社会空間研究所 建築・まちづくり通信

社会空間研究所の所員が建築・まちづくりに関する情報等を気ままに綴ったブログです。
2007年6月からスタートしました。

ヒマラヤ通信 一気に8~14(最終回)

2014-05-24 11:39:45 | 観光

【ヒマラヤ通信 その8】

イエティに会う。


 
今日は、ベースにしているパタンに戻る日。
その前に山岳博物館に寄る。ここは、世界中のヒマラヤ登山隊の品々が展示されている。
日本のマナスル登山隊も展示されている。
展示品には、ダウンジャケットもあり、当時は、今、東京の冬に着ているものより薄いジャケットで、よく、このような装備でヒマラヤ登山ができたものだ。
奥まった一角に毛深い人が立っている。近づいて見ると、これがイエティ。意外と小さい。

そこで、クイズです。
この博物館の展示品で、他の展示品を圧倒するものがあります。さて、何でしょうか。
①ヒマラヤと言えばイエティ。イエティ関係の展示品がいっぱい
②ヒマラヤは、登山者の棄てていったゴミでいっぱい。展示品の目玉は、ゴミ
③ヒマラヤの山毎の雪と氷。山によって、ビミョウに違っている
〖ヒント:最近、環境問題となっている〗


【ヒマラヤ通信 その9】


パタンで停電。
ネパールは、電力事情が悪く、一日に10時間の計画停電がある。
ホテルや民家では、バッテリーが準備されているので、少し暗くなるが問題はない。
しかし、道路は普通でも少ない街灯が一斉に消えるので、街中真っ暗になる。面白いのは、パタンの旧市街地では、数軒の家が共同の中庭を挟んで生活しており、バッテリーも共同で持ち停電に備えている。停電は、毎日、違う時間に地区毎におこるので、停電スケジュールを知らない旅行者は、突然、街中が真っ暗になり、懐中電灯が必需品になる。
そこで、クイズです。
計画停電なので、夜外で食事をしても、予めホテルで停電の始まりと終わりの時間を聞いておけば、今暗くても帰りには明るくなると調整できるので、実は安心。
ところが計画停電で旅行者が驚かされることがあります。
何でしょうか。
①停電で道路が暗くなると、駐車している車が一斉にライトをつけ道を照らす
②停電中に寝てしまうと、夜中に突然、部屋中の明かりが付き目が覚めてしまう
③油断していると、シャワーの最中に停電で水が出なくなり、石けんだらけでいなくてはならない
〖ヒント:こちらのスイッチは、日本とONOFFが逆で、ロータリースイッチもある〗

 

【ヒマラヤ通信 その10】

 

ネパールのオフクロの味ダルバート。
写真のように、一つのプレートの真ん中にバート(ご飯)を、まわりにいろいろなおかずをのせたもの。


 
ここで大事なのは、ダル(豆のスープ)で、味噌汁のように各家庭でそれぞれの味を持っている。
この写真は、その他にチキンカレー、カリフラワとジャガイモの煮たの、野菜炒め、ニガウリの唐揚げなどが小さなボールに盛られ、また、日本の漬け物のような、たくあん、パクチの薬味などなどが盛られている。
これをご飯にかけて食べる。
こちらのお米は、インディカ米なので、そのまま食べると美味しくないが、いろいろなものをかけて食べるととても美味しくなる。
一般家庭では、このように盛りだくさんのおかずは、特別な日で、普段は、ダルとバートに煮物、漬け物くらいだそうだ。
ダルとバートにカレー、煮物、漬け物などが、各家庭のオフクロの味となっていて、お呼ばれした家庭の料理は、確かにレストランで食べるのと違い、とても優しい味で、毎日食べても飽きない、食べると元気のでる味だった。
ここで、クイズです。
オフクロの味ダルバートですが、家庭で食べるプレートは、少し変わっています。
①水が不足しているので、ナンを焼いて、プレートとし、全て食べてしまい、食器洗いをなくす
②ランチョンマットのように四角のヒマラヤ杉の板で作られている
③お子様ランチのプレートのように仕切りがある
〖ヒント:今回はやさしいのでヒントはなしです〗

 

【ヒマラヤ通信 その11】

 

世田谷区のような、少し、街について。
パタンは、王宮を中心とした旧市街とまわりに広がる新市街とでできている。
まず、旧市街を国木田独歩の武蔵野風に歩いてみよう。
旧王宮のあるダルバール広場から出発。どの道が良いかと、選んではいけない。
どの道も不思議な空間に誘う。地図も要らない。
と言うより、地図は役にたたない。
今歩いている道は、すぐに地図に載っていないことに気がつく。

道と道の交わるところに、小さなお寺があり、近所の人の熱心な信仰に支えられている。
このようなところには共同の水汲み場もある。


 
角を曲がると、道は、細くなり、曲がりくねって、先が見えない。
旧市街は、石づくりの3~4階建ての建物が連なり、建物と建物に挟まれた狭い空間が道となっている。
4mもあれば広いほうで、2~3mの道も多い。徒歩が主な交通手段だったころそのままの道を今は、人も車も使っている。
もちろん、一方通行ではないので、あちこちで、鉢合わせをしている。
 
▽迷路のようなパタンの道

建物の入口は、小さい。気になる建物があったら入ってみよう。
 
▽中庭へ通じる入口

暗いトンネルを抜けると、明るく広い中庭にでる。

ここは、中庭を囲む4~6軒の家で管理し、共同の庭として使っている。

最近、共同で管理していた家の代が変わって、商店になったり、空き家となって、管理ができなくなるという問題が顕在化して、伝統的なネワールの街並みや生活が壊されてきている。
 
▽中庭

さらに道を進むと、別れ道にでる。このようなところには、畳三畳ほどの屋根のあるテラスがあり、誰でもがここで、休める。

東屋のようなこの空間をファルチャと呼ぶらしい。

最近は、ここに住み着く人もいて、格子で囲んで使えないようにしているところも多い。

ここにもよき伝統が失われつつある。
 
▽街角によく見られる東屋のようファルチャ(誰でも休憩できる)

さらに進むと、先にゲートが現れる。

旧市街と新市街との境界だ。始めに書いた世田谷区のようなは、新市街で顕著だ。

と言っても高級住宅地と言う意味ではない。

急激な宅地化が畑をつぶして、昔の農道がそのまま使われており、宅地は広くても、道路インフラは、最悪の状態にある。

旧市街、新市街の道を車が我が物顔ではしるので、道のあちこちにハンプが作られている。

これでスピードは抑えられるが、道の狭さは、どうしょうもない。

また、旧市街に戻ってくる。

いくつもの別れ道があり、いろいろな店が軒を連ねる。

気がむいたら、冷やかしに入るのもよい。

珍しいものが見つかるかもしれない。

あるいは、思わぬ出会いが。
 
▽ヒマラヤのお茶を買う

店から出て、また、歩く。この道は、前に通ったような錯覚に襲われる。ここは、まるでラビリンス。

足が痛くなるころ、突然、王宮広場に戻る。

長くなったので、クイズは今回はお休み。
 
▽旧市街と新市街を分けるゲート

 
 
▽道のいたるところにあるハンプ

 

【ヒマラヤ通信 その12】

 


まだ、途中ですが、好評をいただいているクイズのこれまでの答え。

第1回は、「マサラテイ」でした。

覚えた車の名前は、マセラティで、間違えは、ランボルギーニです。

どちらも発音が悪く、相手に通じなかったので、恥は、かきませんでした。

紅茶の葉を煮出したものにミルクとマサラというスパイスを入れて飲みます。

独特の香があり、慣れるとクセになります。

第2回は、「入口や天井が低くて、立って歩けない」でした。

ネワールの伝統的な建築は、皆、階高が低く、ネワール人の背が低いのと、充分な建材が調達できなかったためと言う意見が、有力です。

私は、日本にも昔あった、階高で税金をかける制度があったのではないかと思っていたところ、王宮の階高も高いとはいえないので、税金説は撤回です。

第3回は、「持っていた日本語とネパール語の本で、日本語を教えていた」でした。

「指差し会話」と言う本を持っていたのを見つけて、逆にネパール語を指差して、日本語でどう発音するか聞かれ、一つ一つ発音して教えていたそうです。
その間は、他の旅行者は素通り、出発時間を気にすると、大丈夫だと言い、実際、大分遅れて出発した。

第4回は、「ヒンズー教のシバ神の聖地であり、登山が禁止されている」でした。

Wikipediaによると1959年に英国隊の遠征があったが、登頂しないとの条件に従って、頂上アタックは、されていないという。
 
▽アンナプルナ山系のジオラマ(中央に魚のしっぽのように二つに分かれて尖っているのがマチャプチャレ

 

【ヒマラヤ通信 その13】

 

雨を連れて来たのは誰か?

こちらに来てから、ほとんど、毎日のように雨がふる。

そろそろ、雨期になるので、仕方ないが、それにしても良く降る。

一度降ると排水設備が整っていないので、道がすぐに川のようになる。


 
▽すぐに川のようになる道 

▽これは川ではありません

これから、結婚式のパーティーに行こうと言うのに、川では、出かけられない。

この時ばかりは、車もオートバイも数が少なく、静かになる。

停電で薄暗い宿のロビーで雨を見ながら、止むのを待っている。

何もできない。

▽ホテルのロビーで雨を見ながら待つ


それにしても、私がこちらに来る前は、雨が数ヶ月も降らずに雨ごいの儀式までしたというのに、巫より強い雨男がいるのかしら。

■雨乞いの祭り

雨の神マチェンドラナート神を祀る祭りで、毎年、雨期の前に行われるという。

巨大な山鉾を街の中を引き回す。

狭い道が、人で溢れ、また、これを見ようと沿道の建物も人でいっぱいになる。

 
▽5階建ての建物よりも高い巨大な山鉾


 
▽沿道の建物からはたくさんの手が出て、ご利益にあずかろうとする


 
 
▽道は、人で溢れかえる

雨に関するクイズです。

排水設備の悪いパタンでは、雨が降るとすぐに道路が川のようになります。

そこで、住民はある工夫で、防衛しています。さて、何でしょうか。

①川になった道を人が渡れるように臨時の橋が用意されている。

②道が川になった時に家の中に水が入ってこないように道路より、入口が高くなっている

③雨水が下の地区に流れないように、ところどころに、ダムが造られている

〖ヒント:インフラはほとんど整備されていないので、自己防衛している〗


ヒマラヤ通信も今回が最後となりました。続きは、日本に帰ってからのお楽しみに

ネワール族で行われる3日も4日も続く結婚式の話など、ご期待下さい。

今回は、クイズの答えです。

 

【ヒマラヤ通信 その14(最終回)】

 

クイズの答えです。

その7の答えは、「ヒマラヤに合わせて、日本の嶮しい山の谷川岳のデザイン」でした。

どこから谷川岳が使われたのかは謎ですが、広い見本市会場に突然「谷川岳」の字を見たときは驚きです。

買わなかったので、写真はありません。

その8の答えは、「ヒマラヤは、登山者の棄てていったゴミでいっぱい。展示品の目玉は、ゴミ」でした。

ヒマラヤ登山者が捨てていったゴミが近年問題になっていますが、その一部が展示されています。
 
▽ヒマラヤのゴミの展示(一部)

その9の答えは、「停電中に寝てしまうと、夜中に突然、部屋中の明かりが付き目が覚めてしまう」でした。

夜の寝る時間(8~9時頃)に停電になっていることが多く、さらに、ON OFFが日本と逆のため切り忘れてしまい、寝ていると突然、明るくなって、驚かされます。

その10の答えは、「お子様ランチのプレートのように仕切りがある」でした。


 
▽家庭ではこのようなプレートで食べます(お皿に盛られているのは、漬物や薬味のようなもので、小さなボールは、右がダル(豆のスープ)、左がカレーです。お猪口のようなものは、各家庭で作られる焼酎(50度はあるという話)を飲むための杯です)

その11の答えは、「道が川になった時に家の中に水が入ってこないように、
道路より入り口が高くなっている。」でした。

パタンは、王宮広場から道が放射状にはしり、旧市街地をとりまく畑が低くなっています。

このため、放射状の道により多くの水が集まりここが川になります。

もし、歩いていて、雨に降られたら、道路と入り口の高さの差が大きいほど、水の流れる量が多いので、ここを避けて歩くことをおすすめします。
 
▽道より高くして自己防衛している商店

 

 

 

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2 コメント

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お祭り (SN)
2014-05-26 19:05:13
壮観ですね。
GWの観光地よりもすごい人だかりにビックリです。
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Unknown (作者)
2014-05-29 10:49:31
パタンの雨乞いの祭りには、その山車の大きさに加え、人出にはびっくりですね。人口17万のパタンのどこから、これだけの人が出てきたか不思議です。
写真は、山車の通るメイン道路ですが、脇道も、沿道のビルにも人があふれています。
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