原作は中島らも
ちょっと疲れた時に観たい映画の中に「寝ずの番」ある。1997年故宮博物館初日取材が終わった北京のホテルの私の部屋で、スタッフ全員集まって酒を呑んでいた時に、地方の方言の話になった。口火を切ったのは中島らもさんで、ソソとソトを聞き間違えた話から始まり、チャコ・オメコ・オマンコ・ボボなど日本全国各地の民俗学的な話に発展。担当編集者など3人は女性だったが、けっこう盛り上がった。当時の中島らもさんは酒を断っていた時期なので、確かウーロン茶を飲んでいたと記憶している。そんならもさんに気を使わず、他のスタッフ5人は酒を呑みながら饒舌ならもさん(後で聞いたら珍しい事だったようね)の話に聞き入っていた。
この「寝ずの番」は、ソソとソトの聞き間違いから始まるのだ。そして、この映画は何度観たかわからないほど観た。それは、ちょっと疲れた時や笑いたい時にはとても良いカンフル剤映画だからだ。この映画、笑える日本映画の中でベスト1だと私は思っている。以前この映画のDVDを持っていたのだが、誰かに貸して行方不明に。こんな時、海外生活者にとってAmazonビデオはとても助かる。Amazonビデオで寝ずの番は、ココ。
この映画の中に出てくる落語家の師匠は、六代目笑福亭松鶴がモデルで、けっこうな豪華キャスト。この「寝ずの番」が映画化されたのは、らもさんが亡くなった二年後だったので、原作者本人はこの映画を観てない事になる。らもさんが生きていれば、この映画の話をしたかったなぁと思いながら、癒されたのでベットに向かって熟睡。