【日経の社説(2013/2/5):「中古の住宅市場づくりも急げ」】
日本の住宅取引に占める中古物件の割合は08年で13.5%。
アメリカ8割、イギリス9割と比較するとかなり低い。
中古住宅の市場育てる余地は大きい。
中古市場の取引を活発にするために重要なのは、
消費者に購入の判断材料となる情報を十分伝えること。
住宅の性能を客観的に表示する制度が欠かせない。
現状では住宅の資産価値は、築年数や立地条件が中心になっている。
耐震性や省エネ性能などの情報や、リフォーム履歴などがわかれば
適正な価格で安心して取引できるようになる。
住宅の品質を検査する際の統一基準をつくる必要もある。
検査の信頼性を高めるために、建築士などの資格を持った専門家も課題になろう。
住宅・不動産会社や鑑定士などとの連携を深め、中古住宅市場の育成を急いでもらいたい。
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【中古マンションを適正に評価するシステムが大事】
大きな問題の一つは、社説で触れられていたように、
住宅の資産価値は、築年数や立地条件が中心いなっていること。
せっかく、管理の行き届いた良質な住宅であっても、
築年数や立地条件が同じであれば、あまり資産価値が変わらないというのが問題。
ここできちんとマンションが総合的に適正に評価されるシステムができれば、
居住者のマンションの維持管理や良好な住環境づくりに対する意識は必ず変わる。
それは良質なストックを増やすことにつながる。
とにかく、中古住宅を総合的に適正に評価できるシステムをつくることが重要。
【中古住宅購入のためのコンシェルジュが必要】
住宅の価値を多様な視点から評価できる仕組みを
建築家、建物診断士、マンション管理士、まちづくりコンサルタント等
多様な資格を持った人たちが連携して作ることが大事。
こういう組織があれば、顧客のニーズに合った物件を、顧客が安心して購入することが可能になる。
あとは、これに対する報酬をどう設定するか。
昨年、友人から、
「比較的気に入った中古マンションがあり、購入するかどうか迷ってるんだけど、
アドバイスをもらえないか」という、相談を受け、
いろいろポイントを列挙してあげたら、自分で仲介業者にいって、関連資料を
一生懸命、集めたようで、
「チェック項目をクリアしているので、買うことに決めた。おかげで助かった」と、感謝された。
既に本人は買うつもりでいたようであるが、
さすが、大きな買い物なので、どこか見落としているのではないか心配だったらしい。
ただ、こちらも、その期間が3日ぐらいしかなかったので、アドバイスできることは限られる。
この話のあと、
「友人のように困っている人は、多いのでは、ずっと気になっている。」
国も「中古マンションの流通市場の活性化」を積極的に進めようとする中で、
これらを、きちんとサポートできる組織が求められるわけであり、国もその育成に力を注ごうとしている。
サポート組織は、必ずしも不動産屋さんである必要はなく、
多様な分野の人がかかわった方がより適切なアドバイスができると考える。
都市計画コンサルタントである当社も、これまでの業務で培ったノウハウを活かしつつ、
自宅マンションの理事や理事長経験等を活かしながら、
設計事務所の友人たちと連携し、アドバイザー組織を立ち上げられたらと思っている。
【中古マンション購入時のチェックポイント】
今日は中古マンションを購入する場合のチェックポイントを書いてみました。
とりあえず、思いつくレベルのものです。
※以前も、ブログで書きましたが・・・・。
また気がついたら、加筆修正したいと思います。
1)月々の修繕積立金、管理費
2)修繕積立金
3)長期修繕計画の有無・修繕履歴書の有無
4)新耐震、旧耐震の建物か否か
5)管理会社名
6)設計図書の有無
7)漏水等の発生状況
8)居住者間のトラブルの有無
9)機械式駐車場の有無、
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1)月々の修繕積立金、管理費
これは、適切な維持管理がされているマンションであれば、それなりのお金が必要です。
やはり、それぞれ1万円程度はかかると思います。
あまり安いのは問題です。
2)修繕積立金
マンション全体の積立金がどの程度あるか。
積立金が少なければ、大規模修繕に際し、個人の負担が発生します。
ちなみに、私のマンションでは大規模改修で3000万円ほどかかりましたが、拠出金はゼロでした。
修繕費用は戸当たり換算で130万でした。
大規模修繕の内容によっても異なりますので、あくまでも一つの目安です。
3)長期修繕計画の有無・修繕履歴書の有無
今後、20年ぐらいの修繕計画の有無も大事です。
これが策定されていれば、計画的な修繕及び修繕のための費用のねん出が可能になります。
これがないと、場当たり的な対応となり、マンションの良好な維持管理ができません。
また、突然、個人負担金が発生する可能性があります。
修繕履歴書も大事です。
何年にどこを、どのような工法で修繕したかという記録です。
これと長期修繕計画がセットです。
4)新耐震、旧耐震の建物か否か
耐震性能の基準が昭和57年を境に変わりました。
57年以降の建築確認であれば、新耐震です。
それ以前ですと、旧耐震となりますので、耐震診断をし、その結果を踏まえ、
耐震補強を行う必要があります。
5)管理会社名
管理会社も重要です。
どこの会社が管理しているかがわかれば、会社のHPで会社の概要がわかります。
6)設計図書の有無
古いマンションだと設計図書がないことがあります。
そうすると、見えない部分の改修工事に支障をきたします。
できれば、構造計算書の有無も確認した方がいいでしょう。
7)漏水等の発生状況
古いマンションで、給排水管等の改修工事が行われていない場合、漏水が発生する可能性があります。
このへんのことも確認した方がいいでしょう。
8)居住者間のトラブルの有無
なぜ売りに出たのか?
上下階等での騒音トラブルや、隣の部屋等に常識を超えたクレーマーがいる場合が結構あります。
重要説明事項に入ってますが、あまりひどい場合は、そこまでは書きません。
書くと売れなくなりますので。
9)機械式駐車場の有無、
機械式駐車場の維持管理は、古くなると非常に維持管理コストがかかります。
その分、管理費や修繕積立金に反映されますので注意してください。