日本から海外に売り込めるようなローカルな素材の豊かさが無い限り、なんにも経済、活性化しません。農林水産業とか都市部でのものづくりとか、そういう地道なローカル産業育成策をとらない限り、雇用も改善しないし、グローバル人材が日本から海外に売り込めるようなモノやサービスも創り出せませんわ」とか。
○そういう地道なローカルな産業育成策みたいなものつくって、高卒・大卒の若者をきっちり雇ってくれるようになったら、学費減免とか給付奨学金制度とかとタイアップして、若者世代が貧困から抜け出せる余地がどんどん、できてきますって。なによりも、高校の進路指導や大学のキャリア支援がとっても楽になりますわ」とか。
○目の前の選挙で受けを狙って、あれもやります、これもやります・・・みたいなことをいう政党や政治家は、もう信用なりません。そうではなくて、今は誰も注目してないけど、ここに世の中を変えていく種や芽があって、その種や芽のようなものを10年、20年かけて育てていきましょうみたいな、そういう施策を提案していくような政党や政治家が必要かと。特にそれは子どもに関する施策だけでなく、雇用や産業に関する施策でも言えることかと。そういう10年、20年とかかるような取り組みやらない限り、おとな世代の貧困も子どもの貧困も解消できませんって」とか。
こんな感じで、とにかく、好き勝手な話をさせていただきました。
しかしまあ、こういうこと、ほんとに新聞を含むマスメディアで、いっぱい書いてほしいですねえ、このたびの総選挙の前に。
そして、こういうことに関する報道がいっぱい溢れるようになって、政局ネタよりも多くなると、ほんとうに政策で各政党、政治家が選べる選挙になるんじゃないかな~なんて思いました。
でもまあ、まずは、このことを今日取材した記者さんが、自分ところの新聞で記事に書けるかどうか、その記事が掲載されるかどうか。そこが大問題なんですけどね~。
【追記】憲法改正も安保体制強化も不要で、上に書いたことに本気で早くとりくまないと、ますますこの国、この社会は不安定で劣化したものになりそうです…。
【追記2】あと、日本を代表する教育社会学者が、こんなことをツイッターでつぶやいているのを見ました。「あんたさ~。子育て困難とか、若者の労働と生きづらさに関する研究やってきたんでしょ? 本来なら今回の某新聞の取材で、私がコメントしているようなことを言うのは、あんたの仕事やで。もっと、こんな政局ネタでの情報発信じゃなくて(それも「あんた、政局読めてるの?」というくらいの浅はかな内容!)、本業でどんどん「もっとこういう子育て施策や若者の就労支援施策がほしい!」とか言えよな!」と思いました。
戦後日本を牛耳ってきた自民に強烈な打撃をくらわすには、同等にグロテスクな何かが必要。緑のおばさんにはそのための鉄砲玉としての役割だけを存分に果たしてもらう。でも政策能力はゼロか極右という点でマイナスなので、選挙が終わったら可及的速やかに消えていただく。その時のために力を溜めて。
— 本田由紀 (@hahaguma) 2017年9月27日
https://twitter.com/hahaguma/status/913182952095232000