社会空間研究所 建築・まちづくり通信

社会空間研究所の所員が建築・まちづくりに関する情報等を気ままに綴ったブログです。
2007年6月からスタートしました。

ゲイ指数と都市の活力

2007-07-31 19:30:59 | デザイン
2007/07/31

早いもので7月もいよいよ今日で終わり、明日から8月だ。

今日は話の種に、アメリカの都市研究者フロリダの記事を紹介(引用:日経新聞経済教室「ゼミナール 都市 再生と創造性」)。

<ゲイの集まる都市が発展する>

フロリダは、成長著しいハイテク産業は創造的人材を求めて立地し、今後の地域再生の鍵は工場の誘致ではなく、いかに創造的な人材=創造階級を地域が誘引できるかにかかっていると主張(国土が狭く、一極集中の日本にはあまり関係ない)。

フロリダの呼ぶ創造階級というのは、コンピューター、数学、建築、生命・自然科学、芸術・デザイン、メディア、財務等々の各種専門職種(ほかにもいろいろあるが省略する)。

そして、これらの創造階級の集積を示す「ハイテク指数」と「ゲイ指数(同性愛者)」は地域的に関連性が見られるそうで、実際、サンフランシスコやオースティンなど成長地域はいずれの指数も高いとのこと。
また、ゲイ指数が高いほど、ゲイの人々が隣に住んでも排除せずに、受け入れる「寛容性」のある地域であることを意味するそうで、この寛容性が創造階級を誘引するためには大事らしい。

また、記事では、アメリカでは同性愛者は創造性に富む人が多いことが知られてると書いてある(はじめて聞いた)。

まあ、ほかにもいろいろ書いてあるのだが、フロリダのこの理論は「ゲイの集まる都市が発展する」という俗説とともに世界を駆けめぐることになったと結んでいる。
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府中インターユニバシティ2007

2007-07-27 18:39:16 | まち歩き(東京)
「府中インターユニバシティ2007」というのは、多摩地域の大学・研究室が連携して、府中のまちづくりを考えようというものです。

具体的には、学生達に「大國魂神社」、「けやき並木周辺」のまちづくりを提案してもらうもの。
そのため、「指導教員の合同会議」、「参加を予定する学生達を対象としたまち歩き」等が開催され、7/16~21日の6日間提案作品の展示・公開、21日に発表会が行われた。

最終的に11の大学が参加し、30近い提案があった。

発表会当日は、前に書いたように途中で足が痛くなってしまったので、発表を聞いたの提案は少なかったが、あとから資料を見たら、いろいろな提案があり、開催の成果はあったのではと思った。

こういうのを続けて、「魅力的なアイデア」をできる範囲で具体化していくことで、街の魅力が少しづつアップしていくのではと思う。

具体化していかないと、いくら集めても意味がないし、具体化されることで参加者のモチベーションがあがり、より魅力的なアイデアがでてくる。

そういえば、発表会の最初に土田旭さんの話があり、いつ終わるのだろうという感じになってきたら、進行係から巻きが入った。
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府中にいってきた

2007-07-25 13:11:46 | まち歩き(東京)
2007/07/21

府中建築文化フォーラムが主催する「府中の快適空間、魅力の発見とパワーアップの提案」の発表会に行って来た。

府中建築文化フォーラムというのは、府中市内で活動しているまちづくりの団体で、府中在住、在勤の建築家、都市計画家、環境デザイナー、研究者、学生などまちづくり分野の専門家の集まりだそうです。

内容については、後日。今回は府中駅周辺の写真のみ。
途中でギブスをはめた足が痛くなり、あまり回れなかった。
大國魂神社参道のケヤキ並木は見事で、涼しかった。
このケヤキ並木はなんと「国の天然記念物」だった!!




2007/07/21



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養殖ウナギ、富山産業観光、南部鉄器

2007-07-16 15:08:45 | 気ままに
■養殖ウナギ(2007/07/09日経記事とそれに対するコメント)

ウナギ市場は約8割が中国産等の輸入物→そんなに輸入していたのか。
国内の生産量のシェアは鹿児島33.7%で第1位、次いで愛知33.2%、宮崎15.1%、静岡6.9%→あれー、静岡が1位じゃなかったの?
一大産地だった浜名湖のある静岡は、潮の塩分濃度の上昇などもあって生産量は最盛期1968年(→だいぶ昔の話だね)の1割弱。→たったの。

■YKKが産業観光(同上)

YKKは昨年の8月から「YKKツアーズ」をスタート。動員数は延べ約6800人(560人/月)。
ファスナーで世界市場をリードする同社の技術力やそれを支える地域の産業力をPR品柄、富山県や黒部市のブランド力向上につながると期待しているようである。
YKKは専門部署として全額出資の子会社、黒部ツーリズムを設立している。
「温泉や食事に偏りがちな旅の中に学びの要素があると、とても有意義」と参加者の評判もいいらしい。

ちなみにこのツアーは産業観光に熱心な知事の働きかけで始まったとのこと。
富山はLRTの導入、市街地再開発事業等元気である。
そう、ほかにも富山県はすごいのである。
平均月収は71万円で、なんと全国第1位。
富山では全世帯の6割が共働きで、女性が働くのは当たり前で、家にいると「体が弱い」のかと思われるらしい。

つくば研究学園都市も、研究機関が本気でバックアップして、本格的な研究機関ツアーを企画したら(一応あるみたいだが)、最高におもしろいと思うし、それをみて優秀な研究者を志す子供が生まれるきっかけになるんじゃないかと思うのだが・・・。

■南部鉄器

お茶が美味しくなるというのと、貧血にいい(家内が貧血)というので、以前から南部鉄瓶を探している。
これが結構高いので、せっかく買うならデザインの気に入ったものと思っているうち、何年も経ってしまった。

朝の連続テレビ小説「どんと晴れ」?で、長門勇演じる南部鉄器職人が出てきて、ますます欲しくなってきた。
いいかげん、秋までには手に入れようと思うのだが・・・。

新聞記事によると、最近南部鉄器の輸出が伸びているらしい。
2003年の輸出額2億6千万円が2005年には3億4千万円になったと書いてある。
例えばイタリアのキッチン家庭雑貨メーカーは、モダンデザインにアレンジした南部鉄器の鉄瓶や鍋敷きを販売しているらしい。
目の肥えたイタリア人には、職人がつくった、本物の商品はわかるのだろう。
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欠陥住宅の賠償責任を巡る新たな見解

2007-07-14 22:51:39 | 制度・しくみ
7月6日に欠陥住宅の賠償責任の範囲を巡って争われていた最高裁判決が出た。
内容は「設計者や施工業者は、契約関係にない居住者に対しても、建物の安全性を配慮する義務がある」として、欠陥の程度を再審理するため高裁に差し戻されたというもの。
これまでは直接契約関係にある売主と買主の間に賠償責任が発生すると考えられてきたため、買主と直接契約関係にない施工業者にまで賠償責任を負う者の範囲が広がったことは、住宅の購入者(居住者)を守るための新たな見解が最高裁によって示されたという点で非常に大きな意味を持つ。

また、平成11年に制定された新築住宅の10年間の瑕疵担保責任を売主に義務づけた住宅品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)では、瑕疵担保責任の範囲は、基礎や柱、梁などの構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分に限られてきた。
しかし、この判決では、「バルコニーの手すりがぐらついて居住者が転落する危険があるような場合」も欠陥に含まれるという見解が示され、これは住宅の施工業者が負う賠償責任の範囲が広がったということになり、建設業界にはかなり大きな影響を与えるはず。

どちらの判決も、居住者が安全安心な住生活を確保する上では当然の内容であり、施工業者に襟を正してもらうためにも大きな意味を持つと思う。

いわゆる構造計算書偽装事件が発覚し、確認検査時のピアチェック導入や建築士制度の見直し、住宅の売主に対する瑕疵担保責任の履行のための資力確保措置の義務づけなど、急ピッチで法整備が進められている。
●一定規模の住宅に対する中間検査やピアチェック導入を盛り込んだ改正建築基準法が6月20日に施行
●建築士の受験資格や講習実施などについて具体的見直し内容を検討中
●住宅供給業者に瑕疵担保責任の履行のための資力確保措置を義務づけるとともに、住宅供給業者が倒産した場合でも住宅の修補を担保する特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律が5月30日に制定(2年6ヶ月後に本格施行)

構造計算書偽装事件のその後が報道されることも少なくなってきたが、安心して暮らせる住宅がフツーに供給されるような社会になってほしい。
本来は法でがんじがらめにされなければ実現されないということ自体間違っていると思われるが・・・。

(oba)
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六本木ミッドタウン

2007-07-06 21:09:18 | まち歩き(東京)
2007/07/05

打ち合わせの帰りにミッドタウンへ。

青山1丁目から歩いたら、思ったより距離があった。もう少し近い気がしたんだが・・。
途中、学生の時にたまにいったカフェレストラン「ココパームス」を思い出した(だいぶ前になくなったしまったが結構好きだった)。
でも「カフェグレコ」はまだあった。こっちはどうでもいいのだが。
と思っているうちに目的地に到着。

平日の昼間でも人が多い。
どちらかというと僕も含めてお上りさん。
アジアの旅行客が多い気がした。
そういえば、ハウステンボスは最近アジアからの観光客が大幅に増えて、入り込み客数が増えてきたというニュースを見たなー。

ミッドタウンの印象は、
可もなく不可もなく、「品よく」まとめてみましたという感じだろうか。

中のお店は時間がなくて覗けなかったので次回の楽しみに。
でも買えるものないか。
「虎や」の大きな暖簾はちょっとインパクトがあった。

東京のどまん中の開発でありながら、芝生広場等かなり広いオープンスペースを確保しているところは評価できるかな。











と思いながら外を歩いていると、隣にうっそうとした緑に覆われた4階?建て打ちっ放しのビルが気になったので、近づいたら「磯崎アトリエ」だった。
その隣のビルも磯崎アトリエで、篠山紀信さんの事務所もはいってた。
その隣の建物は表札に、坂倉と書いてあって、コルビジェ展をやっているようだった。ここは坂倉淳三事務所?。




こんなところに、こんな空間があるなんて全く知らなかった。
発見である。

ところで、最近、磯崎さんは国内で何をつくっているのだろうか。

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映画『スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー』

2007-07-04 18:30:44 | 気ままに

以前から楽しみにしていた映画『スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー』を観に行ってきた。



“独創的な建築様式とそれを造形する技術や計算力”
“曲面や曲線を多用した彫刻のように美しいフォルム”
“異素材の組み合わせ”
―――近代建築の巨匠“フランク・ゲーリー”のドキュメンタリーだ。

彼が手がけたさまざまな建築物の映像はもちろん、制作のプロセス《独特なラフスケッチを元にランダムに紙を切り貼りしながら模型を作っていく。何度も試行錯誤が重ねられ、更に進化した模型から最新のコンピュータ技術により具体的な立体設計図を起こしていく…というもの》がおもしろい。
また、彼の不遇な過去やキュートな人柄など人間的側面も知ることができ興味深かった。


ディズニー・コンサートホール

    
DG銀行                    グッゲンハイム美術館


アメリカ(ロサンゼルス)「ディズニー・コンサートホール」、ドイツ(ベルリン)「DG銀行」をはじめ、他にも有名な建築が数多く紹介されているが、なかでもビルバオの「グッゲンハイム美術館」のシーンは、チタンパネルで覆われた外観が日の光を受けて表情を変える姿がとても美しかった。
美術館そのものがアート、スクリーン越しでも伝わってくるインスタレーションに驚く。 (個人的にはリチャード・セラの巨大彫刻との融合シーンが印象的)

建築家のドキュメンタリーは珍しく、大きなスクリーンから映画ならではの臨場感を楽しめると思うので、お時間・ご興味のある方は是非!


『スケッチ・オブ・フランク・ゲーリー』
オフィシャル・サイト: http://sketch.cinemacafe.net/

■ストーリー■
建築家としてのみならず、ティファニーのジュエリーデザインを手掛けるなど、アーティストとしても注目を集めるフランク・ゲーリー。彼の長年にわたる友人であり、「建築のことは何も知らない」と公言する映画監督シドニー・ポラックが、フランク・ゲーリーの魅力を探るべくカメラを回す。
(シネマトゥデイ より)
Bunkamuraル・シネマにて7/13(金)まで公開
ちなみにチケットの半券で国立新美術館、森美術館が楽しめる相互割引キャンペーン実施中。

(いつか実物を見に行きたい!)m.o
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