11月20日、土曜日、埼玉県三芳町にある「三富今昔村」に行ってきた。
今昔村は10月30日の日経新聞の記事を読んでちょっと気になってた。
産業廃棄物処理とリサイクルの会社である石坂産業が運営している。
新聞記事によると、20年前に「危険物質を空中に出しているのでは」という誤解から住民の排斥運動を経験し、
これをきっかけに石坂社長が「地域に愛される会社になる」と宣言。
周辺の地主からも土地を借りて今昔村を広げてきた。
▼日経新聞11月30日の記事
おそらく、地主さんにとっては、現在ではお金を生み出さない平地林を借りてもらえ、維持管理までしてもらえるわけだからうれしい話である。
三富新田は江戸時代に開発された新田で街道の両側に短冊地が広がっている。
短冊地は、東京でも大久保、西荻、吉祥寺、三鷹あたりで見られる。
三芳町の短冊地の特徴は、街道沿いに屋敷があり、その外側に樹林地(広葉樹林)、その外に畑地という構成である。
畑地が街道を挟んで反対側にある場合もある。下富地区はこのタイプである。
今昔村はこの短冊地の樹林地ではなく、その周りに広がるまとまった平地林の中にある。
石坂産業の本社、プラントの周りに里山が広がり、里山の中にキャンプ場、カフェ・レストラン、アスレチック、オーガニックファーム等がある。
三富今昔村のHP https://santome-community.com/
今昔村の地図 https://www.google.com/maps/@35.8312995,139.4801935,5550m/data=!3m1!1e3?hl=ja
▼今昔村のイラストマップ
▼石坂産業のリサイクルセンター
▼今昔村の里山
おそらく、当時、この平地林は長年人の手が入っていない山だったろうから相当荒れていたと思う。
それが、こんなきれいな里山に生まれ変わったのだから、多くの労力が費やされただろうし、
これを維持していくためには今後も経費かかる。
入園料800円/人は里山の保全費として使われる仕組みであるが、たぶん、これだけでは里山の保全費は賄えないだろうから、石坂産業が補填していると思われる。
まあ、事業としては大変だが、こういう取り組みがいろいろなところで、いろんな形で展開されていくと、郊外生活がおもしろくなってくる。
それと、ここの良さはリサイクルセンターを見学することができることである。
親子で資源の循環等環境についていろいろ楽しみながら学べる。
この日、自宅最寄駅の富士見台駅から新所沢駅に出で川越行きのバスに乗り「下富バス停」で下車。そこからは徒歩、バス停から約15分。所要時間は計1時間強。次回はリサイクルセンターの見学とキャンプを楽しみたい。
この地域は狭山茶の産地であり、沿道には茶畑が広がっていた。各茶畑の中にお墓があるのが特徴的だ。
かつては茶畑がもっと広がっていたと思われる。
▼茶畑と墓地
茶畑を過ぎると、今昔村へ通じる道は歩道がなく、ダンプカーが多く通るのでけっこう怖かった。
子供を連れてたら徒歩ではとてもいけない場所である。
▼ダンプカーが通る歩道のない道
【オマケ情報】
◎今昔村で焼いているパンは、とても美味しい。だまされたと思って買ってみてください。
◎パタゴニアはビールも販売していたんですね。知らなかった。このポートランドで作られている地ビール「Long Root」(pale ale)、美味しいです。
帰りは送迎バスで所沢駅に。
▼帰りの送迎バスは貸し切り状態だった
あらためて考えると、所沢駅に来るのは初めて。
駅の商業施設がとても充実しており、西武の所沢への力の入れ具合がわかる。
それと、所沢駅の駅ピアノは観客も多く、ひく人のレベルが高くて驚いた。