先月香港に突然現れた巨大アヒルのコピーが、中国で増殖しているようだ。それについて、共産党機関紙の人民日報が社説で(社説でだよ)「われわれのクリエイティビティと未来を損ない、ついには想像力の喪失をもたらすだろう」と書いたようだ。「未来を損なう」というのは、とても正しい。でも、この国にクリエイティビティなんて近代ではほとんど無いし、想像力の喪失にいたっては、最初から喪失していると言ってよい。国みずから軍用機や軍用車両などのコピーを平気でやっているかたわら、民に対して言える立場ではない。
私が関わっている中国の写真機材メーカーも、新しい物を作ろうという意識を持っている人なんてほとんど居ないと断言できる。新しく発想しょうという、頭の構造が出来ていないのだ。これらの会社は、他国の製造を引き受け他国の基準で物を作り製品のツボを他国のメーカーからの指示で学んで今があるのだ。そして、一番ダメなのが実際の撮影現場を知らない事。そのくせ変なプライドだけは高いのでタチが悪い。まぁ、でも最近の若い30歳代のボスは、それがよくわかっているので、ちょっとだけ期待しているのだが…。
この国を一言で言い表せと言われたら「矛盾」という言葉につきる。(元々、「矛盾」という単語は中国が発祥だからある意味正しいのかも知れない)
画像は、前世紀の貧しかった時代に嫁入り道具の一つだったホーロー製の洗面器。昔は、これ一つで髪や顔を洗い野菜なども洗ったと聞いている。現在、私のキッチンで食器を洗う時に使用しているが、顔は洗ってない。アヒルは3年ほど前に、文廟の市場で5個セットを買った物で確か15元(約200円)だったかな。現在、いつもカメラバックに入れてあり外での撮影時に時々使用している。
新しいRicoh GRで撮影